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日本の原発、エネルギー資源であると同時に爆弾でもある(1)

2013-06-21 | ラジオ
日本政府は今回、エネルギー白書を承認したが、そこには原発からの完全撤退ということは書かれていなかった。
東日本大震災での福島第1原発の事故以来、原子力エネルギーから完全に撤退する考えを打ち出したのは、当時の民主党政権だった。当時、日本の電気需要の最高30%をカバーしていた50基の原発のうち、48基が閉鎖された。これが基で日本では電気料金が値上がりし、製造業全体に深刻な問題がもたらされた。

原子力エネルギーに代わるものは直ぐには見つけられない。元駐日ロシア大使を務めたパノフ氏は、今回の安倍内閣の決定は決して寝耳に水ではないとして、次のように語っている。
「安倍氏は首相に就任するやいなや、原子力エネルギーの利用は今後も行われるという声明を表した。なぜならどんなに代替エネルギーを模索する計画が立てられても、それは日本に安価なエネルギーをもたらすことには成り得ないからだ。
日本は世界中からガスを購入し始めたたが、そのお陰で貿易収支は赤字に転じてし まった。現在、電気エネルギー価格の上昇の抑制が急務となっているが、このため原子力エネルギーなしには日本は立ち行かなくなっている。これにつけて浮上するのは如何に安全対策を確保するかということだが、当然より多くの資金を投入して新たな防御メカニズムなどを導入せざるをえない。原発反対を訴える気運 はもちろんある。国民の52%が原子力エネルギーに反対している。
しかしながら何が何でも反対するといった猛烈な勢いはない。ですから日本が原子力エネ ルギーに立ち戻るということは明らかだ」
このようにバノフ氏は述べている。

エネルギー白書には将来的に、環境を汚染しない新たなエネルギーを開発することで、原子力エネルギーに依拠しないようにする必要性ということが示されている。ですが原発を完全に否定することは日本にはできない。
モスクワ国際関係大学のストレリツォフ教授は、この背後にあるのは経済的な理由だけではないと指摘している。
「ここには軍事的なまた政治的要因もある。すなわち核兵器の製造のため経済的ポテンシャルを維持する必要性があるのだ。日本がこの先、非核三原則を破って、核ミサイルを製造するという人は誰もいないだろうが、核爆弾を造ることのできるような経済的な、技術的なポテンシャルをこの国は持っており、しかもずいぶん前から持っているということは言える」
このように専門家は述べている。

日本の原発、エネルギー資源であると同時に爆弾でもある(2)へ続く

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6月18日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル