殺伐

数人で、こじゃれたバイキング店に行ってきた。
オープンしてまだ間もないのだが、ここに来るのは二回目だ。

入口で、お金を払っているシャムスカ監督（トリニータ）とすれ違いながら店内へ。

さ～て！食べるぞ～！

バイキングに行くと、一品でも多く食べたくなるのが人間というもの。
なにしろ自分が食べれば食べるほど儲かるシステムなのだ。
逆に言えば、自分が食べなければ食べないほど損するシステムなのだ。

頑張って食べねばならない。
得をするためには食べるしかないのだ！

いや、得しなくてもいい。
でもせめて元だけでもとりたい。

鼻息荒く料理が並んでいる台に突撃し、あれもこれも取っていく。
一心不乱に食べ続け、そしてまた立ち上がって突撃開始だ。
すぐにそれも食べ上げ、さらにまた突進していく。

でもさぁ。

いつも行くバイキングほど『元を取る！』という雰囲気がないんだよね。

いや、ボク個人的にはあるけど、周りのお客さんには無さそうなのよ。
圧倒的に女性客が多いんだけど、まったりノンビリと食べていってるの。

何しろこじゃれた雰囲気だけあり、お客もこじゃれた感じの人ばかり。

バイキングなんてものは、もっと眼の色変えて食べるものでしょうが！
より高級な物を探し、必死で胃の隙間を作ってそこに詰め込んでいくものでしょうが！
我れ先にと肉を引っぱりあい、寿司が舞い散りってこそ本当のバイキングというものだ。

それが何ですか、このマッタリした雰囲気は！

もっと殺伐としてくれなきゃ困るよ。

そんな雰囲気のせいもあってか、何だかあんまり食べられなかったなぁ。
前回の時もそうだったけど、このこじゃれた雰囲気に飲み込まれたのかもしれない。

次こそは…。

キャベツ

Ｇ氏、Ｏ氏、そして愚妻とモツ鍋を食べにいった。
キャベツたっぷしが売りの、この店独自のモツ鍋だ。

モツも新鮮で、キャベツも甘く、実に美味しい。
最後のチャンポンと雑炊までお腹いっぱい食べてまいりましたよ。

でもさぁ。

ボクらが通されたのは、２０人ほど収容出来る大部屋。

それはいいんだけど…

ボクら以外には１０名ほどの団体さんしかいないんだよね。
しかも、体育会系の屈強な男性ばかりの団体だ。
大部屋の半分以上をその団体さんが占拠してしまっているの。

居心地悪いなぁ。

いや、別に態度の悪い集団ではない。
大騒ぎするでもなく、ワイワイと楽しそうにしている普通の集団だ。
むしろ男だらけにしては大人しいほうかもしれない。
店の雰囲気も、店員の感じも決して悪くない。

でも十数名の屈強な男の集団と、４人の貧弱な男女とでは、その存在感の違いは明らかなんだよね。

普通ならば、その団体さんだけで貸し切りにしててもおかしくないほどの広さの部屋。
そこに、で～んと団体さんのテーブルが並び、みんなでワイワイとモツ鍋をつついている。

その真横にポツンとボクらのテーブル。
せめて互いの距離が開いてたら気にならないだろうが、真横に団体さんの背中があるほどだ。
かなり近い。

４人で縮こまって、ひっそりとモツ鍋を食べていく。
会話する声も、どことなくヒソヒソ声になってしまう。

でっち奉公にでも来た気分だ。
孤独感が半端じゃないぞ。
全く知らない人達だが、何故か「のけものにされた」ような気になってくるから不思議だ。

「てへへ。お邪魔はしませんから、ちょっとだけいさせて下さいね。てへへ」
と、卑屈な姿勢でコソコソと食べ、逃げるようにして帰ることになりましたわ。

せっかくのモツ鍋の味が半減したね。
ま、それを差し引いてもかなり美味しかったからいいけど。

ばぶ～

お向かいに住むＨ氏が、やってきた。
お土産を持ってやってきた。

呑気に２泊３日で北海道でスノボしてきたらしいんだよね。
いいですなぁ。
スノボは全くどうでもいいけど、北海道は実に羨ましい。
ボクだったらスノボなんかせずに、あちこち回るだろうね。

スノボなんかするくらいなら、裕次郎記念館に行ったほうがマシだ。
リフト券を買う金があるんなら、白い恋人を大量に買ったほうがマシだ。

で、そのお土産。

キラッキラしている赤いツブツブ。
そう、イクラですわ。イクラ！

海産物は大好きだ。
ありがたいなぁ。

晩ご飯をどうするか考えてたとこなんで、さっそくご飯にかけてみた。
軽く醤油をかけて、食べてみる。

と…

んめぇ～！

こりゃ旨いわ！

あまりに旨くて、笑顔が止まらない。
ニヤニヤしながら食べていく。

当然だが、こないだ回転寿司で食べたイクラとは明らかに質が違う。
そんな風に比べるだけでも北海道イクラに申し訳ない。

だってメジャーリーガーと草野球やってる商店街のオヤジほどの違いがあるんだよ。
イクラってタマゴだったんだなぁって再認識させられるほど、一粒一粒が濃厚なの。

こんな旨いものをくれるんだったら、Ｈ氏には毎週北海道に行ってもらいたいものだ。
毎週あっても飽きないわ。

日曜の午後

朝からテニスに行き、それからみんなで食事へ。

食後、Ｒ氏が
「今日はこれから何か予定あるん？」
と聞いてきた。

桃鉄だな！

かなりの桃鉄好きのＲ氏だが、最近あまりやってないのでストレスたまってるのだろう。

が、ボクはこれから用事がある。
ちょいと知り合いが来るんだよね。

その旨を伝えると、かなりガッカリした様子だったが

「どこかで時間潰して待っておくわ」

との答え。

え～！
そこまでしてやりたいのか？

まあ、その用件さえ済めば他に予定はないし、待っててくれるのなら断る理由もない。
なのでとりあえずボクは家に帰り、知り合いが来るのを待つ。

そして知り合いとの用件はすぐに済んだので、Ｒ氏に連絡。
ほどなくしてＲ氏と、一緒に待っていたＯ氏がやってきた。

Ｒ氏＆Ｏ氏と共に、桃鉄を始める。
ボクはいつものように、いろいろと作業をしながらになるが、一緒になってそれをやる。

ダラダラと進めていく。

横では「眠い」と言ってゴロリとなったきり、眠ってしまっている愚妻。
となりの部屋では、後からやってきたＡ氏が仰向けになってパソコンでネットを見ている。

いいんですか？
日曜の昼間っから、こんなのでいいんですか？

男性４人と女性１人だぞ！

世が世なら、戦隊ヒーローになっててもおかしくない比率だ。

が、ボクらは世界を救うこともなく、そして変身することもなく、ただダラダラと過ごすだけ。
もし今、近所でコソドロや痴漢騒ぎがあったとしても、無視してダラダラしてると思う。
もう少し有意義な過ごし方は出来ないものか？

途中で愚妻が目覚めたので、ゲームを変わってもらい、ボクは作業に集中する。
が、さっきまでボクが動かしていたキャラクターの行く末が心配で心配で、なかなか集中出来なかったよ。

結局、みんな６時間近く桃鉄をしていたなぁ。

せめて次回からは、５色のスーツに身を包んでからダラダラするようにしよう。

コアラ

義弟Ｋ夫妻と、ショッピングモールへ買物に行った。
あちこち見て回っている時。

前方に見慣れた男の姿を発見した。

おお！
義弟Ｋ夫人の弟だぞ！

義弟Ｋ夫人と出歩くことなんて滅多にないが、そこでその弟に遭遇するとは凄い確率だ。

ちょうどその時は義弟Ｋ夫人が遠くにいたので、急いで弟くんを連れて走っていく。
そうして感動のご対面だ！

まあボクが期待してたほど、涙を流して抱き合うほどのシーンは見られなかったけどね。
それでもなかなか驚いていた様子。

ま、兄弟なのでたいした会話もなく、すぐに別れたんだけどね。

それから買物したり食事をしたりして、義弟Ｋ夫妻とは別れる。
２２時頃に家に戻ると、Ｉ氏がやってきた。
手土産に、お菓子を買ってきてくれていたＩ氏。

ありがたい。

けど…

けど…

なんで『コアラのマーチ』ばっかりなのよ！

もっといろんな種類のお菓子を買ってきてくれりゃいいものを、いろんな味のコアラのマーチが大量にあんの！
多すぎ！

いや、別に文句はないんだけど…

けど…

けど…

やっぱ飽きるわ！

彼が何故コアラのマーチにここまでこだわったのも分からんし。
どうしてもボクに今日コアラのマーチを食べさせたかったのかなぁ。
このＩ氏、昔は突然スキンヘッドにしたり、ヒゲモジャになったり、ロン毛になったりしていた。
毎週のように車で２時間かけて熊牧場に通ったり、何もしていないのに警察に連行されたこともあった。
そんな彼だが、ここんとこ大人しくなってたのよね。
見た目も中身も普通っぽくなってきてたの。

もしや、新しいキャラ作りの一環として、コアラのマーチを持ってきたのか？
もしかしたらこれから来るたびにコアラのマーチを持ってこようと思ってんのか？

う～ん…。
今日のとこはよく分からん。

ま、その後やってきたＡ氏も交えてみんなで美味しく食べたからいいんだけどね。