みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

AモデルのE-7PD

2012年08月08日 00時03分14秒 | 航空機(露・軍用機)
 先日ホビーテラで買ったものの一つ、AモデルのE-7PD短距離離陸実験機です。以前の一見して作れそうにないレベルから、一見すると作れそうに見えるレベルまで進化したAモデルの最近の製品で、ちょっと前まではレジンキット以外では考えられなかったアイテムですね。
 ネット検索では、半角英数の「E-7PD」でも、キリル文字のЕをYeに直した「Ye-7PD」でも、このAモデルのキットのことばかりヒットするようです。昔はこの航空機のことを「MiG-21PD」と言っていたような気がしますので、これで検索すると、ああこれなら、この航空機のことがいろいろヒットします。
 あ、よく考えたら、半角英数の「E」と、キリル文字の「Е」とは、そもそも文字コードが違いますから、ロシア語の「Е-7ПД」で探してみなければなりませんね。そうすると、
http://www.dogswar.ru/oryjeinaia-ekzotika/aviaciia/4563-istrebitel-perehvatc.html
すぐこんなのがヒットします。これによると、
「МиГ-21ПД」

「Е-7ПД」
とは、同じ航空機を指すようですね。ところでこのПД(PDに相当)とは「Подъемные Двигатели」の頭文字で、これは「吊り上げる、持ち上げる」+「エンジン」で、文字通りリフト・エンジンのことです。あ、キリル文字は入力するのが大変だから、コピペしました。
 ここを見ると、
http://crimso.msk.ru/Site/Crafts/Craft22093.htm
あ、タイトルはやっぱMiG-21PDのようですね。Еなら実験機か試作型、MiG-21だと実戦配備されたような印象を与えますが、いや、この機体はリフト・エンジンが中央部にどかんと腰を据えているため内側に折りたたむ主脚が収納できず、脚は出したままの固定式なんだそうです。第一次大戦機かっ! そんなもの、実験機でしかあり得ません。しかしこのウエブページの下の写真では「23-31」という試作形式名と「MiG-21PD」 と「Ye-7PD」とが使い分けられているようい見えるんですが、私は同じものだと思ってました。
 もう一つ、この実験機が「Е-7」=「Ye-7」という名称を持っているということは、MiG-21の歴史の中では「Ye-7」の派生型に位置づけられる、ってことですよね。「Ye-7」を原型とする系統は、全天候レーダーを搭載し、背中のふくらみがコクピットと垂直尾翼の途中まで来た中期型、即ちPF系統ってことです。ちなみに、私が若い頃のMiG-21の標準的資料だったビル・ガンストンの本は、このMiG-21PDを「Ye-8」に入れていました。まあビル・ガンストンの本は今となっては古いので、当時の情報が混乱していたのかも知れません。
 私はこういう大型のペーパーバックの書籍は、曲がったりしないように常に平積みにして置いているので、下の方のものを出してくるのは大変なんですが、先程久しぶりにこの本を引っ張り出してみました。やはり彼は、
  MiG-21PD, or Type 92(a puzzling designation)
と書いています。やっぱり、執筆当時はっきりしなかったんですね。旧ソ連では、写真だけ公開しておいて、名称も何も発表しないってことはよくあった話です。

 さてその、ビル・ガンストンのMiG-21本ですが、
Bill Gunston, Mikoyan MiG-21, OSPREY AIR COMBAT, 1986
というものです。当時はMiG-21に関する一番詳しい本で、当時日本で出ている本を見ても今ひとつ分からなかったサブタイプが、これでかなり分かった記憶があります。当時はろくにキットもなかったので、この本の写真を穴の開くほど見つめては、改造して主要なタイプを作り比べようと、無謀な夢にふけったものでした。特に、背中のフェアリングと垂直尾翼との繋がり方が各タイプでどうなっているか、どのタイプにどの射出座席を載せるか、各タイプのヘッドアップディスプレイ周辺がどうなっているか、などなど、何度も見直したものです。
 もちろん今は新しい情報に基づく新しい本がたくさん出ていますから、80年代の本はあまり資料的な意味はなく、ただ懐かしいというだけなんですが、試しにアマゾンで探してみました。もちろん今は絶版ですが、データとしてどうも二種類あるみたいなんです。
http://www.amazon.co.jp/Mikoyan-Mig-21-Osprey-air-combat/dp/0850456525/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1344347864&sr=1-1
http://www.amazon.co.jp/Mikoyan-MiG-Osprey-air-combat/dp/0850457343/ref=sr_1_2?s=english-books&ie=UTF8&qid=1344347864&sr=1-2
片方は、ええと、何?1911年刊?んなあほな。1911年って、MiG-21どころか、まだジェット機も存在しない時代だぞ。まあ単なる誤植でしょうな。もう片方は、1986年刊です。で、私が持っているのは、ISBNからして1911年のやつと同じもの。おそらく、初版の出版後、それほど経たないうちに改訂版が出たとか、まあそういった事情があったのでしょう。