運命

　運命は自分で切り開くべきか。運命に従うべきか。日本ハムに指名された菅野投手の心境やいかに。

　読売新聞会長の渡辺恒雄氏は「日ハムのやり方は違法だ」と言っているらしいが、笑止千万だ。天に唾するとはこういうことだろう。かつて、巨人がドラフト制度の不備をついて「空白の一日」を利用し、江川卓投手を「不正」に入団させた事件が、それをリアルタイムに経験していない年代にも記憶に焼き付いているのだろう。日本ハム指名の瞬間は会場は拍手喝采だった。　

　巨人入団が既成事実化していた菅野投手。遠回りしてでも意志を貫くのか。運命を受け入れるのか。

　運命に逆らってもろくなことはない。ダルビッシュなきあとのエースとなる運命だったのかも知れない。「俺は日本ハムのエースになる」と言ったら格好いいのに。

　

タイの洪水に心が痛む

　タイの洪水が止まらない。日本とタイは古くから交流があり、とても親日的な国だ。現在は１千以上の日系企業が進出している。

　三月の東北の震災後にタイに行ったが、ホテルのフロントには日本の震災に対する募金箱が設置してあったのが印象的だった。

　東北の被災地ではタイへの支援も始まっている。津波で壊滅的な被害のあった岩手県陸前高田市の市立第一中学校では、２３日に行われた文化祭でタイの子供たちに送る義援金を集めた。

　震災ではタイから義援金１３４万円が寄付された。同校の布田貢教諭は「貧しい地域もあるなかで私たちを支援してくれたことですごく感激した」と話す。これをきっかけに、洪水被害を受けた子供たちの支援を決めたという。

　また日本政府もタイの洪水被害を受け、操業ができなくなった現地の日系企業で働くタイ人従業員を一時的に日本に受け入れる方針を明らかにした。藤村官房長官は「非常に異例の措置だが、単に日本企業というより、アジア全体のサプライチェーンに大きく影響することも考慮した」と述べた。

　いつも様子見の日本政府としては素早い対応だ。

パンクは突然やってくる

　ある夜、名古屋から名神高速を一路京都へ。時速１００キロで運転中に、突然バーストした。今は無き三菱ミラージュのレンタカーだ。

　予期せぬ出来事にあわてて、道路の端に車を寄せる。非常時に使う赤い三角のやつを探しても見つからない。車がビュンビュン通過する。下手すると追突されると判断し、同乗していた彼女を降ろして「三角の代わりに立っとけ」と言って、車の後ろに立ってもらった。

　今から遡ること３０年前のことだ。同乗していた友人(９月から合流した副所長)があわてて「危ない」と止めた。

　その時の彼女は「あの時、ひき殺すつもりだったのか」という疑念を抱きながら家にいる。

来年こそは

　今年のドラフトは、早くから意中の候補だった明治大学の野村祐輔投手を一位指名できたことで満点だったのではないだろうか。来年は大竹がケガから完全復帰、もし黒田がMLBから戻ってくると先発投手が余りすぎるという状況だ。

　それにしても巨人は誤算だった。長野、沢村と事実上一本釣りを続けてきたが、今回の菅野選手の指名で日本ハムが競合してきた。くじで外した原監督の姿が痛々しい。その日本ハムだが、何とソフトボール部の選手を７位指名した。話題作りとも思えないが、その一方で、せっかく順調に育った選手がMLBへ行ってしまう最近の流れを苦々しく思う。

　ダルビッシュのMLB流出を睨んでの強硬指名だったのだろうか。

　いずれにしても、カープ。来年こそはと思うのと、来年もまたダメかと思うのでは全然違う。めでたしめでたし。

入院給付金

　最近では銀行も生命保険を扱うようになった。同時に、保険商品もますます複雑化して自分でどんな保障があるのか分かっていない人も多い。

　そんな中、入院給付金つきの医療保険を法人で契約している場合がある。判明次第、指摘しているがこれには大きな落とし穴がある。以前、重傷を負って２００万円もの入院給付金を貰った社長がおられた。会社契約なので当然会社の預金に入金される。

　社長は自分が入院したので自分が貰えるものと思っているが、税務上は２００万円を会社から社長個人が貰ってもよいという根拠がない。せいぜい見舞金５万円程度だろう。それもきちんと慶弔規定があっての話だ。

　保険金を貰った会社は「雑収入」として課税される。これを個人で契約していたら、２００万円全額が非課税となる。

　こういう契約を平気で勧める保険屋さんは信用してはいけません。