きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

熊野への旅 西村記念館(旧西村伊作邸)

2010-12-12 | 西洋館
かつて 行ってみたいと書き込みをしたことを
bokuさんは覚えていてくれたのです。
行き先を告げられたとき、舞い上がってしまった。
西村記念館は、新宮生まれの教育者でもあり建築家であった西村伊作の自宅です。
歌人与謝野寛・晶子らとともに東京神田駿河台に「文化学院」を創立し、自由教育を実践しました。
建築設計にも多くたずさわりましたが、現存するものが少なくなりました。

小さな駐車場に車を停め、歩きだした右手に洋館が見えました。



旧チャップマン邸 これも西村による作だそうです。

住宅街の坂道を登って行くと 不思議な建物が見えてきます。



石垣の塀が どこか外国風

  

   

外観を ぐるぐる見てから中へ。
民家風ではありますが、どこのものなのか…ミックス…。
スイスのシャレー風と書かれているものもあります。

軒下の垂れ下がった覆いは、新宮の山間の民家に使われている「ガンギ」と呼ばれる幕板を真似たものなのだそうです。



貼り出した出窓が気になります。



自らの住まいとして建てられたこの家は、
装飾のない、モダンでシンプルな佇まいです。
伊作のデザインした家具が多く残されています。

  



 



建築家の自邸は、とても大好きです。
自分のために、そして愛する家族のために造られた家。
愛に包まれている…そんなぬくもりを感じるのです。

階段をのぼって2階へ。
一階部分ではあまり感じなかったのですが
思ったより痛みは激しいものがあります。
和室の畳の床は抜け落ちそうなふかふかと足が沈む感触に驚きが。
心痛むものがありました。
建物保存、再生への道は、かなり厳しそうです。

竣工 1914年
設計 西村伊作
所在 和歌山県新宮市伊佐田
2010年、国指定重要文化財に登録されました。
西村記念館保存会
コメント (14)
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