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フィリピンの米軍常設基地復活へ

2012-02-12 | ラジオ
アメリカは太平洋地域での軍事プレゼンスを拡大する意向だ。それは先ずフィリピンから始まるだろうと見られている。
スービック・ベイ基地へのアメリカ海軍の配備、またフィリピン領内でのアメリカ軍の展開、また合同軍事演習の頻度の拡大。こうしたテーマが1月26、27日とワシントンで行われたアメリカ・フィリピン協議で主なテーマとして取り上げられた。

フィリピンは2週間前にオバマ大統領が公表した、アメリカの新しい軍事戦略が試される、それが実際に施行される恐らく最初の国になるのではないかと
見られている。
ロシアの軍事専門家コジュリン氏は、そう捉えている。
「これはまだアジア太平洋地域における、アメリカの抜本的な軍事プレゼンス拡大だとは思わない。
デモンストレーション的な拡大とも言うべきものだ。なぜなら他の地域ではアメリカの軍事プレゼンスは縮小しているからだ。アメリカがアジア太平洋地域において東南アジアから、自国の軍事プレゼンス拡大を始めようとしている事は、この地域に特別の注意が割かれている事を物語っている。ここには新たなグローバルな様々な矛盾の基本的なポイントが集中しているからだ」
軍事専門家は、このように述べている。

今から20年前フィリピンはアメリカ軍に対して、太平洋地域最大の基地であったスービックベイ基地からの、スービック湾にある基地から(FONT COLOR=RED>※相変わらず「くどい」)の撤退を求めた。
そして今回ここにまたアメリカ軍が帰ってくる可能性も排除できない状況になっている。
新聞ワシントンポストは、これに関連して中国を言ってみれば狙い撃ちにした、一連の戦略的措置の一環であると指摘した。
この地域を両国の船舶やタンカーが通過するからだ。ここ、つまり南シナ海をコントロール下に置く事は、この地域全体を支配する事も意味する。 

南シナ海にあるスプラトリー諸島は、中国とアメリカの利益が交差する場所に当たっている。
この島々を巡ってはベトナム、フィリピン、マレーシアそしてブルネイが中国と領有権を争っている。
恐らくフィリピンは南シナ海における、中国の領土要求に対しバランスをとるため抑止力が欲しいために、自国領内にアメリカ軍の常時駐留を認める用意のある最初の国となるだろう。

これに関連してワシントンポストは、アメリカがベトナムとの軍事コンタクトを活発化した事にも注意を促している。
もっともアメリカ上院外交委員会・東アジア太平洋小委員会の委員長を務めるウェッブ上院議員はベトナムに近い将来、アメリカ軍基地が置かれるとは思わないと述べている。

また昨年の11月、アメリカはオーストラリアとの間で、ダーヴィンのティンダル空軍基地の海兵隊員の数を増やす事で合意に達した。
このダーヴィンの基地にはまた戦略爆撃機や戦闘機、燃料補給機なども配備されることになっている。これに先立ってシンガポールとの間でも、アメリカ海軍基地に関する合意が達成された。

ロシアの声記者は、この地域で増大する中国の軍事的な野望に対して、抑止力を求める近隣国の反応について、軍事専門家のコジュリン氏に再び意見を聞いてみた。
「中国経済の発展とともに巨大な軍事力が出現した。アメリカはここに、この地域における自国の利益そして平和に対する重大な脅威を見ており、それを撃退する用意がある。フィリピンに出現するアメリカ軍基地も、その用意を物語るものだ」
軍事専門家は、このように強調している。

あらゆる事から判断して軍事プレゼンス強化に向けた、この地域におけるアメリカ軍の次なる措置となるのは、日本そして韓国における新たな戦闘機の配備だろうと思われる。
アメリカはまた朝鮮半島の南部に、新型無人偵察機を配備する意向だ。 
中国がこうしたアメリカの新しい軍事戦略に、いったいどういった対応を示していくのか、周辺諸国は注意深く見守っている。

21世紀の世界政治〈2〉アジア・太平洋世界
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1月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル