●対独戦の戦勝記念日を9日、モスクワをはじめとする各都市では、軍事パレ
ードや犠牲者を偲ぶ慰霊祭など記念行事が行なわれた。
モスクワ中心部の赤の広場では実に18年ぶりに戦車ミサイル、航空機など
実際の兵器が登場し多くの人々が見守った。
7日に就任したメドヴェージェフ新大統領は演説し、対戦から得た教訓を忘
れないよう訴えた。
メドヴェージェフ新大統領は紛争は自然発生するものではなく、無責任な野
心を国際法の上に置く人々によって炊きつけられるものだ、と語り国際法の
尊重を呼びかけている。
またモスクワでの式典の閉幕時には、祝砲が打たれ花火が空を彩った。
戦勝63年を祝う祝賀行事は旧ソ連圏のほか、ヨーロッパ各地でも催されてい
る。
●先週末の大型サイクロンで甚大な被害を受けたミャンマーへ、第一弾となる
ロシアからの救援物資が到着した。
ロシア非常事態省の航空機によって運ばれたのは、避難生活に欠かせない
テントと毛布、計30トンだ。
また12日には救援物資第二段として、さらに発電機や食糧品、医薬品がヤン
ゴンへと送り届けられることになっている。
9日、国連報道官は国際社会に対し、ミャンマー国民への緊急支援として1億
9千万ドルの拠出を予定した。
被災者150万人を3ヶ月にわたり支援するのに必要な額だとしている。
先週末のサイクロンによる、ミャンマー国内の死者の数が2万3千人を超えたと
発表しているが、国連は最終的な死者数が10万人に上ると推定を明らかにし
ている。
一方国内では新憲法の是非を問う国民投票が行なわれている。
国が大きな痛手を負った中での投票の実施に、野党や人権保護団体などは投
票の実施延期を求めたものの、軍事政権は被害の大きかった地域で延期を決
定するに留まり残りの地域では実施されている。
●レバノンではヒズボラと政府側双方の支持者による衝突で、この3日間による
死者が18人に達し、75年から90年まで続いた内戦以降、最も深刻な事態とな
った。
ヒズボラによるベイルート西部の制圧から、一夜明けた10日は静けさに包まれ
ている。
商店や市場が開いたものの、港や国際空港は閉鎖されたままで、必要な道路
もヒズボラに掌握されている。
今回の衝突の発端となったのは、政府によるヒズボラ系TVネットワークの閉鎖
の決定だった。この報復としてヒズボラは政府系の(?)を占拠し、政府が政治危
機の打開を向けた対話を開始しない限り、ベイルートの制圧は解かないとの声
明を明らかにした。
緊張化したレバノン情勢に関しては、サウジアラビアの発議により、11日にエジ
プトのカイロにアラブ連盟の代表が集まり協議する。
一方ロシア外務省は声明を表し、情勢への憂慮を表わすと共に対立する双方
に国内秩序の回復を求めた。
●アメリカ国務省は先日行なわれた北朝鮮との協議の際、北朝鮮側から手渡され
た文書に、両国が1986年から軍事化計画を稼動していたことを示す資料があっ
たことを明らかにした。
国務省は声明で北朝鮮から受け取った資料は、全部1万8千ページに及び北朝
鮮の原子炉の稼動や、軍事プルトニウムの生産に関する記録が記されていると
した。
このなかで北朝鮮は86年から、軍事目的に使うプルトニウムの生産活動を稼動
させていたことを明らかにした。
北朝鮮はこれまでに核爆弾8個分に相当する、約80キロの軍用プルトニウムを
得ていたことが予測される。
アメリカは北朝鮮のテロ支援国家指定、および金融制裁解除の条件として、核
計画の完全な申告を挙げており、国務省は今回の文書を申告に向けた、重要な
最初の一歩となったとしている。
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●グルジアからの独立を宣言しているアブハジア当局は、先日撃墜したグルジア
の無人偵察機に、対空用のミサイルが搭載されていたことを明らかにした。
グルジアは先日撃墜した無人偵察機の、墜落した残骸の検証結果を記者団に発
表した中で、機体には対空用ミサイルが搭載されており、一般市民やロシアから
の平和維持部隊が危険にさらされていたと伝えた。
アブハジアは上空を飛行していたグルジアの無人機を、今回発表したものを含め
この2ヶ月間で5機を撃墜している。
※ (?)は聴き取れず