ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETC2.0 モニターキャンペーン玉砕の模様

2015年04月03日 | ITS
今年の初めから始まったETC2.0普及促進キャンペーン(すでに3回目)についてはここで書いた。
最終的な結果は発表されていないのでわからないが、Carview様のこの記事が正しければ、2月末時点での応募は607人だったらしい。2か月経過して進捗率6%。
どんなに控えめな言い方をしても、大失敗だろう。

そんな中でETCポータルサイトはETC2.0に関する新しいコンテンツ「ETC2.0のサービス」をオープンしている。

この内容をみて、普通のETCより一万円以上高いETC2.0をつけようと思う人がどれくらいいるのだろうか?

特に表現が微妙なのが最後の二つ。
平成28年に予定されているゲートがない新料金所については、ETC2.0でないと利用できないとは書かれていないが、いかにもそう思わせるような感じを受ける。実際に技術的には現行のETCでノンストップ通過はできるが、普及のためにわざと2.0でしか使えなくするのかもしれない。しかしそれにしても2.0は普及しないので困っているのだろう。
その辺が「ETC2.0の導入に合わせ、一定速度で通過できる新設計料金所を設置」というあいまいな表現になっているのだと思う。

あとは、「広がる民間サービス」。これはタイトルとは裏腹に全然広がっていない。唯一ビジネスで参入したITS事業企画(IBA)もタイムズに吸収され消滅し、細々と続いていた駐車場サービスは神戸空港を除いてすべて廃止された。本当は「消えゆく民間サービス」なのだ。
その辺は十分わかっているので説明文はかなり苦しい表現になっている。
「ETCの多目的利用が推進されています。将来的には、まだまだ工夫することで新しいサービス展開の可能性があります。」

長くなるので今日はここまでにしますが、これ(今、ETC2.0と呼ばれているもの)を批判するのがそもそも10年前にこのブログを設立したきっかけです。そういう意味で、今の失敗は始まる時から予測していました。それに対してさまざまな技を使って国交省はこのプロジェクトを推進してきたわけです。
後程改めて経緯を簡単にまとめてアップします。