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中国と欧米 新しい貿易戦争が始まるのか

2012-03-24 | ラジオ
アメリカはまた中国をWTOに訴えた。今回は中国がレアメタルの輸出割当を厳格化したことが原因だ。
アメリカは中国が輸出割当を厳格化することにより、タングステンおよびモリブデンの市場価格が高騰すると主張しており、EUおよび日本もアメリカの立場を支持している。

本日(15日)、中国商務部のシェン・ダニヤン報道官は、貿易の自由を制限するものではなく、レアメタルの生産は環境への悪影響を伴うことから、環境保護の観点から輸出割当を規制するものだと説明している。中国はこのようにして、化石資源の保護を目指している。
中国は世界のレアメタル市場の90%を占めており、自らの言い値で販売している。WTOの規定によれば、貿易体制は不平等なものであってはならない。アメリカによれば中国企業はレアメタルに関して、外国企業よりも有利な条件で購入しており、特にアメリカ企業は大きな差別を受けているとしている。

ロシアの専門家らは、この問題はWTOの枠内で十分に解決できるものだと考えている。
インヴェストカフェのサフォノフ主任分析員は、中国とアメリカの間で新しい貿易戦争が起こることはないと指摘している。
「アメリカと中国は、すでに長い間対立している。両国はお互いを非難しているが、何らかの積極的な行動はとっていない。両国は相手が全体的なルールに違反しているとか、保護主義をとっているとかで批判しているが、それ以上にことが及ぶことはない」
主任分析員は、このようにコメントしている。

アメリカと中国は、お互いにとって大きな貿易経済パートナーだ。それゆえ、その関係を、さらに悪化させるようなことには関心がないと、ロシア科学アカデミー極東研究所のボーニ分析員は指摘している。
「両国はすでに長い間、競争と対立を続けてきたが、それは上がったり下がったりしてきた。アメリカと中国との間で貿易戦争は起こらないと思う」
分析員は、このようにコメントしている。

VORが話を聞いた以上2人の専門家によれば、今回の場合、アメリカ、EU、日本が中国に対する訴えを起こしたことは、政治的な動機に基づくものであり、自国の経済的利益を守ることを目的としていると指摘されている。
しかしレアメタルへのアクセスをめぐる問題は、ますます地政学的な意味づけを持ってきている。さらにレアメタルは、ハイブリッドカーの生産にも使われる。それゆえ、世界でも最大のレアメタルメーカーBaotou Steel Rare-Earth Groupが生産を中止した際、日本と中国は貿易戦争の瀬戸際まで追い詰められた。
中国はレアメタルのうち、90%以上が日本向けだからだ。とはいえ、この事件をきっかけにトヨタは、レアメタルを使用しないハイブリッドカーの生産に向けて、より一層大きく動いており、これは日本の輸入依存度を下げることになるだろう。

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3月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル