みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ディエップ上陸作戦のチャーチル 渡渉用ダクトの話 その3

2010年07月09日 23時59分14秒 | AFV(英・チャーチル)
 Youtubeもよく探すといろんな動画があって、模型作りに参考になるものがたくさんあります。ディエップに関してもいろいろありますので、皆さん試しに「dieppe」や「dieppe raid」で検索してみて下さい。そんな中に
http://www.youtube.com/watch?v=-68nQqsvC2c&feature=related
こんな動画がありました。この内の2分28秒あたりから、英本土での上陸演習とおぼしき場面が始まります。戦車揚陸艦から上陸しようとするチャーチルです。その1コマをキャプチャしてみました。
 よく見かける上陸演習の写真ですと、車体側面のエアインテークカバーを外しているものが多かった。車体側面に四角い穴が開いているだけ、という状態です。これは明らかに戦車揚陸艦の幅が狭いため。しかしこの動画ではエアインテークカバーはしっかり付いた状態で、その上で三方にダクトを装着して上陸しているんです。やはりこのダクトを使用する演習も行っていたということですね。
 ついでに、これは砲塔の形から見てこれは明らかにMk.1かMk.2ですね。おそらくディエップ作戦前後の演習だと思われます。ノルマンディーではMk.1やMk.2はほとんど使われていないからです(一部指揮車輌には使われたんでしたっけ?)。おまけに、履帯上面フェンダーがエアインテイク周辺のみとなっていることからも、ノルマンディーよりずっと前だと考えられます。
 またこのチャーチル、車体前方に土囊らしきものをたくさん積んでいるのが見えます。防御用なのか、それとも車体前方のハッチなどから水が入らないように積んでいるんでしょうか。入水時にざんぶと水を被るのはやはり前方ですからそこだけふさいだのかも(おかげでMk.1かMk.2かの判断ができない)。考えるに、実戦でこんなところに土囊を積み上げていては、前方火器が使えません。上陸時にすぐに投棄できるはずもないし。そうするとやはりこれは、演習時のみのやり方だったのかな。

ディエップ上陸作戦のチャーチル 渡渉用ダクトの話 その2

2010年07月04日 11時21分29秒 | AFV(英・チャーチル)
 もう一枚、『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』からの写真(該書P.16)。著者の考証によるとここに写っている車輌は、ニックネーム「COMPANY」(C troopの車輌だからCで始まります)。型式はMK.1、砲塔番号はF3。撮影位置、つまり擱坐位置は、揚陸艦TLC3の左斜め前方。満潮時の潮位から考えて、上陸後ほとんど波打ち際で擱坐したものと考えられます。
 この車輌をよく見ると、徒渉用ダクトは左舷が残っている。そして右側は脱落、よく見ると車輌の後ろに後部ダクトも転がっています。これ、乗員が意図して投棄したのではなく、被弾の衝撃で取れたのではないかという気がします。キャタピラは左舷が切断されている。他の車輌も、海岸線に向かって左側に被弾しているものが多いような気がするので、この方向からの砲火が激しかったのかもしれません。
 後部のダクトは半分車体の下に潜り込んでいますが、これは擱坐位置が波打ち際で、波でダクトが押し込まれたという可能性が考えられます。ただ、このチャーチルの後方にダイムラースカウトカーが写っています。スカウトカーに徒渉能力はあまりなさそうですから、スカウトカーを水深のある場所で揚陸艦から降ろすこともあり得ない。むしろスカウトカーの位置が波打ち際だったのかも。航空写真に写っている海岸の残留物や漂着物から想像するだけですから、上陸時の潮位どこだったかは、なかなか判断できないんですけど。もっとも何波かに分けて上陸しているので、このチャーチルとスカウトカーが同時に上陸したとは限らないんですけど。
 と、一枚の写真だけでもあれこれいろんなことが考えられるものです。でも、困ったこともあって、今までは、飛行機と違って車輌については特定の車輌を正確に表現できなくても適当でいいや、と思っていたのですが、チャーチルの一輌ずつのマーキングなどを調べ始めると、ますます模型製作が進まなくなるんです。作っちゃってから間違いが分かるといやだから、十分に本を読み込んでから…、なんて考えていると、もう泥沼ですね。考証は考証、製作は製作と分けて考えなければ…。

ディエップ上陸作戦のチャーチル 渡渉用ダクトの話 その1

2010年07月02日 00時39分26秒 | AFV(英・チャーチル)
 先日の日記に、えむでん殿からコメントをいただいていました。
http://blog.goo.ne.jp/m4-mee/e/c0c55bd96dc547d5cfa505b67b6ead3d
ディエップの写真では、竹やり型延長排気管だけしか写っておらず、エアインテークのタワーが装着されていないのはなぜだろう、とおっしゃるわけです。そういえばそうですね。私も、ご指摘いただいて初めて気がつきました。確かに上方に逆八の字に伸びた排気管は見かけますが、トランク型の吸気用ダクトは目にしません。しかし、英本土の演習でも、後のノルマンディーでも、使っている写真はありますので、この時に使用しなかったというのも変です。こうなると早速調べてみたくなりますね。いつも参照している『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』をまた引っ張り出してきて、眺めてみました。
 そうしたら、よく見るとタワー型のダクトは写真に写っていることが分かりました。問題は次のように整理できます。
1、ディエップに関してよく見る写真は、ドイツ側の軍事報道カメラマンが戦闘後に撮影したものがほとんどである点。そのため、写っている車輌はすべて撃破されて擱坐した後の状態であること。
2、タワー型のダクトは、テンションのかかった状態のワイヤーで固定されており、上陸後はただちに車内からワイヤーを解放して、外側に倒れる形で投棄されること。
 よって、揚陸艦を離れると同時に撃破された車輌は別として、ダクトを投棄後多少なりとも前進した車輌、さらに波打ち際から岸壁を越えた車輌などは、投棄されたダクトがすぐ近くにはない、ということが考えられるんです。竹槍型の延長排気管は一々投棄しませんので、そのままの状態で行動します。だから擱坐した時点では、装着した状態のダクトも、すぐ側に投棄されたダクトも、いずれも見あたらないとしても不思議はありません。

 そこで、上に挙げた写真集から、ダクトが写っている車輌を探してみました。写真をご覧下さい(該書P.61)。車輌のニックネームは読み取れませんが、Mk.3が写っている写真の一部です。ご覧のように、右エアインテークのすぐ下にダクトが転がっているのが見えます。この位置で投棄したように見えます。但し周囲の状況からしてこのMk.3は波打ち際から数メートル陸に上がっているようです。上陸時が満潮であったことを考えても、やはり何メートルかは前進している。ということは多少なりとも波打ち際から前進した時点でダクトを投棄したのでしょうか。
 写真右手前にもダクトらしきものが写っています。これはやはり別の車輌が投棄したものでしょうか。同じ車輌のものだとすると、もしかしてキャタピラを破損するか、玉砂利でスリップするかして、車輌が向きを変えたのかもしれません。もしくは、投棄後に波にさらわせて移動したか。この周囲にも何輌かのチャーチルが擱坐していますので、おそらく他の車輌のものである可能性が高いとは思うのですが。
 いずれにせよ、このように地面に落ちた渡渉用ダクトはいくつも確認できます。よって上陸時には使用されていたことは間違いありません。上陸後すぐにダクトは投棄され、投棄後に移動してから擱坐した車輌が多いので、ダクトは写真にあまり写っていない、と、このように考えられます。

Model Transのチャーチル架橋型

2009年08月25日 23時51分18秒 | AFV(英・チャーチル)
 クレオスの輸入キット情報の「エアフィックス」のところを見ていたら、9月以降新製品のところに「チャーチル 架橋戦車」が出ていました。あれ? これはたしか模型屋さんに発注お願いしたよな。もうずいぶん前のことだぞ。やっと入ってくるのか。やべえ、Model Transの改造用レジンパーツをまだ使っていないのに、エアの新製品が来ちゃうぞ。まあ、毎度のことながら、早く作っていなかった自分が悪いんですけどね。
 エアフィックスの新製品、これは例によって既存の古いキットに新たに起こしたパーツを加えたものだと思います。シャーマンの地雷処理車「クラブ」やチャーチルの火炎砲車型「クロコダイル」はすでに入荷していますが、たぶんそれと同じコンセプトでしょう。
 エアの古いチャーチルはMk.7なので、クロコダイルならトレーラーやノズルなどのパーツを加えるだけでも問題はないのですが(クロコダイルのベースはMk.7だから)、しかし架橋型は基本的にはMk.3の車体だから、その辺はどうなのでしょうか。橋とアーム類を追加するだけではなく、車体側をMk.3に見せるためにスポンソンの四角いエスケープハッチをオマケで入れてくれる、なんてことを期待したいところです。そうしたことも、入荷したときの楽しみです。
 さて、写真のModel Transの改造パーツ、橋本体とアームという大きなパーツのみ並べてみました。もっと細かいパーツも入っていますが、ここでは撮影していません。使用キットはもちろんイタレリ(エッシー)が指定されています。実車写真からすると、箱絵に描かれた橋側面の三角形の穴が大きいように思えますが、実際のパーツの穴は問題ありません。写真ではバリがたくさん見えていますが、いずれも薄いもので、パーツには影響ありません。
 キットはこの橋を、収納して走行中の状態、まさに架橋するためにアームを上に持ち上げた形、アームを降ろして架橋が完了した状態、いずれに仕上げることもできます。ただ、ここには見えていませんが、細かいパーツが多く、どのアームがどのように組み合わせられるのか、どのパーツがどんな役割をするのか、説明図と実車写真とをよく見比べて、ちゃんと理解してからでないと、組み立てが大変そうです。
 そうだ、そこはやはりエアの新製品を習作にして、勉強しておくのがいいかも。だからエアを買っておく意味はありますよね、うんうん。それにエアは1/76で、Model Transは1/72だから、スケールも違うんだし、両方持っていても悪くはありません。

Resicastのチャーチル用エンジン

2009年07月30日 23時22分00秒 | AFV(英・チャーチル)
 レジキャストのチャーチル用エンジンを入手しました。
Resicast: 35.2308 Engine for Churchill
説明ではチャーチルMk.I~VIのいずれにも使用可とのこと。ベッドフォードTwin-Six水平対向12気筒液冷350馬力ガソリンエンジンですね。ベッドフォードと言えば、ポーランドのIGBからここのところ立て続けに1/72のキットが出ているあのベッドフォードトラックですよね。チャーチルのエンジンは元々このトラック用のエンジンで、2基組み合わせて戦車用としたものなんだそうです。
 AFVクラブのキットが自己完結度の高いものでしたから、ディテールアップ用アフターパーツはより細かいものになりますが、ヴォイジャーのものなどはべつに無くてもよい感じで、やはり一番ツボをついているのがこのレジキャストのものだと思います。渡渉用ダクトは「プラモ日記」で使っておられました。ARKとか、チャーチル用荷物などもいつかは使ってみたいものです。
 さてこのエンジンですが、通販サイトなどでは開けた点検ハッチからのぞいている写真ばかりが掲載されていたし、箱絵には「Drop in engine for AFV Club Churchill」と書いてあったので、まあハッチから見える範囲が再現されたものかと思っていました。ところが蓋を開けてみると、意外と部品は細かい。点検ハッチからは見えないような場所まで出来ています。ではなぜ「Drop in」かと言うと、隔壁まで出来ているので、そのままではクレーン吊り下げ状態にはできませんよ、という意味だと思います。Mk.IIが砲塔ジブクレーンでエンジンを吊り下げている写真が『パンツァー』誌などに載っていますが、改造しないとこういうジオラマはできません。 むしろ、タミヤのチャーチルMk.VIIについている、膝をついた戦車兵をハッチのそばに置いて、エンジンを点検中といった情景にするのがよいと思います。

AFVクラブからチャーチル用重量型履帯が

2009年06月07日 23時51分56秒 | AFV(英・チャーチル)
 なぢ殿の「連合軍車両研究」によると、AFVクラブからチャーチル用連結式履帯「重量型」の発売が発表になったとか。
http://www.perthmilitarymodelling.com/newkitnews/afvclub.htm
AFVクラブの今までのタイプは、キットも別売り連結式履帯も、いずれも「軽量型」でした。AVREやMk.5榴弾砲型はこの重量型が似合うような気がするので、いずれ出るのではと期待していましたが、キットより先に別売りが出るんですね。
 実車では、重量型の方が先に生産されたらしく、Mk.1~2は重量型を履いています。でも、必ずしも前期型というわけではなく、手元の資料をぱらぱらと見た限りでも、Mk.3/4/5/AVREなどで重量型を履いたものがいます。作戦地域によって選んだのかもしれませんが、しかし履帯なんてそうそう簡単に換装できるものではありません。上陸作戦の時には重量型を履いたものが比較的多く、それが後までそのまま使われたということなのかも知れません。
 写真は、左がハセガワのMk.1、右がミリキャストのMk.1のパーツです。このようにスプロケットの歯が入る穴以外は平らな感じなのが重量型ですね。ハセガワのキットではこのようにできるだけ自然に垂れ下がるように履かせると、重い感じが出ますね。1/35でもAVREには一度これを使ってみたいものです。楽しみ楽しみ。いつごろ入荷するのかな。

台湾みやげ その4

2009年03月11日 23時58分45秒 | AFV(英・チャーチル)
 台湾みやげの話、まだ続きます。これは組み立て説明図の後の方のページ。ここの英語もなんだか下手くそですが、注目すべきはこの写真。いやあ、こういう組み立て順序もあるんですね。普通は車体上下を先に接着し、その後組み立て済みの左右スポンソンを車体にくっつける、という手順を取ると思うんですが、この図はそうではありません。車体下部にまず左右のスポンソンをくっつけておいて、そこにパーツを接着済みの車体上部を組み込むんですね。しかし、そうするメリットはいずこに? 絶対ハセガワオリジナルの説明図の方が正解だと思うんですが。だって、後部機動輪も前部誘導輪も、片側でくっついた状態で作業することになるんでしょうに。
 おまけにこの写真、細かく見るとおかしなところがいっぱい。まず、車体下部に左右スポンソンがくっついていますが、そこにはめ込もうとしている車体上部にもすでに車体下部が接着してある。つまりこの図には、車体下部パーツが2個存在しているんです。それから車体後部上面の排気管の辺り、写真が不鮮明なのですが排気管以外に何かドラム缶みたいなものが見えます。それから車体前部、操縦手用バイザーは確かにあるのですが、その隣の、3インチ榴弾砲あるいはベサ機銃の付く装甲板が取り付けられていないんです。それから極めつけ…。みなさんお気づきになりました? 車体上半分と車体下半分で、向きが逆なんですよ! 上半分は写真向かって左が前。でも下半分は、向かって左が後ろですよね?
 この説明図のための見本を組み立てた人、この後どうしたんでしょうね? まあもちろん、あくまでカメラマンや編集者のミスであって、この後ちゃんと正しい方向に組み立てたんだとは思いますが。

台湾みやげ その3

2009年03月09日 23時57分52秒 | AFV(英・チャーチル)
 偽物チャーチルの組み立て説明図です。意外なことに、ハセガワの説明図の丸コピーではありませんでした。ご覧の通り、制作中のパーツの写真を使って説明図を作っています。確かに、図を描き直すよりは写真を使った方が手間がかからないことでしょうが、でも細部がつぶれていて分かりにくいんですけど。それにしてもこの英文、なんだか下手くそではありませんか?
 中国語の方は、漢字だからなんとなく分かります。まあ詳しいことはうちの常連さんに教えてもらえばいいし。で、「組装」は「組み立て」のこと。ってことは「車頭」が「砲塔」のことでしょうか。でも常連さんの話では砲塔はやはり中国語でも砲塔と言い、この車頭というのは文字通り車の頭部・車の上部のことだろうとのこと。
 中国語に「轉盤=転盤」という単語が何度も出てきて、そのパーツの英文には「turnplate」とあります。これは回転板ということでしょうか、ならばこれが砲塔を指すのかな。パーツ24と25がそれぞれ「中槍竿」「小槍竿」となっていますが、この文字通りの意味は「中くらいの銃身」「小さい銃身」だそうです。あれ?砲塔機銃は一挺ですよ。片方の穴は主砲照準器の穴で、そこには突起は付かないはずですが。
 パーツ26には「轉盤拉手」とありますが、「拉手」とは「取っ手」のことだそうです。ええっ?これは砲塔の取っ手ではなく、信号旗のケースのはずですけど。パーツ35は「中炮竿」で、これは「中くらいの砲身」ということだそうです。2ポンド砲が中型かどうかは意見が分かれることでしょうが、でもこの砲塔には主砲が一門なんだから、いちいち大中小を断る必要はないのでは?
 結局この説明書を作った人間は、実車に関する知識が全くない、ってことですね。模型に関する知識もなくて、頼まれて適当に訳しただけなのではないのでしょうか。車長ハッチをよく見て下さい。これは前後方向に観音開きするはずだから、パーツを半分に切って取り付けなければなりませんよね。でもこの説明図では、一枚のままどかーんと取り付けています。まったくどーなってんでしょうねー。パーツをパクる時、ハセガワの説明書がなかったんでしょうか?

台湾みやげ その2

2009年03月07日 23時02分18秒 | AFV(英・チャーチル)
 海賊版イギリス歩兵「タンタ」の続きです。箱の表はこうなっています。箱絵もそのままパクリ。箱の側面には日本語で車輌のデータが書いてあって、「長」「幅」「高」「重さ」の数字が書いてあります(なぜか「重」だけに送りがなが…)。そしてそのデータの欄のタイトルには「本の型」とある。なんのこっちゃ。まあ適当に日本語が書いてあれば、子供たちの目からは輸入品に見える、ってことかな。

 で、中身はと言うと、ご覧の通りハセガワオリジナルとは打って変わって、緑色の成形色となっています。
 海賊版ですからもちろんパーツはダルく、雑具箱のヒンジが消えていたりしますが、全体にはまあ組めそうな感じです。ただよく比べてみるといくつかのパーツに、ランナーについている位置や向きがハセガワのオリジナルと異なっているものがあります。これ、どうやって金型を起こしているのでしょうか。小さなパーツはハセガワとランナー上の位置は同じなのに、砲塔など比較的大きなパーツの向きが違っている、ということは、これらのパーツは一度ランナーから切り離して型取りをしたのでしょうか。
 キャタピラは、見た感じだとそのまま使えそうな感じがします。ところが、問題はデカールなんです。写真でもちょっと見えていると思いますが、こちらの海賊版に入っているのはデカールではなく、単なるシール。それも下地が白。こりゃ全く使えません。おまけにその図柄がひどい。星条旗あり、ユニオンジャックあり、日の丸あり。連合軍の星マークはなぜか青色。それに、ユーゴスラビアのものに似た星印、どこの国のものとも分からない二色旗(三色にあらず)。もうチャーチルとは何の関係もない。
 文字のシールも入っていまして、「U.S.A.」というのはまだわかる。でも「GERMAN」というのはどこに使うの? ドイツ戦車が車両番号の前に「ジャーマン」とは書かないだろう。「JAPANESE」とか「RUSSIAN」ってのも同様に変。日本車輌がわざわざ「ジャパニーズ」と書くはずもなし。「GB型」という文字に到ってはもはや完全に意味不明。おや?「88mm」ってのもあるぞ。ということは、これは車体に貼るのではなく、作品のタイトル銘板に使えってことか?
 海賊版ミニボックスに対するツッコミは、まだまだ続きます。

台湾みやげ その1

2009年03月06日 23時16分01秒 | AFV(英・チャーチル)
 本体サイトの常連さん(中国語の先生)が台湾に行ってきたそうで、いろいろおみやげをもらいました。もちろん模型関係。ちょっと面白いのでこちらのブログで紹介します。台北にはいくつか本格的な模型店がありますが、やはり日本と同じで数は減っているそうです。ガンダムはそれなりにあるのですが、スケールモデルとなるとなかなか難しいのでしょう。田舎の町に模型店があったので、ご主人に聞いてみると、最近の子供はプラモデルを作らなくなったので、ここらではウチしか残ってないよ、とおっしゃってたとか。

 さて、ご覧の模型。どこかで見たような箱絵…。そうです、ハセガワのミニボックスシリーズの海賊版じゃありませんか! それに、そこに書かれた文字をよく見ると…
「イギリス歩兵タンタMK1」!
あはははは! タンタって、タンクのことですよね。カタカナの「タ」と「ク」の形が似ているから、写し間違えたんだな。英語表記には「CHURCHILL」と書いてあるのに、日本語の方には「チャーチル」の文字は出てきません。もう一つは「G.M.C タンクローリー」ですね。これもよく見ると…
「油のトラック」!
いや、間違ってはいないんですが、でもあんた、「油のトラック」はないでしょ…。ハセガワのミニボックスの製品番号はチャーチルが27、タンクローリーが21ですから、この海賊版の製品番号はオリジナルとは全く無関係につけているようですね。「Science Treasury」と書いてあるのはメーカー名のつもりでしょうか。