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アメリカ特務機関 防御より攻撃に出んとす

2013-06-12 | ラジオ
アメリカ特務機関がアメリカ市民らを監視していたスキャンダルは、予想外の展開を迎えている。NSAは情報がマスコミに漏れたことについて、刑事事件として告訴することを求めている。
最終的決定はとられていないが、もし刑事事件となった場合、イギリスの新聞ガーディアンと、アメリカの新聞ワシントンポストの記者らが打撃を受けることとなる。これはアメリカ当局とマスメディアの対立という構図のなかで起こっている。

アメリカの特務機関は防御から攻撃へと舵を切りつつある。アメリカ市民らを監視していたことでスキャンダルの憂き目にあったNSAは、アメリカ市民の監視プログラムについて公表した、その責任者を見つけ出そうとしているのだ。
NSAは情報漏えいの事実に基づき、刑事事件としての告訴を求める公式の照会を法務省に対して行った。この照会は退けられる可能性もあるものの、おそらく認められる公算が高いと言える。
アメリカ政府は最近になって、情報漏えい対策を真剣に推し進めているからだ。バラク・オバマ大統領自身、同様のスキャンダルに不満を持っている。

大統領は次のようにコメントしている。
「私はこのような情報漏えいを歓迎していない。なぜならば、それが秘密であったことには理由があるからだ。多くの人が秘密プログラムに疑問を持つことはよく理解しているが、今という時代、多くのプログラムは秘密にされている。例えば、テロとの戦いに関するプログラムもそうだ。我々の目的は、敵が我が国に対して被害を与えるのを阻止することにある。
もし我々の行動の一つ一つが、新聞の一面やテレビニュースで報道されるのであれば、テロリストたちに対応策を許してしまうことになるだろう。それゆえに、それらのプログラムは秘密にされている。もし情報漏えいが続くようであるならば、我々の対テロプログラムおよび、それに関わる人々に脅威を作り出すこととなる。それは非常に危険であり、国民を保護する能力を低下させるものだ」
以上のようにオバマ大統領は述べている。

スキャンダルが起こったのは先週のことだ。イギリスの新聞ガーディアンが文書を公開し、そこに記されていたのは、アメリカの各通信会社の顧客全員の電話、およびメッセージに関する情報が特務機関によって収集されていたということだった。
その後、ワシントンポスト紙は大手プロバイダーのインターネット通信を制御できる、秘密システムの存在に関する記事を掲載した。当局側は、そのようなプログラムが存在することを認めざるを得なかったが、すべてが合法的に行われているとの声明を表した。アメリカ議会は同様の法律を承認しており、秘密プログラムを把握していたのだ。

これは世論に大きな波紋を呼び起こした。これは特務機関に対する疑問をさらに増大させ、目撃証言の偽造などに関する質問も寄せられている。
アメリカ法務省が刑事事件を認めるならば、スキャンダルの引き金となったガーディアン、およびワシントンポストの記者らは打撃を受けることになる。
これはマスメディアへの攻撃としては少なくとも3度目のものだ。法務省はすでにAP通信、およびFOXニュースの記者らについて情報を収集しているからだ。このような事態はアメリカの現政権のイメージに、決定的な打撃を与えている。

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6月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル