１９時

家への帰り道。

息子（１０歳）と母・美智子を乗せて車で進んでいた。

「イノシシでるかな？」

と息子。

少し前にこの山道を通った時にイノシシが目の前を横切ったんだよね。
家からすぐ近所のこの山。
昔からイノシシが出るのは知っていたし、見たこともあるけど、山道とはいえあんなに堂々とでてきたことに驚いたものだった。

それ以来、この道を通るたびにイノシシを期待する息子。
さすがにそんなに出ないよ。

案の定、それっきり見かけた事はない。

「でも今日は、前に見たのと同じ時間だからいるかも！」

確かに前回も今日も１９時。
同じ時間だからって出るわけがない…

出た〜！！

道路じゃなくすぐ横の草むらに、イノシシの姿が見えたぞ！
本当にいた！

しかも４、５匹！

すげぇ！
そしてちょっと怖い！

大きさからみて、親子か？

慌てて母・美智子のスマホを撮って撮影する息子。
暗かったし、ちょい遠かったから撮れてなかったけどね。

前後に車はなかったけど、運転中のボクはさすがに撮影なんてするわけないはいかない。
かなり減速してイノシシを見るのが精一杯でしたわ。

しかしこの短期間でまた遭遇するとはなぁ。
息子がいうように、この時間に出てくる可能性はかなり高いのかもしれないな。

こりゃもう商売にするしかないな。
何しろ家から数１００メートルくらいの場所にイノシシスポットがあるんだもん。

イノシシ観光ガイドとして、ボクの車にお客さんを乗せてその山道を通るのだ。
一回５０００円くらいでどうだ？
時間限定だから一日１組になるけど、だいたい２人くらいで参加するだろうから一日一万円。
毎日やったら、イノシシガイド屋さんだけで生活できるな。

軌道に乗ったらバスを買って、さらに収入アップだ。

奇しくも来年はイノシシ年。
イノシシブームになるのは間違いないので、今から準備をしておこう！

忘年会

撮影で関わっている会社の忘年会に行ってきた。

社員さんに加えて外部の関係会社の人達も集まっているので、200人くらいいる。

一人で仕事している立場なので、こんな場所にはあまり来ることがない。

だからちょっと嬉しい。

でもちょっと苦手だ。

人見知りが激しいからさ。
話せる人はいるけど、話したことがない人の方が多いし、さらに知らない人も大勢いる。
そんな場所にポツンといるのは怖すぎるんだよね。

会が始まるとすぐ、外部の関連会社同士で名刺交換してたり、ビールを注ぎ合ったりしていた。
みなさん慣れてるな。
動きがスムーズ。
立派だよ。

ボクより年下と思われる人もたくさんいるけど、スーツ着てそういう仕草してたらみんな貫禄あるように見えて来るね。

慣れてないのと、人見知りが激しいのとでニヤニヤしたままのボク。
とても貫禄あるようには見えないだろう。

名刺交換もビールの注ぎ方も、ちゃんと決まりがあるんでしょ？
こっちを上むきにしてとか、こっちの手はこうしてとかいうルールが。
そんなのよく分からないまま生きてきたボクは、見よう見まねでビールを注いだりつがれたり、名刺を渡し合ったりする。

ラベルが上だろうがどうでもいいと思うけどな。

「ラベルが下向きだからこの人は信用できん！」

と文句言うような人の方がよほど信用できんよ。
なんて思いつつも、一応ラベルを上むきにしたりして注ぎましたわ。

忘年会が始まった直後は、左右に話しやすい人が座っていた。
ここの社員で、その中でも話しやすい人達。

こりゃラクでいいや。

と思ったのも最初だけ。

社員さんはあちこちのテーブルを回る必要があり、しばらくするといなくなってしまった。
残されたのは社員ではない関連会社の面々。

会話はするけど、あまり長く続かない。
仕方なく前の料理を食べようとする。

が、ここは中華屋さんみたいな丸テーブル。
上に料理が乗ってて回転させるのがあるってやつね。
あっちの唐揚げが食べたいな。
と思っても知らない人たちの前であまり激しく回せず。

なぜかボクの前によく止まった、魚の南蛮漬けばかり食べてましたわ。
これあんまり好きじゃないんだけどな。
周りから孤独な人と思われないため、食べ続けましたよ。

いつも撮影で関わっている会社なので、会う人会う人から「今日は撮らないの？」と言われた。
色々気苦労するから、撮ってる方がラクでいいなぁ。
と思った、今年最初の忘年会でしたよ。

国民文化祭

大分県内で行われていた国民文化祭が終わった。

期間中、盛り上がっていたのかな？
国民文化祭ってなに？ってまま終わってしまった大分県民も多いような気がする。
いろんなイベントがありすぎて、どんなものなのかすぐにイメージしにくいもんね。

ボクも撮影で関わっていなければ、あまり分からなかったかもしれない。

要するに県内で色んなイベントがいっぱいあるっていうものでしたわ。

どのイベントも普段じゃできない規模のものを作り上げていて、どれもなかなか楽しかった。
すんげぇなぁと思いながら撮っていましたわ。

その分、ハードな日々だったけどね。

撮影をするという行為は一緒だし、絶対に失敗できないのも普段と一緒。
だけどやっぱり規模が大きいだけに、やることも撮影時間もプレッシャーも普段よりはるかに多い。

特にこのラスト数日間は色々重なってて、なかなかのバタバタっぷりでしたわ。

だからボンヤリしていたのかなぁ。
数日前の撮影の後コンビニによっておにぎりとか買って帰ったんだけどさ。

家に帰って見ると、おにぎりとあんパンと、どら焼きと、あんこと生クリームのデザートを買っていたよ。

疲れきっていたのか、ボンヤリしていたのか、無意識に体があんこを欲していたのか。
あんこは大好きだけど、流石に深夜にそんなに食べられないな。

店員さんも一言注意してくれればいいのに。
「ちょっとあんこ多すぎじゃないですか？」って。
そしたら気づいていたのにさ。

ま、実際に言われたら腹たつだろうけどさ。
大きなお世話だよ。

でも無事に国民文化祭絡みの撮影が全て終わってホッとしたな。
これからは、いつも通りの撮影が続く。
例年撮っているイベントが多いので、そこまで胃が痛くなるようなことはないだろう。

いや。
考えて見たら、この溜まった素材の処理が残っている状態で、さらにイベントが続くというこれからの方が難関な気がしてきたぞ。
ホッとしてる場合じゃないわ。
どうにか乗り越えていくことにしよう。

バーベキュー

友達の家でバーベキューをすることになった。

息子（１０歳）の保育園時代の友達の家庭なんだけどね。
定期的に当時の友達を招いてくれる、太っ腹で優しい人なのよ。

おまけにその家が周りに民家がなく、しかも広いので、子供達も遊び放題。
みんなこの集まりを楽しみにしているのだ。

昼前に集まり、早速バーベキューの用意。
お酒が並び、肉をジュージューと焼き始める。

「じゃあそろそろ帰るか」

実はボクだけもう帰んなくちゃいけないんだよね！

撮影は入っていない日だったけど、家でやらなきゃいけないことがいっぱいあってさ。
とてもじゃないがバーベキューをしていられない。

でもまあみんなの顔を見たいし、酒好きな愚妻の送迎も兼ねて、一旦ここにきたのよ。

本当は全員に会ってからすぐに帰るつもりが、なかなかみんな揃わず、気づけば肉はどんどん焼かれていっていた。

この旨そうな匂い。
この楽しそうな雰囲気。

それを置いてボクは帰らねばならないのだ。
何も食べずに帰らねばならないのだ。

これはキツイ。

後ろ髪引かれるランキングでも、トップクラスの出来事であろう。

焼肉を前にして帰るには強靭な精神力が必要だ。

「まあまあ、ちょっと一口食べていって」

と、Ｋ氏が悪魔の言葉を投げかけてくる。

いやいや。
一口だけで済めばいいけど、一口食べたら最後。
もう一口、そっちのウインナーも一本だけ、どれどれ、こっちの豚肉も食べてみようか。
となってしまうのは目に見えている。

ここは毅然とした態度で対応しなくちゃいけないのだ。

もう逃げるように車に飛び込んで帰りましたわ。
悔しいから焼肉弁当買って、家で作業しながら食べましたわ。

そうして暗くなった頃にお迎えへ。
庭には冷えきったバーベキューセットと、空き缶が置かれていた。
みんなが盛り上がっていたのが目に見えるようで悔しい。

今度こんなことがあったら、もうパソコン持ち込んででも無理やり参加してやろうかな。
デスクトップパソコンじゃないと無理だから、でかい本体とモニタとケーブルとかを一式持っていくことになるのか。
かなり大がかりな作業になっちゃう。

そこまでしてバーベキュー食べたいのか？と思われてしまいそうだが、そこまでして食べたいんだから仕方ない。
いつでも動かせるように準備しておこう。

日本代表

夕方、近所にある実家へ行った。
車で３分くらいの距離なんだけど…

なんか今日交通量が多いぞ！

どうやら近くのドームで、サッカー日本代表の試合があるようだ。

それはそれは。
サッカーはあまり興味ないけど、日本代表だったらそりゃ見にいく人多いだろうな。

実家へ到着。
ここはドームへ向かう道路沿いにあるので、渋滞している様子がよく見える。

もうすぐ試合始まるってのにまだ渋滞か。
それもあまり進んでいる様子がない。
しかもここからドームまではまだ２キロくらいある。

たまにドームで大きなイベントあるけど、ここまで渋滞ってのはあまり見ないな。
雨が降ってるってのも影響あるんかな。

でもさほど気にせずに実家で過ごし、たまにテレビでその試合を見たりしつついると…

あれ？
そういえばまだ車の音が多いな。
もう試合始まってるのにまだ渋滞してんの？

窓から覗いて見ると！

まだまだ渋滞中！

歩道を走って行ってる人もいる。
車が進まないから降りて走ることにしたんだろう。

ここからドームまで2キロくらいあるけど大丈夫なのか？

ちょっと好奇心で道路に出てみると…

次から次へと走っていく人が通り過ぎて行った。
車をどっかに乗り捨ててなのか、運転手に車を任せた同乗者なのかはわからない。
でも次々に走ったり歩いていく人々。

目の前で止まっていたバスからも、降りて走っていく人もたくさんいた。

なんかすげぇな。
みんな大変だな。

まあ、既に試合始まってんのに全然進まないんだから、焦るのは当然か。
もうすぐハーフタイムってくらいだもんね。
この渋滞を待っていたら、本当に試合が終わってしまいそうだ。
走っていけない運転手はもう絶望的だろう。

イライラするだろうなぁ。

地元だから抜け道とか、車を停めておけそうな場所を知ってるから得意げに教えたりしたいとこだけど、車が多すぎて無理だ。
とてもこの全員をどうにかするなんて出来やしない。

何も出来ず、ただ走っていく人たちを心の中で応援しましたわ。
日本代表を応援せず、それを応援するために駆けつける人を応援したという、よく分からないことをしちゃったよ。

みんな無事に観れていればいいなぁ。