ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

明けましておめでとうございます

2015年01月02日 | 雑記
新年、明けましておめでとうございます。短い一時帰国中。東京の家からアップしています。
※大晦日の上海外灘で発生した将棋倒し事故。36人の方が亡くなったとのことでご冥福をお祈りします。実はその24時間前にまさにあの場所で友人を案内して夜景を見ていました。

最近、テレマティクスは「コネクテッド・カー」と名前を変え、また新たなブームを迎えようとしているかに見えます。
しかし、だからといって昨年は私からみて重要なブレイクスルーだと思える事柄があまりなく、実際ITSに関係するブログのアップはほとんどありませんでした。
テレマティクスもコネクテッド・カーもその本質はあまり変わらず、結局のところは大したユーザーベネフィットを生み出すことはないと見ています。

ITSに関する、より重要な方向は自動運転にあると考えています。
これはインフラ整備を伴うこと、すべての車に装備されないと機能しないことなどから、一朝一夕で普及することはありませんが、将来の既定路線ということは間違いないでしょう。
自律型の自動運転装置と通信方式の適切な組み合わせで、まずは高速道路のような隔離された道路から始まるのではないかと思います。

中国で仕事をしていて切実に感じることは、日本製品の商品力の低下です。
ブランド力や製品の魅力では欧米に勝てず、コストでは韓国、中国製に勝てない。韓国、中国製品のクオリティは(上位企業製品に限っていえば)確実に向上しており、そのスピードは日本人が想像しているよりはるかに速い。
日本製品の商品ポジションが空洞化しつつあるのですが、これを日本企業は切実に理解していないのではないか。

例えばスマホ。
SONYのエクスペリアは未だに、「カメラ性能に世界が驚く」なんてTVCMをしているが、そこに未来はない。
シャープのアクオス・クリスタルという端末、縁まで液晶の先進的デザインで発売時にはかなり話題になったけど、いまソフトバンクで投げ売りしている。(3Gガラケーからの乗換なら外部スピーカー付きゼロ円、かつ13,000円の通話割引)
もうその程度のハードウェアの進化ではブレイクスルーにならないのでしょう。それを得意技としてきた日本企業はこれからどんどん苦境に立たされる。スマホはわかりやすい例だけど、車だってその他の家電だって同じです。

テレマティクスと同じくらい話題先行で実体がともなわない「ウェアラブル」にしても、これこそ生活の質を向上するソフトが伴わなければ商品としては成立しないという意味で、日本企業が最も苦手とする分野です。
すでにエコシステムをもつAppleやGoogleですら一筋縄ではいかない商品。残念ながら日本企業がここでヒット商品を出せる可能性はほとんどないと思います。

かなり悲観的なことを書きましたが、2015年が皆様にとってより良き年でありますようお祈り申し上げます。