キャベツ

Ｇ氏、Ｏ氏、そして愚妻とモツ鍋を食べにいった。
キャベツたっぷしが売りの、この店独自のモツ鍋だ。

モツも新鮮で、キャベツも甘く、実に美味しい。
最後のチャンポンと雑炊までお腹いっぱい食べてまいりましたよ。

でもさぁ。

ボクらが通されたのは、２０人ほど収容出来る大部屋。

それはいいんだけど…

ボクら以外には１０名ほどの団体さんしかいないんだよね。
しかも、体育会系の屈強な男性ばかりの団体だ。
大部屋の半分以上をその団体さんが占拠してしまっているの。

居心地悪いなぁ。

いや、別に態度の悪い集団ではない。
大騒ぎするでもなく、ワイワイと楽しそうにしている普通の集団だ。
むしろ男だらけにしては大人しいほうかもしれない。
店の雰囲気も、店員の感じも決して悪くない。

でも十数名の屈強な男の集団と、４人の貧弱な男女とでは、その存在感の違いは明らかなんだよね。

普通ならば、その団体さんだけで貸し切りにしててもおかしくないほどの広さの部屋。
そこに、で～んと団体さんのテーブルが並び、みんなでワイワイとモツ鍋をつついている。

その真横にポツンとボクらのテーブル。
せめて互いの距離が開いてたら気にならないだろうが、真横に団体さんの背中があるほどだ。
かなり近い。

４人で縮こまって、ひっそりとモツ鍋を食べていく。
会話する声も、どことなくヒソヒソ声になってしまう。

でっち奉公にでも来た気分だ。
孤独感が半端じゃないぞ。
全く知らない人達だが、何故か「のけものにされた」ような気になってくるから不思議だ。

「てへへ。お邪魔はしませんから、ちょっとだけいさせて下さいね。てへへ」
と、卑屈な姿勢でコソコソと食べ、逃げるようにして帰ることになりましたわ。

せっかくのモツ鍋の味が半減したね。
ま、それを差し引いてもかなり美味しかったからいいけど。