日食

　小学生の頃、先生から「日食は色の濃い下敷きを通してみるように」と言われた。数十年後、下敷きを通して見ると目を炒める恐れがあるという。

　また、日食をカメラに収めようとして、直接レンズを向けると目をケガするばかりかカメラレンズも破損する恐れがあるという。

　私の父親は、ポラロイドカメラが流行っていたころ、レンズを被写体に向けて構えたつもりが、逆向きに構えてシャッターを切ったため何センチかの超至近距離でフラッシュが目に直撃、気絶しかかったという(女房談)。

　昨日は何十年かぶりの金環日食だった。もう生きている間にはないだろうと思い、広島へ行く途中にパーキングエリアに寄って見ることにした。すると同じような輩が大勢いるではないか。

　車を停めたのは良いが、透かせて見るものがない。仕方がないので車に常備している育毛剤の瓶を通して見た。朝７時３０分前のことだ。見事な金環日食が育毛剤の向こうに見えた。

　もっと暗くなるのかと思ったら案外明るくてちょっとがっかり。