ライバル

　経営でもスポーツでも「一人勝ち」があるが、多くの場合ライバルがいて抜きつ抜かれつして強くなってゆく。

　王と長嶋、瀬古と中山、カツ丼と天丼、広島カープと広島商業(もうこの程度)、ビールと枝豆、東尾理子とウチの女房などだ。

　突然、ロンドン五輪で３大会連続２冠を狙う北島康介選手の最大のライバルと見られていた、ダーレ・オーウェン選手が急死したという。
　
　冷めた言い方だと、ライバルがいなくなりメダルの可能性が濃くなったという見方もできる。しかし私は案外、北島選手にとってはピンチだと思う。

　「あいつが頑張っているから俺も」と思うから強くなれるのだ。ライバルを急に無くした北島選手の心中は察するに余りある。

　北島選手のことだ。「彼のいないレースに勝って、なんの価値があるのだろう」と思うに違いない。

　オーウェン選手の死を悼む。