みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ART MODELのYe-8 その2

2012年08月01日 00時00分50秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、ART MODELのYe-8のキットですが、パーツの精度についてはやっぱりまだまだで、機体の貼り合わせや翼の取り付けという基本作業だけでも、かなり擦り合わせや穴埋めが必要になります。でも、トップ画像に示した、垂直尾翼の根本、垂直尾翼とドーサルフェアリングのつながり方をご覧下さい。

垂直尾翼前方側面に、ドーサルフェアリングをそのまま延長したような線と、その上にもう一つ線が見えるのがお分かりでしょうか。つまり、aとbと、小さな二つの段が出来ているんですね。これ、Yefim Gordonの書籍などに載っている写真から判断するに、めちゃくちゃ正しいんです。確かにここに小さな段が二つあるんですよ。Ye-8の、書籍等で現在見られる写真というのは限られていて、胴体下面、特に特徴的なエアインテークの周辺や下面は、なかなか見られないんですが、でもこのキットのラインを一応信頼してよさそうですよ。精度の点では決して良くはなくて、隙間ができるのですが、でもこのキットの意図したラインを把握して、それを活かすように組み立てれば、きっと大丈夫だと思います。

 ところでこのキットの解説書ですが、キット実物の写真を使った組み立て説明になっていて、これはこれで下手なイラストよりはパーツの接着位置が分かりやすくて、よかろうと思います。英語とロシア語の実記解説もついています。これはその英語解説文の一部です。

図の二行目中央の
 at speed of Mach 2.15[1].
というところにご注目。「マッハ2.15のスピードで」ということなんですが、そこにくっついている、
 [1]
というのは一体何でしょう。この形だと普通は注釈番号でしょうが、この説明書には他のどこにも注釈は置かれていません。ん? これ、どこかで見たことありませんか? ウィキペディアの注釈番号がこの形をしていますよね。ってことは、もしかして、この解説書はウィキペディアをそのままコピペしたんではなかろうな?
 で、探したら、すぐ見つかりました。ここ。英文は、そのままそっくりです。あはははは~、プラモの世界でもあるんだ、ウィキペディアのコピペ! 学生のレポートなら不可になるところだぞ~! 注番号くらい消しとけっての!
 で、実際のウィキペディアの注釈[1]には何が書いてあるかと言うと、
"A&S Interview: Georgy Mosolov". AirSpaceMag.com. 2009-01-22. Retrieved 2009-05-28.
となっていて、参照元の典拠が書いてありました。この典拠のリンク先を見ると、
http://www.airspacemag.com/history-of-flight/AS-Interview-Georgy-Mosolov.html?c=y&page=1
これで、有名なソ連テストパイロットのG・モロゾフのインタビュー記事です。「A&S」はAir & Spacedeです。大変いい加減な記事も多いウィキペディアですが、これについてはちゃんとした典拠を挙げてくれています。
 知り合いの先生のお話では、やはりウィキペディアのコピペでレポート出してくる学生は跡を絶たないとか。コピペしたことがバレないように、きちんと文章の中に埋め込むような手間を掛ける意思と能力を有した学生ならば、そもそもコピペなどせずに、引用元を明らかにして引用しながら自分の論を立ててくる。世の中にはレポートのコピペ発見用ソフトウエアなんてものも存在するらしいが、コピペするやつは結局何も考えていないので、探せば最初に見つかるようなところをそのままコピペするし、このウィキペディアの注釈番号なんかも気づかずにそのままにするから、すぐに見つかるとのことです。
 閑話休題。このART MODELのロシア語解説の方は、私はロシア語は全然読めませんが、ロシア語版ウィキペディアの記事
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%95-8
とは明らかに文章が違うので、何か他の資料を元にしたのでしょう。
 Ye-8については、1/144のレジン製改造キットがありました。ワンフェスに出品しておられたようで、富永浩史氏の「祖国の翼WEB通信 仮設前線飛行場」の「ガレージキットとか」をご覧下さい(残念ながらYe-8は既に絶版のようですが)。実は作者の富永氏とは一度お会いしたことがあるんです。御著書の小説についてもいろいろお話うかがいました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿