ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

自動運転に関するまとめ その4

2015年01月29日 | 自動運転
承前

5.完全自動運転への道のり

既にGoogleは実証試験車を走らせており,かなりのデータを蓄積しているらしい。
しかし,当然のことであるが,自律式である以上は相当設定を安全に振る必要があり,近くに歩行者がいるとなかなか発進しない等,じれったいような運転になっているようだ。

これは今時点では仕方がない。

さらに言えば,自動運転車両が中途半端に普及した状態では交通流は悪化するだろう。
制御を安全に振るため,非自動運転車車両の動きを常にリスクが高い方に予測して運転をせざる得ないため,かなりな慎重運転にならざる得ない。
この,自動運転と非自動運転が混流する過渡期における渋滞悪化は難しい問題になる。
自動運転専用レーンを作る等,道路側での対応が必要となる。

さらに,道を走る車が全て自動運転車になったとしても,歩行者の問題が残る。
この先自律型の衝突安全装置は相当に精度を上げてくるだろうが、見通せない場所からの飛び出しには対応できない。
もちろん,すべての歩行者,自転車が通信機器をもって人対車通信を行い事故回避をすればいいのだろうが,その通信器を体に埋め込む様なことをしない限り,100%安全は保証できない。
人・自転車と車の混流は道路構造などで物理的に防ぐしか無いだろう。

完全自動運転の世界が実現するには相当な時間が必要となる。
それまでの間は自動運転とマニュアル運転のハイブリッドのような形となり,自動運転は専用レーンのみというようなことになる。そして専用レーンがだんだんと増えていく,というようなイメージだろう。
専用レーンからマニュアルレーンに出るときのワーニング等,克服する問題も結構多い。
相当に長い過渡期となるだろうが,しかしそうしない限り完全自動運転のゴールに辿り着くことはできない。