ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

踊り明かそうアラブの夜を

2010-03-05 03:43:08 | イスラム世界

 ”Dabke Wa Dabeeke”

 ある人のブログで話題にされていたりで気になったりもしていたアラブの大衆舞踊音楽、”ダブカ”の盤を聴く機会を得た。

 いま、大衆舞踊音楽とか書いたけどその素性、例によってよく分らない。婚礼の席で出席者によって踊られたりすると言う事なので、まあ日本で言えばナントカ音頭みたいな存在なのかと想像していた。あるいは韓国におけるポンチャク・ミュージックの如く、オッチャンオバハン祝いの席に勢ぞろいで浮かれて踊るおめでたい、まさに祝祭音楽なのかも、などと思っていたのである。

 が、こうして現物を聴いてみると相当にテンション高く、あんまり笑い事の音楽ではない。バシバシと打ち鳴らされる民俗打楽器群に被り、気ぜわしく吹き鳴らされる木管系民俗笛が乾き切った砂漠の風を運ぶ。結構これはハードボイルドな音楽だぜ。

 サビの効いた喉の男女の歌い手により力強く歌い上げられる素朴なアラブのメロディ。近代的なアレンジを施されたアラブポップスをそれなりに聴き慣れた耳には、その質実剛健っぽさが逆に新鮮で、爽やかなかっこ良さを感じたりする。

 華美を排し質朴に徹した民俗色濃い音楽、ということで、ふとカッワーリーなども連想してみたり。もっともこの辺は、まだこのアルバム一枚を聞いただけでどうこう言うのは早過ぎるだろう。とりあえずここは初対面のアラブ音頭、ダブケが予想以上にパワフルでカッコいい音楽だったと、そこまで覚えておくことにしよう。

 下に貼った試聴は、現地のサラリーマンなんだろうか、おっさんたちが一列に並び、ステップを踏む笑える映像で始まるが、他にも赤ちゃんたちのよちよち歩きの映像をダブカのリズムにシンクロさせたりした画像もあり、やはり民衆の暮らしに根ざした音楽の感触が濃厚だ、ダブカ音楽。




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