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注目される宇宙における米中軍事交流

2011-08-17 | ラジオ
アメリカは誤りが生じるリスクを避けるために、中国に対して宇宙空間での行動ルール作り、行動ルールの作成を提案した。
これはアメリカ国防総省宇宙政策担当補佐官が明らかにしたものだ。
あらゆることから判断してアメリカ国防総省は、宇宙におけるいわゆる衛生兵として行動するつもりのようだ。そして中国がそれを助けるよう望んでいる。

アメリカ国防総省はアメリカが追跡している宇宙ゴミの全ての量の内14%が、中国が2007年に自国の使用済み衛星を一掃した結果、生じたものだと伝えている。
その際衛星は中国の弾道ミサイルによって撃墜された。当時この事実は先ずアメリカを非常に心配させ、自国の、つまりアメリカの衛星を守るためには軍事力さえ辞さないと中国側を威嚇した程だった。
と言いますのは中国は自国の衛星を、自分の国の弾道ミサイルで撃墜することに成功したからだ。
そして初めて世界に地球周回軌道上の人工衛星を打ち落とす力を、自分達が持っていることを示したのだった。

ロシア地政学問題アカデミーのヒフコフ第一副総裁は、それ以来中国は、軍事兵器開発において前進を遂げたと指摘し、次のように述べている。
「アメリカ人達は中国がかなり集中的に、宇宙開発プログラムを発展させていることに一定の懸念を抱いている。
中国は攻撃用も含めて、かなり強力な衛星を展開することが可能だ。それらの衛星によって他の国の衛星も、また弾道ミサイルも含めた地上の目標物も撃退できるのだ。
現在アメリカは宇宙において優位に立っており、戦場の統一情報空間を管理するアメリカのあらゆるシステムは、まさに宇宙において優位に立つよう作られている。
もし中国が、そうした可能性を潰すことができれば、アメリカの軍事力は、何倍も落ち込んでしまう」
ヒフコフ第一副総裁は、このように指摘している。

今年初めゲイツ国防長官が中国を訪問した折、アメリカ国防総省は初めて中国政府に対し、宇宙に関する対話を呼びかけた。
なお訪問中、ゲイツ国防長官は外国からの賓客としては初めて、中国の戦略核兵器管制センターに招かれ、そこを視察している。
ゲイツ長官は会談で宇宙に関する情報交換を呼びかけたが、この呼びかけに中国側は耳を貸さなかった。

では今後状況は、どう発展してゆくのだろうか。ロシア科学アカデミー・アメリカ・カナダ研究所副所長は、次のように予想している。
「対決的な行動は中国にとって利益とはならない。しかし宇宙における米中の競争は激しさを増すと思う。二つの基本的なファクターがある。
一つ目は地球周回軌道衛星とりわけ静止衛星の場所と周波数帯、二つ目は、これは本質的な要素なのだが、宇宙ゴミだ。
これらはますます宇宙空間を、新たなホットポイントに変えないよう可能な限り行動を調整する必要性を訴えかけている」
副所長は、このように述べている。

このコメントの最後に付け加えなければならない事がある。それは中国が宇宙空間の軍事化に反対しているという点だ。
この立場は国連が支持する、ロシアとの共同イニシアチブの中でも反映されている。
一方アメリカだが1970年代すでに語られ始めた、あのスターウォーズ計画を未だ放棄していない。 このことを忘れるべきではないと思う。

古代中国の宇宙論
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岩波書店

7月24日放送 ロシアの声・週間ラジオ展望