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日高川防災対策で旧野口橋上流の堆積土砂を掘削し大規模な川替えへ 〈2017年11月23日〉

2017年11月24日 08時30分00秒 | 記事

旧野口橋上流の日高川で掘削工事開始


 御坊市、同市議会から強い要望のあった野口、藤田町藤井地内の日高川防災対策で、県が平成29年度から旧野口橋~小熊大橋間の堆積土砂を掘削し藤井~小熊の護岸を強化する大規模な「川替え」事業に着手。野口新橋下流で行った「川替え」で一定の効果があったことから第2弾として実施。3~5年程度かけて数万立方メートルの大量の土砂を掘削するため、市や議会も「大きな効果が期待できる」としている。今年度で掘削した土砂は美浜町で実施する西川河川改修事業にも有効活用する。

 平成23年9月の紀伊半島大水害以降、日高川ふれあい水辺公園や藤井多目的グラウンドの浸水被害が相次いでいることを受け、市と市議会が日高川の堆積土砂しゅんせつなどの対策を強く要望。堆積土砂を除去するには多額の予算がかかるため、県はまず平成27年度に野口新橋下流で行った低水護岸の災害復旧工事にあわせて「川替え」を実施する妙案をひねり出し、堆積土砂でつくられた中州の中央部分に延長560メートル、幅30メートル、深さ約2メートルの直線の河道を設け、水がまっすぐ流れるようにした。
 その後、上流部の対応についても検討し、旧野口橋~小熊大橋間でも河川修繕に併せて「川替え」を実施する。大量に堆積している土砂を延長約900メートル、最大幅約50メートルにわたり深さ1メートルほど掘削し、その土砂は河川修繕で藤井、小熊側護岸のせんくつした箇所の埋め戻しに活用する。堆積土砂を取り除き流下能力を向上させるとともに、川の流れを中央部方向に寄せることで増水時の陸上部への衝撃を緩和する狙いもある。
 29年度はまず旧野口橋から上流の延長約300メートル、幅23メートルで掘削を始めた。掘削する土砂は約6000立方メートルあり、それを藤井の土生川河口など、せんくつ箇所の埋め戻しに使うとともに、日高川河川整備計画に基づき今年度から着手する美浜町の西川河川整備工事(大川橋から上流)に有効活用する。30年度以降に残りの約600メートルを掘削するが、対象となる堆積土砂は数万~10万立方メートルと多いため、どこまで掘削するかは今後検討する。
 河川修繕は30年度以降に実施。土生川河口部に新たに護岸根固めブロック(1個4トン)を陸上部は134個、水中部に165個置き、護岸を強化。小熊側は護岸3カ所(総延長219メートル)で崩れてきている根固めブロックの補強、補充として新たに陸上部158個、水中部100個を置く。事業費は概算で約8000万円。うち川替えにかかる費用は約5000万円。第3弾として野口オートキャンプ場、市防災センター前の堆積土砂についても同様の川替えを検討している。


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