ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

スーパー第三世代

2004年12月31日 | ITS
31日の日経朝刊トップによれば、次世代携帯(スーパー3G)の規格統一に関して、ドコモ、ボーダフォンを含む世界共通に・日米欧中26社が合意したという。

スーパー第三世代は光ファイバー並みの高速大容量サービスが実現される。
これはITS・テレマティクスにどのような影響を及ぼすのだろうか?

高速通信は地図データをダウンロードし都度更新する、いわゆるオフボードナビに有利に働く。
オフボードナビは常に最新の地図データを使えることと、ローカル(車内)に大きなデータを置かなくてすむことが有利な点だ。
一方で、使うたびに通信料がかかるというデメリットがある。消費者の心理としては都度利用料や通信料がかかる仕組みは、例え少額でも敷居が高い。
従って、通信料や利用料は一括で商品価格に組み込んでしまうというやり方が行われている。

スーパー第三世代は、ナビゲーションを一変させるのだろうか?
私はNOだと思う。理由は、オフボードナビは現在のナビの仕組みに大変化を起こさせるようなメリットがないからである。ローカルに光学ドライブを備えてDVDの地図データを読み込む方式に、ユーザーの大きな不満はない。地図データが最新でなければ困るという状況なんてほとんどない。
また、オフボードにしたからといって、圧倒的なコスト低減が出来るわけでもない。今の仕組みを根本的に変えるほどの要因はない。

高速通信がクルマにもたらすもう一つのメリットは、画像・音楽データのダウンロードだ。
これの方がビジネスモデルを構築しやすそうだ。ビジネスチャンスがある以上、著作権料の扱いなどはいずれ片が付くだろう。
しかし、クルマがダウンロードするわけではなく、携帯がダウンロードするわけで、ビジネスチャンスはテレマティクスというよりはクルマとケータイのインターフェースをどう作るかにかかってくるのだろう。

スーパー3G携帯は今の携帯とは様変わりしていると考えた方が良いだろう。それ自身、i-podの様なHDDプレーヤー機能や、映像ビュワー機能を持っていることは間違いない。
こうした携帯を持ちながら、敢えてクルマに似たような機能の通信装置を埋め込む必要はないだろう。車の中はあくまで生活の一断面にすぎないのだから。