ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

電子マネー1億枚

2008年04月12日 | 雑記
今日の日経新聞によれば、各種電子マネーの合計発行数が今年の前半にも1億枚を超えるそうだ。

個人で複数枚持っているケースも多いから一概には言えないけど、単純な言い方をすれば国民一人に一枚ということになる。
ところが日経記事では、「普及が進めば異業種の提携などが活発化し、顧客に利便性の高いビジネスが生まれる素地となる」というきわめて微妙な表現をしている。

実は関係者の期待ほどには利用が伸びてこないのだ。

1億枚の内訳をみると、利用率がダントツに低いEDYが過半を占めている。
EDYは社員証や学生証に付属したりするケースが多いからだろう。
さらに、その他も改札口通行カードである交通系がほとんどで、まともに利用を拡大しているのはセブンアイのNANACOだけ。これも、社内でかなりのプロモーションをかけてこの成果を出している、という話だ。

だから、単純に枚数と利用は比例しないのだが、多くの人が財布や定期入れに「使える」カードが入っていても「使っていない」ということになる。

何故、期待ほど利用が拡大しないのか?
この先電子マネーはどうなるのだろうか?

ETC(DSRC)の商業決済利用に比べれば、ビジネス拡大の目は十分にある。
適切な展開がなされれば、急激な利用拡大の可能性もあると思っている。

私の場合は、PASMOをオートチャージにしてから使うようになった。
わざわざ機械やレジでチャージしてまで電子マネーを使いたいとは思わないが、その手間がないなら、確かに便利だ。
しかし、前にも書いたけどオートチャージカードを作るのって結構ハードルが高い。
SuicaはVIEWカードを作らなければオートチャージにならない。

その辺が普及の阻害になっているのは間違いない。
こうしたユーザーに不便を強要する囲い込み策は絶対に成功しない。

キャッシュレス決済がもたらす効用に消費者は対価を払ってくれない。
だから囲い込むことでビジネスケースを成立させようとしているのだろうが、こうしたやり方はなかなかうまくいかない。