1010 Radio

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内戦勃発の瀬戸際に立つパキスタン

2007-12-30 | ラジオ
12月28日パキスタンでは有名な政治家であり、反政府勢力パキスタン人民
党の指導者でもあったベナジール・ブット氏が埋葬された。
ブット氏は前日にラワルピンディで、選挙活動の集会を行なっている最中に自
爆テロ犯に狙われ命を落としている。
パキスタンでは国喪の日が宣言された。何百万人もの人々はこのテロを、国
民全体の悲劇と捉えている。
ブット氏は首相の職を2度務め、このことでパキスタンにも民主化が定着する
のではないかと期待を抱かせた。

ブット氏は今年10月に亡命先から再びパキスタンへと戻り、来年1月8日に行
なわれる議会選に向けて、自分の党、パキスタン人民党率いて選挙戦を展開し
ていた。AX

ブット氏が亡命先から戻ったその日すでに,氏を狙った暗殺未遂事件が発生し
ている。このときのテロでは140人以上が亡くなっているが、ブット氏を殺害しよ
うとした犯人は犯罪の痕跡を残さなかった。
そして結局27日木曜日、この者たちはとうとう目的を遂げたのだ。

ブット氏暗殺を企てた者たちはまだ検挙されていないが、多くの政治家達はこれ
を急進勢力の仕業と考えている。
その内の一人ロシアのクリマコフ氏は、次のように述べている。
「あるインタビューの中でブット氏本人が言っていたのだが、彼女の暗殺の為に
アルカイダの指導者が金を支払っているそうだ。ですからイスラム急進派勢力が
彼女を暗殺したというのは間違いないだろう」
クリマコフ氏はこのように語っている。

この説は裏付けられた。国際テロ組織アルカイダがテロの犯行声明を出したから
だ。28日パキスタンの英語放送テレビ局は、アルカイダの声明を引用し、我々は
パキスタンにおけるアメリカの手先を殺したという声明を流した。
急進派勢力の目的は明らかだ。それは彼らが敵として憎む政治家ブット氏を退け、
国を内戦状態に逆行させ、そして混沌の中で政権を握ろうとすることにある。
プーチン大統領はこの暗殺に関し、パキスタンのムシャラフ大統領に向けて贈った
お悔やみのなかで、このテロ事件をパキスタンのみでなく、国際社会全体における
テロ組織が行なった脅迫だと特徴付けている。

今このパキスタンの状況が統制上取れないカオスへと政治対話にさせることはとて
も重要だ。こうしたカオスの脅威は現実にあり、これは社会に渦巻く反抗勢力を引き
込んでいる。
核兵器を保有するパキスタンの状況を不安定化させることは、パキスタンのみならず、
この地域全体にとって非常に恐ろしい結果を招くことになりかねない。

テロ・マネー アルカイダの資金ネットワークを追って

ダグラス・ファラー,竹熊 誠

日本経済新聞社

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29日放送の同局のニュースによれば、アルカイダは女性を狙うことは無いとの声
 明も報道されている
相変わらず発音が不明瞭な女性アナウンサーで聴き取るのに難儀する

12月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル