ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

夜明けに糞バンドを見た

2006-04-08 02:44:41 | アジア

 意味ない時間に起きていると、意味ないものを見てしまうって事でしょうかね。

 ほぼ、夜昼逆転した時間を生きている私でありますが、午前2時とか3時とかになりますと、テレビで天気予報のついでに、あんまり売れてない歌手やらバンドやらのプロモーション・ビデオを流す番組なんかが、まるで時間稼ぎみたいに流されるのを見ます。
 そんなことでもなければ聞けない音楽といいますか、たまに”ダブル・ユー(元モーニング娘)のものなんかが流れると、場違いなほどメジャーなものを見ちゃった気がしたりする。そんな場で私は昨日、それを見ちゃったのであります。

 それは、明らかにアイルランドのポーグス・・・ってのがありましたね、かの国のトラッドを、パンクの手法で料理して見せたバンド?あれの日本製の物まねバンドでありました。

 アコーディオンやらティン・ホイッスルがケルト風味を醸し出し、ボーカリストがだみ声で怒鳴り倒す、と。そのまんまいただき、みたいなバンドですわね。ボーカリストのいかにもな嗄れ声やら、妙にそつのない音を出す楽器組のその手馴れようが、連中がそんな自分たちに何の反省も持っていないことをあからさまにしておりました。
 ともかく、あまりにも物真似だけの連中なんで、見ているこっちが恥ずかしくなってしまった次第。

 ご本家のポーグスには、自国の伝統音楽をネタにパンクな、ニューウェーブなサウンドを奏でる、それなりの理由ってものがあるわけだけれども、今回の彼らには何がある?そんな音を出す根拠、どこにあるってぇの?ただ、小器用に物真似して見せてるだけでしょ?ひねりも何にもありません。アマチュアならそんなものでも”あり”なんだろうけど、CDデビューまでしておいてそれはないでしょ。

 でも、おそらくはそんな自分たちを「いいとこ狙ってる、通好みな俺たち!」とか自己評価してるんでしょうねえ、彼ら。演奏場面の彼らには、そんなプライド高そうな気配が濃厚に漂う。私なんかには胡散臭いだけなんですがねえ。
 こうなってくると、まともに海外のロックの音もコピー出来なかった60年代のグループサウンズが、いっそ、爽やかにさえ思い出されてくるのでありました。

 で、その連中、どんな曲をやっていたかというと、「桜吹雪の中を君は去って行く」なんて、今ウケ歌謡界で定番の、もうどこの犬も猫も歌うような”桜ネタ”の歌詞なんか歌うんですな、これが。
 カッコつけてる分、恥ずかしくならないのかね?ならないんだろうね、きっと。だから、そのへんの感性に問題が。まあ、今日の日本のロック界なんてこんなものって事なんだろうけど。ああ、情けないものを見ちゃったなあ。






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