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和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

日高川町議選任期満了まで5カ月も低調 〈2017年11月30日〉

2017年11月30日 08時30分00秒 | 記事

日高川町議会議場。次期選良は?


 日高川町議会議員選挙(定数12)は、来年4月30日の任期満了までちょうど5カ月となり、現職の井藤清氏(70)=三百瀬、4期=が今期限りで勇退の意向を固めた。残る現職11人は立候補するとみられるが、現地点で新人の具体的な名前は聞かれず、前回同様に低調ムードが漂う。本格的な動きは年明け以降になりそうで、告示ぎりぎりまで選挙戦の図式は定まりそうにない。

 現職では井藤清氏が勇退の意向を固めた。井藤氏は「地元に関係することなどを中心に、やりたいことは出来た」と支援者に感謝。自身が引退すれば地元・三百瀬区が議員空白となることについて、地区関係者に委ねる考えを示し、今後は新人擁立に向けた動きが加速しそうだ。
 残る現職11人は次も立候補するとみられる。一部で引退の噂が流れていた熊谷重美氏(70)=山野、5期=は引退話を否定。熊谷議員を含め、吉本賢次(72)=皆瀬、6期=、龍田安廣(62)=船津、4期=のベテラン議長経験者もそろって再出馬の意向を示した。一方、新人の具体的な名前は聞こえてこないが、平成15年以降、議員不在が続く江川区などで擁立を模索する動きが続いている。このほか、4年前に現職2人が引退した中津地区では、中心地の高津尾区や川中地区の保守系議員、美山では寒川区でも議員が不在となったため、これら議員空白地域の動きも注目されそうだ。
 同町議選は、平成23年の6月定例議会で定数を4人削減して「12」にする議員定数条例の制定案を議員発議で提案。前回が定数削減後初の選挙となったが、川辺で1人、中津で2人、美山で1人の現職が引退。現職4人が勇退する一方で新人の出馬は1人だけにとどまり、定数を1人超過する低調な選挙となった。
 今回は、定数12で行われる2度目の選挙だが、前回同様に大きな争点が見当たらない。引退する現職が地盤とする地域から新人が出馬する可能性が高いとみられ、その他の議員空白区からの新人擁立の動きが注目で、区の初集会などがある年明け以降から動向を見極めながらの情勢が続くと予想される。


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印南町樮川の町道沿いを地元有志が整備、「みはらし峠」と銘打って絶景スポットPR 〈2017年11月29日〉

2017年11月29日 08時30分00秒 | 記事

チェーンソーアートでフクロウのオブジェを作った西岡さん


 印南町樮川地内の町道沿いに杉の丸太から作ったフクロウのオブジェがお目見えし、ドライバーらの目を楽しませている。地元有志が地域活性化につなげようと見晴らしの良い町道沿い空き地に桜を植樹するなど整備している一環で、有志メンバーの西岡忠男さん(65)がチェーンソーアートで仕上げ、このほど設置した。「みはらし峠」と名付け絶景ビュースポットとしてPRしたい考えだ。

 町道は、山を切り開いて農用地総合整備事業で建設した印南町宮ノ前と樮川を起点にみなべ町谷口が終点で平成23年に完成、供用開始した通称・黒潮フルーツライン。西岡さんら樮川区の有志は町道完成後の平成24年から標高があり、空気が澄むなど条件が揃えば日本百名山の一つ四国・徳島の剣山(1955メートル)が眺望でき、また秋はきれいな紅葉も見られるなど見晴らしが良い町道沿いの空き地を地域のスポットにと整備を開始。緑の募金事業を活用したり、アルミ缶リサイクル活動での収益金で、これまでに桜90本を植樹したほか、スイセンも植えた。廃材を利用して作ったテーブルやイスを3カ所に設け、簡易トイレも設置した。
 今回設けたフクロウのオブジェは、西岡さんが長さ2メートル、周囲1・4メートルの杉の丸太をチェーンソーアートで制作したもので、西岡さんが名付けた「みはらし峠」の名称も彫られている。今後はモミジも植える計画で、5月には自生のツツジが楽しめることから、春には桜、初夏はツツジ、秋はモミジなど紅葉と四季を通して見応えのある場所にしたいと考えている。
 近くで風力発電所が建設中で、訪れる人も多くなってきているという西岡さんは「地元民の憩いの場としてだけでなく、絶景スポットを多くの人に知ってもらいたい。これから紅葉も見ごろとなるので是非一度訪れて下さい」とPRしている。


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日高町へベトナム観光客がモニターツアー、クエ鍋堪能し黒竹民芸品作り好評 〈2017年11月28日〉

2017年11月28日 08時30分00秒 | 記事

松本町長が民宿「波満の家」で歓迎

黒竹民芸品作りに挑戦する観光客


 日高町へ25日、26日にモニターツアーでベトナムから観光客17人が訪れ、クエ鍋や懐石料理を堪能したり、黒竹民芸品作りをするなど楽しんだ。日高町海外観光客誘致委員会が観光プロモーション事業を展開するなどして実ったもので、ベトナムからの新たな観光ルートとしてPRでき、手応えをつかんでおり、今後への期待がかかる。

 一般の旅行者のほかに観光関係者も入っており、一行は24日から来日。25日に和歌山城や白崎海洋公園など県下各地を周り、日高町の民宿「波満の家」では、松本秀司町長や同委員会の山田理司委員長らが両国の旗を振ったり、「ようこそ日高町へ」などとベトナム語で書いた横断幕を用意して歓迎。
 松本町長が「プロモーション事業でベトナムを訪れた際、人々の温かさに感激し、ぜひ日高町にも来ていただきたいと思っていた。今日は私たちが普段から、おいしいと思っている日高町の料理を食べていただき、楽しいひとときを過ごしてほしい」とあいさつし、山田委員長が音頭を取って紀州梅のワインで乾杯した後、小型のクエ鍋や刺身や天ぷらなどの懐石料理で夕食し、なた豆石けんなども一人ひとりにプレゼント。オークワロマンシティ御坊店で買い物する観光客もいるなど観光を満喫した。
 26日には原谷公民館で日高農産物組合の金崎昭仁組合長が「日高町が黒竹の日本一の産地。装飾品などの高級素材として扱われており、今日は黒竹の民芸品作りを体験してほしい」と話し、一行は黒竹の鉢カバー作りに挑戦。針金に小型の黒竹を一本一本、丁寧に通すなどし作り上げて持ち帰ったほか、合間には粉末で作った抹茶を味わった。
 ツアー参加者は「懐石料理が良かったし、クエ鍋が一番おいしかった。黒竹民芸品作りも楽しく、もしこういうイベントがベトナムであれば、受け入れられるだろう」と感想を話した。


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御坊市魅力発信事業、協議会設置(2月)プロジェクト始動へ 〈2017年11月26日〉

2017年11月27日 08時30分00秒 | 記事

体験プログラムの開発、情報発信へ
(写真はフラワークラフト体験)


 御坊市は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で平成28年度に国の地方創生交付金を活用した「わがまち魅力発信事業」を実施。「1万人が100回来る御坊へ」をコンセプトに花や寺内町、紀州鉄道、宮子姫など地域資源を活用した8つのオリジナルストーリーを作成したのに伴い、来年2月ごろプロモーション戦略の母体となる協議会を設置、4月以降に全国からサポーターを公募し、体験プログラムの開発と試験実施、プロモーション、交流拠点の整備などを行い、御坊の魅力を全国に情報発信する。

 事業は大手広告代理店の(株)博報堂=東京都=に業務委託し、農協や漁協、観光協会、御坊商工会議所、紀州鉄道など関係団体からヒアリングを行い、インターネットを活用した同社のオリジナル共創プラットフォーム「talkit」で全国ユーザーからアイデアを募集。市内の各種団体代表、大阪府内の「talkit」ユーザー、京都大学建築学科学生らを集めた共創ワークショップも開き、意見交換してまとめた。
 着実に御坊に愛着を持つ人を増やしていこうと「100万人が1回来る御坊ではなく、1万人が100回来る御坊へ」をコンセプトに、御坊来訪ヤングファミリー、近畿在住イベント好きOLなどターゲット別にストーリーを作成。主なものは▽スターチスやカスミソウなど「花のまち御坊」のブランドを生かし、参加型のフラワークラフト体験教室を開催▽観光農園やJA、旅行会社と連携して常時体験できるメニューづくり▽大人向けの学校プログラムとして学び舎寺内町を開き、受講生を募集。マイ金山寺味噌づくりなど塾のプログラムをつくる。
 宮子姫伝説を活用し、観光協会や旅行会社等と連携し、美人の里ツアー・美髪セミナーなど複数のモデルツアーコースを開発▽寺内町と紀州鉄道を組み合わせた複数のモデルコース、体験プログラムをつくる▽野口オートキャンプ場や観光農園を中心に、食と自然体験を組み合わせた体験観光パッケージ、モデルコースをつくる▽日高川ふれあい水辺公園や運動公園、EEパークなど観光施設を組み合わせた新しい体験メニューを開発▽御坊総合運動公園内に休憩スペースやイベントスペースを設置。
 12月定例議会に地方創生推進交付金の関連予算11万円を計上し、来年2月ごろ市や市観光協会、御坊商工会議所など各種団体代表ら15人程度で「GO!GOBOプロジェクト協議会」を設置し、具体化に向け本格始動。30年度で若者、女性らを中心とした実働部隊をつくり、事業に参画した「talkit」ユーザーや大学生をはじめ全国からサポーターも公募し、インターネット上で意見交換しながらプログラムの開発、試験実施、交流拠点整備などを行う。31年度はプログラムを商品化し、インターネットやメディアなどを活用したプロモーションを進める。


29年度目標1億円に上方修正
「ふるさと納税」好調維持

 市は、12月定例議会に提案する今年度一般会計補正予算で「ふるさと納税」の寄付額を今年度当初予算の5300万円から5000万円増やした1億300万円に上方修正した。
 昨年12月からインターネットを活用した大手のポータルサイト2社に事業委託し、28年度は4844万円の寄付があった。29年度も順調に伸びており、24日現在で2868件、4221万円の寄付があり、12月早々に28年度分を超える。12月から1月にかけてが納税のピークで1億円超えが期待される。
 商品は13業者、32品目でスタートしたが、現在は23業者、150品目に増えている。29年度もフルーツセットがトップを占め、次いでスイカや紀州南高梅が続く。寄付額は1万円が全体の8割を占めるが、50万円の大口もある。寄付者は東京が最も多く、次いで神奈川、大阪、愛知、千葉、兵庫が続く。
 寄付者には礼状とともに、市の1年間の出来事をまとめた「ふるさと通信」を送付して市の魅力発信に努めている。返礼品代に送料、手数料を加えた必要経費は約55%あり、残りの約45%が市の収入となり、教育や福祉の分野、地方創生の取り組みに活用している。


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2017年10月 データバンク

2017年11月25日 09時14分58秒 | データバンク

1日
赤い羽根共同募金運動始まる第13回日高川町杯ジュニアスポーツ大会軟式野球競技決勝で川辺ウィンスターズ4連覇第5回県リレーション3ゲートボール大会御坊市少年少女合唱団コンサート「ハーブの調べとともに」

2日
印南祭第28回元気ゆら!ふるさとフェスティバル第48回衆議院総選挙で和歌山3区から立候補を予定している楠本文郎御坊市議が議員辞職願提出

3日
ゆら早生の選果始まる御坊市島で40代男性刺される日高町比井「岬旅館」で関西初の設備を搭載した新造乗合船「第一二岬丸」進水式県赤十字奉仕団大会で、御坊市赤十字奉仕団委員長の川原節子さん=御坊市=ら3人が表彰受ける

5日
御坊祭

6日
印南町教育長に平尾潔司氏就任第72回国民体育大会「笑顔つなぐえひめ国体」陸上競技の女子ハンマー投で、美浜町出身で九州共立大1年の桑原翠さん=松洋中-日高高=が7位

7日
日高看護学校で宣誓式平成29年度第5回市民教養講座。落語家で天台宗僧侶、露の団姫さん講演

8日
第29回危険業務従事者叙勲の受章者決まる。管内から元県警警視正の竹中利雄、元県警警部の若野孝両氏に端宝双光章秋祭りサンデー秋季近畿地区高校野球県2次予選決勝で、日高中津準優勝

9日
中学軟式野球の日高オールスターズの第16期生選考会らんちゅう愛好会第7回品評会

10日
衆議院総選挙公示御坊小北校舎に紀中初のファミサポセンター開所クヌッセン機関長殉職60周年記念式典脅迫で日高川町男性職員を緊急逮捕笑いの大学修了式

11日
紀州鉄道から譲り受けた廃車両「キハ603」を活用する整備関連工事の地鎮祭

12日
和田小で柿についての県出前授業日高川町上田原で軽トラック転落。運転の90代男性死亡

13日
第85回独立展で阪本聡さん=御坊市藤田町吉田=の作品が中山賞受賞日高川町の学習教室「子ども未来塾」好評第72回日高地方競書会審査会。硬筆55点、毛筆57点を特賞に選ぶ

14日
第61回日本学生科学賞県審査で、日高高校科学部の伊藤徳亭君と下野翼君の研究作品「ビル風を読む」が県議会議長賞コンテスト「関西ヘアドレッシングアワード2017」で御坊市湯川町財部「COCORO HAIR」の小池直史さんがファイナリストに選ばれる日高町クエ・フェア紀の国トレイナート号出発式第49回オープントーナメント全日本空手道選手権大会で新極真会和歌山支部所属の前田勝汰さんが3位入賞

15日
御坊市文化賞に市文化財保護審議会長の塩路正さん=湯川町富安=とHale45スタジオ

16日
御坊市薗の国道42号で横断歩道を渡っていた80代男性が乗用車にはねられ死亡

17日
第16回岐阜女子大学全国書道展で美浜町浜ノ瀬の山本映紅書院から、稲葉千紗さんが最高賞の大賞に選ばれる国際海洋科学大会で研究成果を発表した和高専物質工学科5年の上戸悠生さんが準優勝日高高校の姉妹校、デンマークのフレデリクスハウン高校の生徒が日高高校へ由良町農業士会が町内3校にゆら早生贈る印南町は高齢者等地域見守りネットワークを推進するため関係機関代表ら13人で会議を設立マレーシア第二の都市、ジョホールバルの教育省が企画する訪日教育旅行の第2弾で、同地区から小学生19人と高校生17人らが和田小、紀央館を訪問

18日
第29回MOA美術館中紀児童作品展で最優秀賞の県知事賞・MOA美術館奨励賞に内原小、坂成海さんの「アジをさばくおばあちゃん」が選ばれるジュニア世代世界一を決める2017年世界ジュニア柔道選手権大会女子44キロ級で印南町出身で京都文教高の久保井仁菜さんが優勝第71回県美術展覧会の彫塑、洋画部門の審査で、彫塑部門で南部高校の湯川佳応理さんが最優秀賞に選ばれる

19日
優良老人クラブとして、美浜町の浜ノ瀬老人クラブが厚生労働大臣表彰受ける第30回全国和紙画展でグラフィックデザイナーの池口肇さん=御坊市藤田町藤井=の作品が入賞

20日
和田小で初めての「日高地域消防・防災体験学習衆院選の二階俊博候補公示が初の3区入り御坊市展の受賞者決まり、知事賞に5人犯罪等の抑止に献身的に尽力した北野口自主防犯組織隊、隊長の米原史夫さんに地域安全功労者表彰パリで開く「第6回2030年に生きるための教育と資質を育むワーキンググループ会合に日高高校の山本詩央理さんが日本で唯一ひとり参加する秋季近畿地区高校野球大会に出場する日高高校中津分校が壮行式

21日
海上自衛隊由良基地分遣隊開隊63周年記念懇親会アサギマダラ自然観察会

22日
第48回衆議院総選挙投開票。和歌山3区は自民党前職で党幹事長の二階俊博氏が12選果たす印南町おたき瀧法寺でいなたきまつり

23日
台風21号の影響で崩土、浸水、農産物など管内で被害改組新第4回日本美術展覧会(日展)の洋画部門で日高川町和佐の鳥居佳子さん2度目の入選

24日
仁坂吉伸県知事が御坊市で県政報告会ライオンズクラブ第30回国際平和ポスターコンクの御坊、御坊中央審査で、御坊から浜上なごみさん(由良小6)、御坊中央から西山友梨(野口小5)に決まる県の道徳教育研究指定校の御坊中で発表会松洋中で和歌山市民図書館移民資料室の中谷智樹さん講演アサギマダラ4匹が日高中に飛来

25日
吉田擴・御坊商工会議所会頭らが柏木征夫御坊市長に平成30年度要望事項を提出納税道義の高揚に貢献した日高納税貯蓄協会副会長・梅本光洋さん=御坊市=に国税庁長官表彰

26日
御坊市塩屋町の舞妃蓮保存会のフォトコンテスト表彰式で6人が入賞御坊市、日高広域消防合同水難救助訓練第3回御坊市オリジナル体操制作委員会でタイトル、振り付け決める更生保護活動に貢献した日高保護司会の豊嶋英雄さん=日高川町玄子=が法務大臣表彰

28日
平成29年度由良町文化賞に生け花指導の片岡三千代さん第3回県ジュニア美術展覧会の立体部門に稲原小5年の田中花さんの作品「飛んで来たカブトムシ」が優秀賞日高高校定時制が20年前の開校50周年記念に埋めたタイムカプセル掘り起こす

29日
JA紀州移動ズーパー「とくし丸」が、買い物客に安全運転呼びかけ御坊市は平成29年度「協働支援事業~オール御坊のまちづくり~」に、市吹矢愛好会、NPO法人フードバンク和歌山、塩屋文化協会の3団体を採択、20万円交付ごぼう商工祭にぎわう吉田祭、和田祭が雨で短縮第38回県小学生バレー選手権大会日高地方予選で、川辺ひかり、南部ら6チームが県大会出場決める

31日
特別養護老人ホームときわ寮川辺園総括主任介護員、森崎真喜子さんに白梅賞


美浜町松原地区で日本一の高台竣工、津波避難困難地域解消「犠牲者ゼロに」 〈2017年11月25日〉

2017年11月25日 08時30分00秒 | 記事

くす玉割りで高台竣工を祝う


 美浜町は23日、吉原地内に建設した松原地区高台津波避難場所竣工式を開き、国や県、地元関係者が出席し、無事竣工を祝った。同地区は県の南海トラフ巨大地震津波避難困難地域(対象人口1928人)に指定されており、これを解消するため、総事業費2億4700万円を投じ、高さ15・5メートル、2000人を収容できる高台を整備。日本一の規模を誇り、備蓄倉庫やマンホールトイレなども設けており、森下誠史町長は「犠牲者ゼロをめざし、災害に強いまちづくりに努めたい」と決意を新たにした。

 二階俊博自民党幹事長や仁坂吉伸知事、中村裕一、冨安民浩、坂本登各県議ら来賓をはじめ、町議、区長ら地元関係者が出席。森下町長は「2000人が避難可能な大規模の高台で、津波避難困難地域の解消が図られ、住民の皆さんの安全安心に大きく寄与するものです。今後も住民の皆さんの生命を守るため、災害に強いまちづくりに努めたい」、高野正町議会議長が「より逃げやすい高台にするため工夫に工夫を重ねたい」とあいさつ。
 二階幹事長は「災害で一人の犠牲者も出さないことが大事。日本一と言われる立派な高台ができ、他県から視察が増えると思う。この高台を見習い、日本国中につくる努力を期待したい」、仁坂知事は「死者をゼロにしないといけない。高台の完成で避難困難地域を解消できた。今後は全員がちゃんと逃げられるようにすること、家が倒壊しないように必要な耐震補強を行うことをお願いしたい」と祝辞を述べた。くす玉割りで竣工を祝い、松洋中学校吹奏楽部が見事な演奏で花を添えた。
 高台の整備面積は1万2950平方メートル。頂上部の避難場所面積は2400平方メートルあり、2000人が避難できる。頂上部は15・5メートルあり、最高津波高11・37メートルを上回っている。昨年7月に着工し、当初計画より1年早く完成。盛土材約4万立方メートルは日高港の泊地しゅんせつ工事、県道白浜温泉線改良工事の建設発生土を有効活用した。施工は(株)淺川組=和歌山市、栗生泰廣取締役社長=。
 食料や毛布、飲料水などを保管する備蓄倉庫6基、マンホールトイレ20カ所、トイレ洗浄用耐震性貯水槽、かまどベンチ10基、手洗い場、時計塔、緊急車両駐車場5台分を設けた。避難誘導灯としてソーラー式LED照明20基を配備し、その蓄電池から携帯電話やスマートフォンを充電できるようUSB端子も備えたほか、高台の西側麓には体の不自由な車での避難者も想定し、44台収用できる駐車場も整備した。

「高台を見学コースに」
津波の日高校生サミット

 仁坂知事は、11月5日の「世界津波の日」の関連行事として二階幹事長の提案で昨年高知県で初開催し、今年は沖縄県で開いた世界津波の日高校生サミットについて「来年は和歌山で開くよう申し入れている。その際は、ぜひともこの高台を見学コースに入れ、参加した世界の高校生に見てもらいたい」と話した。

「思いっきり早くやろう」
西川改修早期完成へ一丸

 祝う会で記念碑を除幕した皆さん

 高台竣工式に引き続き、町と西川河川改修事業推進協議会主催の西川河川整備工事着工を祝う会が開かれ、記念碑除幕などを行い、早期完成へ国、県、町が一丸となって取り組むことを誓った。記念碑は大川橋周辺の現場に設置する。
 森下町長は「毎年、内水被害に悩まされている。住民の安全安心のため全区間の早期完成を臨みたい」とあいさつ。仁坂知事は「日高川は支川に問題が集中しており、皆さんの期待をひしひしと感じる。予定区間を一日も早くやれるようにがんばりたい」と約束。
 二階幹事長はおおむね20年間の整備計画について「今の時代、20年かけるというのは話にならない。着工を祝う会ではなく、思いっきり急いでやる会にしよう」と早期完成へゲキを飛ばした。
 計画全体の整備延長は4・8キロ。堤防整備、河道掘削、護岸工、東裏川合流部対策(千貫樋門改築)を行い、平成18年9月の豪雨レベルに耐えられるように流下能力を高める。今年度は大川橋から上流60メートルで左岸に鋼矢板を入れ、左岸側半分の川底掘削を行う。今年度工事費は約1億円。


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日高川防災対策で旧野口橋上流の堆積土砂を掘削し大規模な川替えへ 〈2017年11月23日〉

2017年11月24日 08時30分00秒 | 記事

旧野口橋上流の日高川で掘削工事開始


 御坊市、同市議会から強い要望のあった野口、藤田町藤井地内の日高川防災対策で、県が平成29年度から旧野口橋~小熊大橋間の堆積土砂を掘削し藤井~小熊の護岸を強化する大規模な「川替え」事業に着手。野口新橋下流で行った「川替え」で一定の効果があったことから第2弾として実施。3~5年程度かけて数万立方メートルの大量の土砂を掘削するため、市や議会も「大きな効果が期待できる」としている。今年度で掘削した土砂は美浜町で実施する西川河川改修事業にも有効活用する。

 平成23年9月の紀伊半島大水害以降、日高川ふれあい水辺公園や藤井多目的グラウンドの浸水被害が相次いでいることを受け、市と市議会が日高川の堆積土砂しゅんせつなどの対策を強く要望。堆積土砂を除去するには多額の予算がかかるため、県はまず平成27年度に野口新橋下流で行った低水護岸の災害復旧工事にあわせて「川替え」を実施する妙案をひねり出し、堆積土砂でつくられた中州の中央部分に延長560メートル、幅30メートル、深さ約2メートルの直線の河道を設け、水がまっすぐ流れるようにした。
 その後、上流部の対応についても検討し、旧野口橋~小熊大橋間でも河川修繕に併せて「川替え」を実施する。大量に堆積している土砂を延長約900メートル、最大幅約50メートルにわたり深さ1メートルほど掘削し、その土砂は河川修繕で藤井、小熊側護岸のせんくつした箇所の埋め戻しに活用する。堆積土砂を取り除き流下能力を向上させるとともに、川の流れを中央部方向に寄せることで増水時の陸上部への衝撃を緩和する狙いもある。
 29年度はまず旧野口橋から上流の延長約300メートル、幅23メートルで掘削を始めた。掘削する土砂は約6000立方メートルあり、それを藤井の土生川河口など、せんくつ箇所の埋め戻しに使うとともに、日高川河川整備計画に基づき今年度から着手する美浜町の西川河川整備工事(大川橋から上流)に有効活用する。30年度以降に残りの約600メートルを掘削するが、対象となる堆積土砂は数万~10万立方メートルと多いため、どこまで掘削するかは今後検討する。
 河川修繕は30年度以降に実施。土生川河口部に新たに護岸根固めブロック(1個4トン)を陸上部は134個、水中部に165個置き、護岸を強化。小熊側は護岸3カ所(総延長219メートル)で崩れてきている根固めブロックの補強、補充として新たに陸上部158個、水中部100個を置く。事業費は概算で約8000万円。うち川替えにかかる費用は約5000万円。第3弾として野口オートキャンプ場、市防災センター前の堆積土砂についても同様の川替えを検討している。


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 25日 軟式野球学童部日高支部創立40周年式典と祝賀会


「チョットええとこ いなみ」コンテストで寺岸寛一さんの作品が大賞受賞 〈2017年11月22日〉

2017年11月22日 08時30分00秒 | 記事

大賞の寺岸さんの作品「おかあさん、星がきれいだね」

印南町の魅力が満載の本「チョットええとこ いなみ」


 町内の魅力ある光景などを撮影した写真を募集した印南町の「チョットええとこ いなみ実行委員会」(嶋田隆道会長)は、応募写真の中から大賞を選ぶコンテストを実施し、最高賞となる「チョットええとこいなみ大賞」には、満天の星空の下、町のシンボルである「かえる橋」を撮影した寺岸寛一さん(58)=印南町津井=の作品「おかあさん、星がきれいだね」が選ばれた。

 コンテストは19日に開催された「かえるのフェスティバル」の一角に、昨年8月から今年7月までの応募期間中に投稿された写真2000点の中から選ばれた136点を展示し、来場者の投票で大賞をはじめ「ええ写真賞」「印南町風景賞」で各金・銀・銅賞、「昔なつかしい賞」の各賞8点を決定した。
 写真で印南町の魅力を町内外に発信しようと昨春に実行委を発足し写真を募った。投稿された2000点の写真はフェイスブックで閲覧できる。また、印南町制施行60周年記念して、県の「わがまちプロジェクト」支援事業「いなみの魅力発信!『地産外商』プロジェクト」を活用し、町内の風景や特産品、地域行事など昔の写真も交え紹介した印南町のPR本(カラー刷り、113ページ)を発行、かえるのフェスティバルでお披露目した。
 本は「チョットええとこ いなみ」と題し、印南、切目、稲原、切目川、真妻の地区ごとに祭りなどの行事、産物、名所、風景の写真とともに説明文も添えて紹介しているほか、寄せられた写真も掲載。「はたらくこと、食べること、出会うこと、遊ぶこと、人と人とで築くこと、おもろいで印南! 見てみて印南!」と、印南町の魅力が満載のPR本となっている。
 大賞以外の各賞入賞者は次の皆さん。
【ええ写真賞】金賞=中西義和(古井)「いわしの選別」▽銀賞=いなみかえるの宿「何かと話題の『顔の家』に潜入してきました!」▽銅賞=坂下緋美(印南)「川又菱の瀧と幻の瀧が合流の奇跡」。
【印南町風景賞】金賞=上野弘(印南)「かえる橋と庁舎」▽銀賞=宮本晃志(美里)「才の川観音の桜です。」▽銅賞=楠本倫也(印南)「印南漁港の落日」。
【昔なつかしい賞】山中陸生(美里)「昔の乗り物」。


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第16回本社杯ジュニアバレーボール大会、南部Aが2年ぶり9回目優勝 〈2017年11月21日〉

2017年11月21日 08時30分00秒 | 記事

優勝の南部A

準優勝の名田ソレイユ


 第16回紀州新聞社杯ジュニアバレーボール大会第40回日高郡市ジュニアバレーボール連盟秋季大会は19日、印南町体育センター、印南小・稲原小・南部小体育館で開き、Aリーグでコンビバレーを展開して強さを見せた南部Aが2年ぶり9回目の優勝を飾り、準優勝は名田ソレイユ、3位は印南はまゆうAが入った。Bリーグは美浜VBCBが優勝、印南はまゆうCが準優勝。

 Aリーグ16チームを4ブロック、Bリーグ8チームを2ブロックに分け、変則リーグ戦を実施。Aリーグは予選を突破した川辺ひかり、御坊つばさ、南部A、稲原、印南はまゆうA、日高、由良アタッカーズ、名田ソレイユの8チームが決勝トーナメントに進出。南部Aは決勝トーナメント初戦の稲原、準決勝の川辺ひかりをとともに2-0で下し、一方の名田ソレイユも初戦の由良アタッカーズ、準決勝の印南はまゆうAをともに2-0で勝ち上がった。
 決勝は3人のアタッカーをそろえた南部Aが左右中央に振り分けた攻撃などで開始早々8連続ポイントを挙げ、序盤から優位に試合を運び、第1セットを21-8で先取。第2セットは序盤、南部が法忍のサービスエースなどでリードしたが、名田ソレイユも芝田のスパイクや道のサーブ、ブロックなどで追いついた。中盤以降、南部は要所でリベロ・辻本のスパイクカットが冴え、坂本や中内の中央からの速攻や竹中の右からのスパイクで徐々に差を広げて21-15で連取し、栄冠を勝ち取った。
 石井尚之監督は「男女混合だが、公式戦最後となる6年生でのチームで挑んだ。レシーブを上手く拾うことで試合を引き締め、コンビバレーがうまく機能した。後輩に見せることができ、来年につながった」。
 坂本実優主将は「最初、少しチームが乱れたが、勝ち上がるごとにまとまって、準決勝、決勝は自分たちの流れを持ってこれた」と話した。
 Aリーグ3位決定戦は印南はまゆうAが川辺ひかりに2(21-18、21-18)0で勝利。Bリーグは美浜Bが決勝で印南はまゆうCを2(21-9、21-10)0で下し優勝した。
 閉会式で山崎進大会長がAリーグ優勝の南部Aに優勝カップ、盾、金メダル、準優勝の名田ソレイユにカップと盾、銀メダル、3位の印南はまゆうAにも盾、銅メダルを贈呈。Bリーグ優勝の美浜VBCBにカップ、印南はまゆうCに盾を贈った。
 個人賞は優秀賞に辻本裕紀君(南部A)芝田桜鳳さん(名田ソレイユ)、敢闘賞に森心羽姫さん(印南はまゆうA)藤本光咲さん(川辺ひかり)木村心春さん(御坊つばさ)小川千晴さん(日高)柏木菫さん(稲原)岩下義哉君(由良アタッカーズ)を選んだ。
 Aリーグ決勝トーナメントの結果と上位チームメンバーは次の通り。
【決勝トーナメント】1回戦=川辺ひかり2-0御坊つばさ、南部A2-0稲原、印南はまゆうA2-0日高、名田ソレイユ2-0由良アタッカーズ▽準決勝=南部A2-0川辺ひかり、名田ソレイユ2-0印南はまゆうA。
【南部A】監督=石井尚之▽選手=坂本実優、法忍明日香、竹中理恵、中内美憂、久保美法、辻本裕紀。
【名田ソレイユ】監督=宇和肇▽コーチ=西田雅彦▽マネージャー=芝田真美▽選手=芝田桜鳳、道みのり、森田唯生、小森寧々、橋本莉奈、辻秋奈、表悠日、田口知優。
【印南はまゆうA】監督=山崎進▽コーチ=田伏みずほ▽マネージャー=畑中茂季▽選手=畑中舞桜、保川惺奈、東純菜、森心羽姫、笹井春菜、内田莉咲、保川千紗都。
【美浜VBCB】監督=惣出和杜▽コーチ=村上玲▽選手=木下輝星、柏原康輝、村上ななみ、羽山里空、寺田いずみ、山本楓、森美月、柏原捷吾、森祐月。
【印南はまゆうC】監督=田尻里依▽コーチ=鈴木健志▽マネージャー=笹井薫▽選手=木下万稟、稲谷穂華、石橋妃那、中家朱梨、鈴木仁菜、湯川璃音、笹井美咲。


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国史跡「熊野参詣道」紀伊路に塩屋王子跡、愛徳山王子跡参詣道(御坊市)追加指定 〈2017年11月19日〉

2017年11月20日 08時30分00秒 | 記事

塩屋王子跡(写真は塩屋王子神社)

愛徳山王子跡北東参詣道


 国の文化審議会が17日、国史跡「熊野参詣道」紀伊路に御坊市塩屋町北塩屋の塩屋王子跡(1万4628平方メートル)、藤田町吉田の愛徳山王子跡北東参詣道(219平方メートル)を追加指定するよう文部科学大臣に答申した。紀伊路は紀伊半島西岸を通る参詣道で、日高地方では初めての指定。塩屋王子跡は12世紀の文献に存在が確認でき、現在は塩屋王子神社として名残をとどめている。愛徳山王子跡北東参詣道は往時の面影を残す土道が残存している。日高地方の国史跡は平成25年指定の道成寺境内(日高川町、御坊市藤田町)に続き3カ所。県内は26カ所となる。
 
 紀伊路、中辺路は参詣道の途中に熊野神の御子神を祠った王子が点在するのが特徴で熊野九十九王子と総称されている。11~13世紀に盛行する上皇、皇族、貴族による参詣、いわゆる熊野御幸に際し、その先達を務める修験者の指示により奉幣、読経などの宗教儀式のほか、法楽のための舞、相撲、和歌会などが催された。
 御坊市内は紀伊路が南北に縦断し、6つの王子跡が残っている。塩屋王子跡は塩屋王子神社としてその名残をとどめている。一の鳥居をくぐり、正面の石段を登った所の広い境内地には後鳥羽上皇の行在所の跡と伝える「御所の芝」や社務所、歌碑などがあり、その奥の一段高い所に社殿、末社社殿などがある。石段登り口には江戸時代の儒学者、仁井田好古の撰文による歌碑(塩屋王子祠前碑)がある。社殿脇には馬場跡が残り、境内にはなぎやイス、ヤマモモなどの老樹があり、社叢は市の天然記念物に指定。江戸時代より「美人王子」という別称をもっている。
 天仁2年(1109年)に熊野を参詣した藤原宗忠の日記「中右記」に「至塩屋王子社奉弊」と記され、塩屋王子は11世紀後半から12世紀初頭頃に成立したものと考えられる。王子社の中でも古く、奉弊行事や歌会などが催された記録が残り、近世においても熊野九十九王子の一つとして認識されてきたことから、社地は平安時代以降現代に至るまで大きな変遷はなかったと考えられる。18世紀以降の王子祠前碑や石階段碑など石造物も残り、近世以来の状況が良好に保存されている。
 愛徳山王子跡北東参詣道は八幡山の北麓、史跡「道成寺」の北西約650メートルに位置し、熊野九十九王子の善童子王子跡から愛徳山王子跡に向かう途中にある参詣道。参詣道沿いにある愛徳山王子跡は鎌倉時代初期には所在し、鎌倉時代を通してかなり重要な王子であった。愛徳山王子跡北東参詣道は王子跡の北東部に往時の面影を残した土道として149・6メートルが残存している。
 県教委は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の指定範囲拡大に向け、紀伊路に残る王子社の学術調査を実施するなど将来的に紀中、紀北の地域に指定範囲を拡大させることを目標にしている。世界遺産登録を受けるには国の史跡指定が必要。平成27年に海南市の藤白王子跡、有田市の糸我峠、広川町の鹿ケ瀬峠などが国史跡に指定されており、今回の指定で今後の取り組みに一層弾みがつくと期待されている。

新たに伊勢屋北蔵、南蔵登録
国の有形文化財(建造物)市内6カ所目

小屋組が特徴の伊勢屋南蔵

 
 国登録有形文化財(建造物)には、新たに御坊市薗の伊勢屋北蔵、南蔵が選ばれた。市内では堀河屋又兵衛家、堀河屋野村、伊藤家住宅、佐竹家住宅、旧中川家住宅に続いて6カ所16件となり、寺内町観光振興へ一層弾みがつく。
 伊勢屋の屋号を持つ田淵家は小竹八幡神社近くに敷地を構え、江戸時代より酒造業を営む家。元禄年間(1688~1704年)に居住したのが始まりで、酒造業も同時期の創業と伝えられ、昭和62年に廃業するまで続けた。
 北蔵は生活用具庫と作業場からなり、建築面積は205平方メートル。明治前期頃の建築で、作業場は瓶詰めや瓶洗い場として利用され、内部は柱を減らして広い作業用の空間を確保。
 南蔵は主体部の北に増築部を接続して北蔵とつなぐ構成で、建築面積は386平方メートルと大規模な酒蔵。主体部は別の場所にあった土蔵を大正期に移築して建てられたと伝えられ、その後、昭和前期頃に増築。一階は仕込場、二階に室が構えられ、梁を縦横に架け渡して組む小屋組は壮観。
 北蔵と南蔵は、いずれも酒造りに欠かせない施設であり、大規模な酒蔵の遺構として貴重。御坊における酒造業の歴史を伝えるとともに歴史的景観にも大きく寄与している。
 県内の登録有形文化財(建造物)は74カ所214件となる。


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