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左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)2ペン(筆記具)の持ち方

2017-04-29 | 左利き
【左手書字考】

久しぶりに「左手で(それらしい)字を書く方法」を紹介しましょう。

一回目左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)1ペンを持つ手の構え

ちょっと前後しますが、「ペンの持ち方」を書いてみます。

「ペン」と書いていますが、「筆記具」の総称として使っています。
具体的には、ここでは「鉛筆」を基本にしています。

「(それらしい)字」というのは、「右手・右利きで書く字をできるだけまねた字」、もしくは「右手書きの文字の癖をできるだけまねた文字」という意味です。
なぜそれを目標とするかと言いますと、今の文字の基準が、「右手書きの癖を良しとする、美しいとする」ものだからです。

文字は本来「読めればよい、読みやすさが大切」なのですが、どうしても歴史的に、文字の良否の判断基準が右手書きの癖に準じる風潮になっているのです。

そのため、どうしてもそこに標準を合わせていかざるを得ないのが現状です。


いわゆる活字と呼ばれる、普段私たちが目にする文字の形には、様々なものがあります。

たとえば、このパソコンの文字にしても、色んなフォント(字体)があります。
普段、私は「MSゴシック」というのを使っています。

他にもいろいろあります。
中には、右手書きの癖を反映していないと思われるフォントも各種あるでしょう。


ところが、手書きにおいては、従来通りの毛筆の書き癖を反映したものが良い、とされているのです。

そこで、ここではそれらを考慮した文字の形に近づけるべく、「(それらしい)字」という基準に沿った書き方を考えています。


 ●ペンの持ち方

前置はその辺にして、ペン(筆記具、主に鉛筆)の持ち方に入りましょう。

以前書いた記事は、こちら↓

『レフティやすおのお茶でっせ』:2005.8.25
鉛筆の正しい持ち方

〔鉛筆の持ち方〕
・鉛筆の先の削ったところから1cmぐらい上を、中指の爪の付け根あたりと親指ではさむように持つ。もう一方を人差指の第二と第三関節(要するに、付け根とその先の関節)の間に渡す。
・この状態に人差指を添える。これで三本指で保持する形になる。
・基本的には、親指と中指で鉛筆を動かす。人差指はあくまでも動きにあわせて添える感じです。
・指先に力を入れ過ぎない、落とさない程度に持つのがコツかもしれません。力が強すぎると鉛筆のコントロールが難しくなります。
・鉛筆の角度は、45~60度ぐらい。



という書いています。

今回は少し変化させています。


 ●人差し指と中指

どこが違うかと言いますと、人差し指と中指の違いです。

旧《中指の爪の付け根あたりと親指ではさむように持つ。

新《親指と人さし指ではさんで持ち、中指を下から添える。


親指と中指ではさんで持つのではなく、右手書きと同じ、親指と人差し指ではさむ、と変えています。

表現が変わっただけで、実態は同じです。
基本として、親指・人差し指・中指の三本指で保持する、ということです。

後は全く変わりません。


*右手例の参考:
トンボのippo! えんぴつの正しい持ち方


改めてポイントを清書しましょう。

1.鉛筆の先の削ったところから1cmぐらい上を、人差し指と親指ではさむように持つ。鉛筆の軸を人差し指の第二と第三関節(要するに、付け根とその先の関節)の間に渡す。
2.この状態に中指を下から添え、中指の爪の根元側面あたりで鉛筆を支える。
 これで三本指で保持する形になる。
3.基本的に三本指の屈伸で動かす。
 横への動きは、中指が主役で、右へ押し出すように鉛筆を動かす。
 縦方向へは、人差し指を主役に、指を曲げるように鉛筆を押す。
 他の指は、それぞれの動きにあわせて添える感じで屈伸させる。
4.鉛筆の紙面に対する角度(高度)は、45~60度ぐらい。
5.鉛筆の横方向への角度は、文字に対して直角に近づける。



 ●ペンの角度

(4)の角度(高度)については、これはペンの前後方向の角度です。
右手書きよりも、少し手前に寝かせるように持ちます。
45~60度程度。
(上記トンボのサイトでは、50~60度。)


(画像:上記のトンボの右手例の画像を反転加工)





(5)の鉛筆の横方向は、ペンをペン軸に対して直角に動かすのが私流の書き方だからです。
(上記トンボのサイトでは、右に約20度の角度をつけています。)


(画像:ペンの横方向の角度)




これら三本の指の屈伸運動でペンを押したり引いたりして書きます。

手の大きさにもよりますが、ペン先から3~4センチ程度あまして上のほうを持ちます。
(上記トンボのサイトでは、25ミリ。)

それぞれの指の位置は、(人それぞれ指の長さにも差がありますが)ペン先から中指、人差し指、親指の順です。
中指は心もち曲げるので、人差し指の先端と中指の第一関節の位置が同じくらいになります。

(画像:【三本指で持つ時の指の位置】)



(画像:【ペンを持つ指の位置】上から見た図)



(画像:【ペンを持つ指の位置】下から見たところ)




3~4センチあまして上を持つのは、指で書いている文字が隠れないようにする工夫です。

持ち方の補助具のようなものが各種出ています。
これらのものを利用するのもいいでしょう。


 ●ペンの持ち方と画(線)の書き方

(縦画を書くとき)―人差し指が主役
上から下への縦画では、人差し指を曲げてペンを上から押し、親指・中指の曲げ方で方向を調節します。
長く引くときは、親指を固定し、親指の第一関節辺りを支点に鉛筆を人差し指と中指ではさみ、大きく二本の指を曲げて鉛筆の動きを大きくします。

(横画を書くとき)―中指が主役
横画を書くときは、中指でペンを右横に押し、親指・人差し指を伸ばしペンを運ぶ。
中指の力を原動力に、親指と人差し指で方向をコントロールします。


 ●右手書きと左手書きの違い―中指の力を借りる

右手書きとの違いは――

右手書きでは、親指と人差し指の二本だけでも書けるのです。
ところが、左手書きの場合は、中指が重要になります。

(右手書きの癖を良しとする)現行規範に則って横画を左から右へ書くためには、ペンを左から右へ送る必要があります。

このとき、右手書きの場合は、親指と人差し指でペンを引っ張って書けばいいのです。

ペンをスーッと引くだけで自然に書けます。

左手書きの場合は、“ペンを右方向に押し出す”ように書かなければなりません。

突き刺さらない程度に、力を入れて、押し進めます。
(画像のような角度で先のとがったものを動かせば、どうしても突き刺さる形になります。)


(画像:【横画を書くとき】横から見た図)




これを親指と人差し指との二本指で行うのは難しいのです。
どうしても右手書きの場合よりも、少し多めに“押す”力が必要になります。

そのためには、“右へ押し出す推進力”として、中指の力を必要とするのです。
親指と人差し指ではさんだペンを、中指で右へと押し出すのです。
それにつれて、親指と人差し指を伸ばします。

これで、横画が左から右へと書けるのです。

中指の力がなく、人差し指と親指だけでは、可動範囲も少なくなります。

横画の長さを目一杯引くためには、中指を目一杯突き出すように右へ伸ばします。
これで、「-」しか書けなかった線が、「―」まで書けるようになります。


 ●左手書きの時の左右横方向のペンの傾きについて

(上図の)上から見たときの、左手書きの時のペンの左右横方向の傾きについては、「左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)1ペンを持つ手の構え」を参考にしてください。


文字に対してペンを直角に。


(画像:【手に持つペンの向き】)




左手書きの際の一番の難点は、左から右へ書く横画が押し書き(→)になることです。

左手書きの時に自然な持ち方をしますと、ペンの軸が左に傾いた形(/)になります。
そのためペン先が紙に引っ掛かったり、ひどい時には紙を破ったりといった困ったことになることがあります。


この難点を克服するためには、ペンの左方向の傾きを減らすことです。
(/)⇒(|)
そこで、手のひらをつけるぐらいの気持ちで手首を内側にひねるようにして、ペンに添えて曲げた人差し指の第二関節より先が、紙面に対してまっすぐ(直角)に立つようにします。

こうしてペン軸が横方向に傾かないように、文字に対して直角(|)に近づけます。

直角になったペンを横に滑らせるようにして書きます。
「横方向に滑らせる」ことで、「とがったペン先が用紙の表面をえぐることを防ごう」という考え方です。


 ●正面から見たときのペンの左右の傾き

そして、上から見た横方向だけでなく、正面から見た時のペンの左右の傾きも是正されます。

左手書きの自然体での傾き(\)に対して、垂直(|)に立てるように構えます。

右手で持つ時のように右に倒す(/)ことはできませんが、できるだけ真っ直ぐに立てる(|)ように構えます。
(持ち方として右に倒すことはできますが、そうすると、ペン先が見えなくなり、字を書くところを確認できません。)

何度も書きますが、ペンを持つ手のひら全体を左に倒さないことです。
どちらかと言えば、手のひらを伏せるようにします。

ペンを真っ直ぐに保つように構えましょう。


(画像:【ペンの左右の傾き】向こう側から見た図)




―次回は、「左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)3筆記用紙を置く位置」についてお話します。


* 三本指の持ち方の基本が自然に身につく道具や鉛筆 *

【持ち方補助具】

・クツワ STAD プニュグリップ 左手用 RB008
・トンボ鉛筆 Yo-i もちかたくん 左手用 ND-KYL

(画像:三角グリップ=イギリスの通販エニシング・レフトハンデッド Anything Left-Handed で購入)





【三角鉛筆】

・三菱鉛筆 かきかた鉛筆 三角軸 2B K45632B 黄緑 1ダース
・サクラクレパス かきかた鉛筆 小学生文具 2B 三角 Gエンピツ2B#20 ピンク 12本
・トンボ鉛筆 鉛筆 Yo-i おけいこセット 6B MY-PBE-6B
・こどもえんぴつ2B くもん出版


【ボールペン他】

〈子供が正しい持ち方を学ぶ STABILOボールペン〉
・STABILO 水性ボールペン イージーオリジナル 0.5 左手用 6891-2-4103 ブルー
〈スタビロの鉛筆版〉
・STABILO 鉛筆 イージーグラフ HB 左手用 39888-10 2本

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)2ペン(筆記具)の持ち方
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