協議会で中間とりまとめ素案承認
県は29日、日高振興局で日高川流域の関係者が連携して「流域治水」を推進するための日高川流域治水協議会初会合を開き、日高川流域治水プロジェクトの中間とりまとめ素案を提示し、了承を得た。プロジェクトは流域全体で緊急的に実施すべき治水対策の全体像をまとめたもの。来年3月までに中間報告をまとめ、出水期までに策定する。策定後、流域住民、企業に分かりやすく示し、ハード・ソフト対策が一体となった流域地域を推進する。
令和元年度東日本台風など毎年のように全国各地で甚大な水災害が発生。日高地方でも昭和28年7月の「7・18水害」、平成23年9月の「紀伊半島大水害」で甚大な被害があり、河川対策だけでなく、流域に関係するあらゆる分野の関係者が協働し、流域全体で取り組む「流域治水」を計画的に推進しようと協議会を設立。国管理の県内一級河川は設立済みで、県管理の二級河川は日本一長い日高川が先行して実施する。
初会合には流域の御坊市長、田辺市長、美浜町長、日高町長、日高川町長をはじめ、県は日高振興局長ら関係部署横断の計12人とオブザーバー2人が参加。プロジェクトの中間とりまとめ素案として(1)氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策(2)被害対象を減少させるための対策(3)被害の軽減・早期復旧・復興-別に具体的事例を提示した。
(1)は集水域対策で霞堤の保存、ため池の改修。河川区域対策で日高川など治水対策、砂防堰堤、渓流保全、山腹工、渓間工など。ほかに椿山ダムの事前放流、遊水池等の整備・活用、堤防強化など。(2)は二線堤の保護、不動産取引時の水害リスク情報提供(宅建業法改正で水害リスク情報の重要事項説明が義務化)など。(3)は県管理河川の全ての区間で浸水想定図を検討中、避難場所の安全レベル設定、防災ナビアプリの普及啓発、水位計・監視カメラの設置、タイムラインの作成、県で企業向けBCR策定ワークショップ開催、排水門等整備など-を挙げた。
今後、県、日高振興局が各市町を回り、それぞれの課題を聞き取った上で具体的な取り組みを盛り込んだプロジェクトの中間報告案をつくり、来年3月までに開く協議会に提示し、出水期までに策定を終える。県は「実施すべき流域全体での対策の全体像を流域の住民や企業に分かりやすく示すとともに、関係各施策を適切に組み合わせ、加速させることで効率的、効果的な流域治水を推進していきたい」としている。
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