1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

石炭に侵される中国(2)

2013-06-27 | ラジオ
中国は天然ガスの採掘量を増やしているが、それでも国内の埋蔵量はそう多くない。またガスの需要の伸びは生産能力をはるかに上回っており、この問題はとても国内のガス採掘では解決できない。
トルクメニスタンとのガスの売買契約は、この状況を多少軽減した。つい最近まで中国はトルクメニスタンのガスを、ロシア産ガスの対欧州価格より安く輸入していたからだ。ところがプラヴォスドフ所長は、中国が謳歌していたこのトルクメニスタンのガス天国も、そろそろ終わりを告げることになったとして、さらに次のように語っている。
「エネルギー価格指標の提供およびエネルギー需給の調査を専門とする、独立企業アーガスメディアは先日、トルクメニスタンは中国向けのガス価格を引き上げることを明らかにした。
これにより中国も、ガスプロム産の欧州向けガスと同じ価格で支払うことになる。同時に中国は液化天然ガスの購買量を増やさざるを得ない状況となっているが、この価格も少なくとも、ガスプロムの対欧州輸出価格より低くないか、時にはそれ以上のものとなる。なんとかして安価なガスを購入したいとする中国人の期待は敗れた。なぜなら中国に安いガスを提供しようとする人は誰もいないからだ」
所長の発言だ。

プラヴォスドフ所長は、中国は遅かれ早かれガスプロムとの供給契約を締結するだろうとして、さらに次のように語っている。
「中国は常にガスプロムから、欧州向け価格より安くガスを購入しようと努めてきた。ところがロシアにとってはこれは受け入れられない要求だ。
なぜなら、こうした契約を締結すれば、欧州も直ちに安い価格を要求してくることは目に見えていたからだ。新たな市場に入らんがために、今まで付き合いの古い市場を壊してはならない。だからこそ、価格は同じに設定しなければならないのだ」
所長の発言だ。

世界のガス市場の景気にも、ますます高まる中国の環境カタストロフィーにも押される形で、中国もロシアとの大量なガス供給契約を結ぶ交渉を活発化せざるを得ない、
3月のモスクワ訪問で中国の習国家主席も、ロシア産ガスの大量買付けを開始する構えを表している。

中国エネルギー事情 (岩波新書)
クリエーター情報なし
岩波書店

6月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル