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日高川流域治水協議会初会合 〈2020年10月31日〉

2020年10月31日 08時30分00秒 | 記事


協議会で中間とりまとめ素案承認


 県は29日、日高振興局で日高川流域の関係者が連携して「流域治水」を推進するための日高川流域治水協議会初会合を開き、日高川流域治水プロジェクトの中間とりまとめ素案を提示し、了承を得た。プロジェクトは流域全体で緊急的に実施すべき治水対策の全体像をまとめたもの。来年3月までに中間報告をまとめ、出水期までに策定する。策定後、流域住民、企業に分かりやすく示し、ハード・ソフト対策が一体となった流域地域を推進する。

 令和元年度東日本台風など毎年のように全国各地で甚大な水災害が発生。日高地方でも昭和28年7月の「7・18水害」、平成23年9月の「紀伊半島大水害」で甚大な被害があり、河川対策だけでなく、流域に関係するあらゆる分野の関係者が協働し、流域全体で取り組む「流域治水」を計画的に推進しようと協議会を設立。国管理の県内一級河川は設立済みで、県管理の二級河川は日本一長い日高川が先行して実施する。
 初会合には流域の御坊市長、田辺市長、美浜町長、日高町長、日高川町長をはじめ、県は日高振興局長ら関係部署横断の計12人とオブザーバー2人が参加。プロジェクトの中間とりまとめ素案として(1)氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策(2)被害対象を減少させるための対策(3)被害の軽減・早期復旧・復興-別に具体的事例を提示した。
 (1)は集水域対策で霞堤の保存、ため池の改修。河川区域対策で日高川など治水対策、砂防堰堤、渓流保全、山腹工、渓間工など。ほかに椿山ダムの事前放流、遊水池等の整備・活用、堤防強化など。(2)は二線堤の保護、不動産取引時の水害リスク情報提供(宅建業法改正で水害リスク情報の重要事項説明が義務化)など。(3)は県管理河川の全ての区間で浸水想定図を検討中、避難場所の安全レベル設定、防災ナビアプリの普及啓発、水位計・監視カメラの設置、タイムラインの作成、県で企業向けBCR策定ワークショップ開催、排水門等整備など-を挙げた。
 今後、県、日高振興局が各市町を回り、それぞれの課題を聞き取った上で具体的な取り組みを盛り込んだプロジェクトの中間報告案をつくり、来年3月までに開く協議会に提示し、出水期までに策定を終える。県は「実施すべき流域全体での対策の全体像を流域の住民や企業に分かりやすく示すとともに、関係各施策を適切に組み合わせ、加速させることで効率的、効果的な流域治水を推進していきたい」としている。


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日高川町 かわべテニスコートドーム化 本体完成、Gオープンは来年 〈2020年10月30日〉

2020年10月30日 08時30分00秒 | 記事


6コートを覆うドームが完成した「かわべテニス公園」


 日高川町が総事業費約7億円を投じて昨年10月から全天候型施設の整備を進めてきた「かわべテニス公園」のドーム施設本体が完成した。人工芝コートの調整などを行ったあと、年内にも試用を開始する。来年度にかけてトイレや駐車場などの周辺整備を行う計画で、グランドオープンは来年になる予定。6コートをドームで覆った県内でも類を見ない施設で、合宿誘致などによる利用率の向上だけでなく、南海トラフ巨大地震など災害時の救援物資等の集積や搬送施設として活用される。

 かわべテニス公園の上屋建設工事は、同公園宿泊棟北側にある「神和住ガーデン」の6コート全体(約4500平方メートル)を覆うドーム施設を整備するもの。昨年10月に起工し、コート西側から屋根部分になるアーチ状の構造骨組(トラス)を設置する作業が行われ、完成部分から屋根の金属板やテント膜が設置された。屋根の最上部にはテント膜を使用し、晴天時には必要最低限の明るさを確保できる仕組みとなっている。
 最高点が15・73メートルのアーチ状の構造骨組(トラス)による外壁が6コート全体を覆う約110メートル、幅約41メートル、高さ約16メートルの巨大ドーム施設で、県内でも有数の全天候型テニス施設が誕生した。天候に左右されないため、合宿誘致などで利用率の向上が見込まれるほか、近い将来の発生が心配される南海トラフ巨大地震などの災害時には、救援物資等の集積や搬送施設として活用される。
 9月議会では10月に完成し、11月から使用を開始すると報告していたが、来年度にかけてドーム施設への進入路を設けるほか、トイレや駐車場の整備を進める計画で、利用者の利便性をある程度確保して来年からの一般利用開始となりそう。
 施工は(株)古部組=同町山野・仲修美代表=、設計は(株)岡本設計=和歌山市、坂本暁史代表=。


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みちしおの湯 子ども向けガチャガチャ設置 入館者増へ無料券配布(町内小学生)も 〈2020年10月29日〉

2020年10月29日 08時30分00秒 | 記事


コインを投入して回せる「カプセルトイ」を設置


 日高町は1日から、町営温泉館「海の里」みちしおの湯の入館者に通称・ガチャガチャやガチャポンなどで知られる「カプセルトイ」を設置する。地元からより同館に親しんでもらおうと、町内小学生にガチャガチャ利用の無料券も配布。今年は20周年となる節目の年で町は「町民へのサービス充実を図れたら」とし、入館者増へ向けて工夫していく。

 今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考えて休館するなどしており、4月から8月末までの来館者数を見ると、昨年1万9016人に対し、今年は1万3590人と5426人減少している。
 このままいけば、入館者減少は避けられず、令和元年度の入館者数3万7085人に少しでも近づこうと、国の第2次補正予算による町への新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を使って、同館利用促進事業を展開。
 今回も、その一環。例年11月はスタンプイベントを開催しているが、少し趣向を変えてガチャガチャ設置を決めた。子どもたちに喜んでもらえるサービスを取り入れることで大人にも入館してもらいたい考え。
 景品はアニメの「鬼滅の刃」キーホルダーや「ディズニー」ストラップ、「ミニオン」スーパーボールなど6種類。受け付けで1回50円でメダルを購入して回せ、番号を書いた券が入ったカプセルが出てきて、番号ごとの景品と交換できる。
 今のところ景品は500個を購入しており、なくなれば、その都度、新しくするなど興味を持ってもらえるようにして常時5種類をそろえる方針。無料券も1人2枚として町内全児童約1000枚分を用意し、小学校を通じて今月末までに子どもたちに届けられる。
 9月からは、当日券利用の大人や小人、町外70歳以上、身体障害者と介添人を300円値引き、町内60歳以上は半額の150円にしたり、10月からは美浜、日高、由良、日高振興局でつくる観光連携チーム「PROJECT24」の3町内の飲食店、土産店などで使用できる500円割引券付のフリーペーパーを設置。
 9月は前年同月比で約120%とまずまずの滑り出し、10月はすでに前年同月比を110%を超えるほどで、月末見通しでも150%は上回る勢い。今後は具体的なアンケート調査も取り入れて、今後に役立てるほか、1月から20周年記念タオル配布も考えており、町は「今のところ、取り組みの成果なのか、入館者数が増えてきており、ありがたい。できるだけ町民に喜んでもらえるような施策を取り入れていきたい」と話している。


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ドラフト会議 小林樹斗投手(智辯和)が広島4位指名 〈2020年10月28日〉

2020年10月28日 08時30分00秒 | 記事


智辯と同じ赤色がチームカラーの広島の帽子をかぶり活躍を誓う小林樹斗投手


 プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で開かれ、今夏の高校野球和歌山大会で最速152キロを記録した智辯和歌山の小林樹斗選手=3年、松洋中野球部出身=が広島から4位指名を受けた。記者会見で小林投手は「ホッとした。指名されてうれしいのひと言。『勝てる投手』を目指したい」とプロ入り後の目標を色紙に書き込んだ。美浜町出身では同校出身で平成21年ドラフト1位で中日に入団の岡田俊哉投手、平成12年に巨人2位指名された谷浩弥投手を含めて3人目となった。

 和歌山市内の智辯和歌山高校ホールに集まった報道陣約30人と同級生の3年生部員がドラフトの様子を大画面で見守った。チームメイトの細川選手が日本ハム4位で指名され、歓声が沸いた直後に広島東洋「小林樹斗」の名前が流れ、同級生部員達も「やった! 良かった」と歓喜した。
 中谷仁監督が同席して臨んだ記者会見で「待っている2時間は長かった…本当にうれしいのひと言です。名前が呼ばれてホッとしました」と笑みを見せた。具体的な選手名は挙げなかったが「プロはレベルの高い選手ばかり。誰が相手でも抑えられるような投手になりたい。憧れの奥川投手(ヤクルト)とも同じリーグなので投げ合って勝ちたい。真っ直ぐを中心に変化球で打ち取っていきたい」と自身の持ち味をアピールした。
 広島の印象について聞かれると「広島には行ったことがないので早くなじめるようになりたい。ファンと選手が一丸となった温かみのあるチームだと思います。入団したらファンが憧れるような存在になりたい。まだまだ未熟なのでレベルアップして、先発でも中継ぎでもどこを任されても抑えて勝てる投手になりたい」と語り、「勝てる投手」の目標を色紙に書き込んだ。同校先輩の中日・岡田投手とは松原小、松洋中(岡田は日高マリナーズ)と同じ道を進む。「テレビで見ていた憧れの存在。同じ世界に入り、同じリーグなので投げ合って勝ちたい。一緒に地元を盛り上げたい」と先輩超えを誓った。
 中谷監督は「プロ入りを目指してこの1年間、努力してきた。今日は合格発表のようなもの。どの球団でも良いから早く(指名を)という気持ちだったが、いい球団に指名してもらった。荒削りでまだまだ成長する未完成な投手。プロの指導者に鍛えてもらって大投手になってもらいたい。応援したい」と喜んだ。別室で中継を見守った父・英樹さん(43)と母・由起子さん(39)は「本当にうれしいです。ドラフトで指名されるような選手になるとは思っていなかったですが、本人がここまで頑張ってくれた。ファンの人に愛され、チームに貢献できるような投手になってほしい」と安堵と喜びの様子だった。
 小林投手=182センチ、86キロ=は、松原少年から松洋中、日高オールスターズでもエースとして活躍。智辯和歌山では2年選抜で甲子園デビュー、準々決勝の明石商戦で147キロの速球を武器に6回1失点と好投し一躍脚光を浴びた。同年夏の選手権では奥川投手の星稜戦に先発し投げ合った。3年夏の和歌山大会では150キロ超えを連発し、決勝で自己最速を更新する152キロを記録した。


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日高町 宮本秀信さん(画家)に文化賞 「ひだかおはなしの会」が功労賞 〈2020年10月27日〉

2020年10月27日 08時30分00秒 | 記事

 令和2年度日高町文化賞が決まった。文化賞は、50年余りに及び「人間のいる絵」「生活のある絵」の理想を追い求めて描き続けてきた小浦出身の画家、宮本秀信さん(74)=東京都在住=、文化功労賞に読み聞かせサークル「ひだかおはなしの会」(野田ち代代表)が選ばれた。文化奨励賞に高校生2人を選出。表彰式は11月3日午前10時から町中央公民館2階大会議室で行われる。

 宮本さんは日高高校、武蔵野美術大学専攻科卒業。森芳雄氏、麻生三郎氏という戦後の洋画界を代表する画家の薫陶を得て基礎を築いた。絵画教室で生計を立てながら、ひたむきに絵に向かい、時にはスランプに陥りながらも、麻生氏の言葉「人間のいる絵」「生活のある絵」を自己の理想として追求した。
 現代画廊など個展を開いたり、第12回新作家展で協会賞受賞、日韓美術交流展2006京都出品など功績を残し、2017年には初画集も出版。古希を過ぎても変わらずに、希望と絶望の中で生きる人間の営みや、安らぎをもたらす自然へのつきぬ思いを描き続けている。
 宮本さんは「故郷の海や山など自然と東京のエネルギーが合わさった感覚が、今の自身の画風に出ている。まさかの故郷からの表彰でうれしく、光栄です。今後も描き続けたい」と話した。
 ひだかおはなしの会は平成13年、町中央公民館の読み聞かせボランティア募集で集まった地域の幅広い年齢層11人でスタート。毎月第3火曜日に乳幼児を対象とした読み聞かせやペープサート、パネルシアターなどを展開。子ども達と一緒に七夕笹飾りを作って飾ったり、参加者にサンタクロースに扮してプレゼントを贈るクリスマス会など季節に応じた催しも。町内3小学校を訪問して読み聞かせや秋に読書指導を行ったり、図書室利用者へ配慮して大型絵本用の手提げかばんを制作・提供するなど図書を通じて地域社会に貢献し、今年、第53回全国優良読書グループにも選ばれた。
 文化奨励賞は小学生以上の若年層を主に文化・芸術活動における業績が顕著であり、今後も継続してその活動が期待できる場合に贈られる。
 みはま支援学校高等部3年、船代大悟君(18)=荊木=は5歳から書道を始め、2019年10月に「パラリンアート世界大会」審査員賞島田淳子賞を受賞、2020年2月に第42回書初コンクール準特選(日本教育書道研究会)を受けた。現在は同会の学生書の教室毛筆3段、一般書の教室半紙漢字初段、ペン字1級を取得している。
 紀央館高校3年、前田美琴さん(18)=高家=は同校美術部に入部し現在までほとんど休むことなく熱心に制作に取り組み、公募展等へ出品。第39回近畿高等学校総合文化祭京都大会出品、第19回福知山市佐藤太清賞公募美術展入賞など活躍している。
 今回を含め各受賞者総数は文化賞が11人と3団体、文化功労賞2人と1団体、奨励賞が15人となる。


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御坊市内の私有人工林所有者に対しての意向調査で26%が管理委託を希望 〈2020年10月25日〉

2020年10月26日 08時30分00秒 | 記事


私有人工林の林内環境を調査


 御坊市は、国が昨年4月に施行した森林経営管理法に基づく森林経営管理制度で市内の私有人工林所有者に対して意向調査を行い、対象面積21・62ヘクタール(明神川、富安、吉田等)の26%にあたる5・72ヘクタールが市に管理委託を希望したことが分かった。市が管理を受託するか検討しており、受託した森林については今年度末に森林経営管理権集積計画を策定し、5年程度の計画期間内で国からの森林環境譲与税を活用し、間伐など必要な管理を行う。
 
 森林経営管理法は林業の持続的発展、森林の有する多目的機能の発揮に資することを目的に昨年4月に施行され、森林所有者の森林管理の責務や市町村の役割などを明記。同法に基づきスタートした森林経営管理制度では、森林所有者に意向調査を行い、市町村に管理を委ねたいとした場合、森林の現状等を踏まえ、市町村が受託の是非を判断し、受託した森林は市町村が管理する。
 これに基づき、市が昨年度に対象の私有人工林で林内環境調査を行い、今年4月以降に所有者への意向調査を行った。意向調査では所有者16人に今後の経営や管理などの意向を聞いたところ、7人が何らかの形で「自分が管理したい」と答えた一方、9人が「市に経営や管理の委託を申し出たい」と回答した。9人の所有面積はあわせて5・72ヘクタールあり、対象面積21・62ヘクタールの26%に当たる。
 今後、この5・72ヘクタールについて林内環境調査結果と照らし合わせ、整備の必要性を精査し、市が管理を受託するか検討する。受託する場合は、計画期間を5年程度とする森林経営管理権集積計画を策定し、計画に基づき、林内環境を整えるための間伐をメインとした管理に当たる。計画期間を過ぎれば所有者に戻し、その後の対応は再度検討する。
 市が管理する場合の財源は森林環境譲与税を活用する。昨年度から森林面積等に応じた税が市町村に入っており、市町村ごとに人工林の間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進等への活用を検討。
 市内は、対象の森林面積が少ないため、税収入はピーク時でも年間532万2000円。令和元年度は157万6000円が入り、今年度と来年度は335万1000円ずつ、4~5年度は各433万7000円ずつ、6年度以降は満額の532万2000円。すべて森林環境譲与税基金に積み立て、5年度分までの約1600万円は新庁舎への木材利用、木製品設置等に活用する。6年度から受託した森林の間伐に活用するほか、学校など公共施設への木製品利用に活用予定。


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JA紀州 ゆら早生ミカンを動画でPR コロナ禍で消費宣伝に一役 〈2020年10月24日〉

2020年10月24日 08時30分00秒 | 記事


旬のゆら早生ミカン。動画で魅力アピール


 JA紀州、由良町地域おこし協力隊が極早生ミカン「ゆら早生」の動画を共同で制作、市場での店頭販売に活用している。由良町発祥のミカンで収穫期を迎えているが、新型コロナウイルスの影響でトップセールスなど消費宣伝ができない状況からPR動画を制作。地元の農業者や子どもたちが出演し、ミカンの魅力をアピールしている。

 JA紀州ではSNSでの動画配信に力を入れており、これまでにゆら選果場を見学するツアー客向けにミカンが選果されている工程を伝える動画、消費を促そうとハッサクの皮のむき方などの動画を作っている。
 旬のゆら早生ミカンは10月から11月上旬にかけて県外へ出荷され、市場などでトップセールスを行うのが通常だが、今年はコロナ禍で実施できないうえに店頭での試食もできないため、消費者向けのPR動画を企画した。
 制作したのは3本。ロング版(2分弱)は由良町でミカンを栽培している農業者、JA職員らが出演し栽培の様子を撮影、生産者の顔が見えることで安心で安全なのはもちろん、大切にミカンを栽培している様子を伝える。ショート版(約15秒)はゆら早生をイメージした映像に仕上げた。あとの1本(約30秒)は、地元の子どもたちがミカンを食べる様子を撮影。和室にミカンという設定で、あまりのおいしさに予定以上の個数を食べた子もいたという。
 動画は東京青果や福島中央青果の店頭販売の場で、小型テレビを使って流し消費者にPR。制作に携わった協力隊の桃尾郁さんは「コロナで人同士のつながりが少なくなっている中、ミカンが主役ではありますが、農家の人たちの声、笑顔を届けようとの思いを込めました。(表皮が)緑色のミカンは酸っぱいと思われがちですが、10月が食べ頃のゆら早生は緑色ですが、十分においしいということを知って頂ける内容になっています」。
 JA紀州の向井宏幸・日高営農販売センター副センター長も「消費宣伝に動画を活用し、変化する時代の流れにのっていければ。変化を取り入れつつ、組合員の方々の御協力を得てPRしていきたい。今年のゆら早生ミカンは糖度、酸のバランスがよく、中の皮が薄くて食べやすいのでぜひ食べて下さい」と話した。
 ゆら選果場によると昨年は約330トンを出荷、近年は1キロあたり400円以上の高値が付き価格は安定しているという。今年は糖度が高いブランドミカン「ゆらっこ」が例年に比べ多めで、全体で330~340トンを見込んでいるという。動画はユーチューブでも配信。


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日高町志賀 クエにあう日本酒「九絵」販売 地域振興にと「まるた酒店」開業 〈2020年10月23日〉

2020年10月23日 08時30分00秒 | 記事


高級感ある仕上がりの「九絵」をどうぞと杉浦さん


 日高町志賀、「まるた酒店」(杉浦研太店長)は、クエにあう日本酒としてPRしている「九絵」の販売を始めた。取扱店が店じまいしたことで地域振興の観点から受け継ぎ、商品ラベルを変えたり、酒質をあげるなどリニューアルして開業にこぎ着けた。日本酒「九絵」はキレのある飲み口が特徴で、杉浦さんは「日本一を獲得したクエ鍋とともにクエの酒も一緒に知ってもらえれば」としている。
 日本酒「九絵」は上撰、吟醸の2種類で湯川泰嗣さんが町役場産業課長を務めた際に関わって開発したもので、平成3年に柏の井上商店から発売。平成27年3月に同店が廃業したことを受け、湯川さんが販売していたが、経営する「ふる里ペンション湯川」も閉めることになった。白浜町や由良町などから声もあったが、クエの酒とあって、町内での引き継ぎ先を探していた。
 一方で、この状況を聞きつけた杉浦さんが日高町の特産品でもあることから残していこうと一念発起。商標権変更なども含め町商工会の支援を受けながら、今年3月に酒類販売業免許申請を出し、5月20日に取得、同月25日に「まるた酒店」を開業した。これまで本業の畳屋の事務所として使っていた場所で木製の棚を設けたり、「九絵」の垂れ幕を用意するなど準備。商品も、これまでのものから一新し、黒を基調にして、吟醸を純米吟醸にしてランクアップさせるなど高級魚・クエに合わせ、高級感を出し、9月初旬から本格販売した。
 中野BC(株)=海南市=が製造して、同店で販売する形態で、地域振興からも「九絵」の商標登録を取った商品。価格は据え置きで、「上撰 九絵」(1・8リットル)が2750円(税込み)、「純米吟醸 九絵」が2200円(同)。開業時間は午前9時~午後5時で日曜、祝日が休みだが、本業との兼ね合いから、電話での対応が主。当初、純米吟醸だけ60本を仕入れたが、知り合いや町内民宿などから注文があり、2週間ほどで売れ、今のところ順調だ。
「上撰 九絵」はさらりとした苦味も加わってスッキリとした仕上がり。秋はサンマなどの焼き魚にロック、冬は鍋料理に熱燗とオールマイティーな酒質で飲み飽きしない。「純米吟醸 九絵」は芯のある酒に仕上がる「山田錦」と濃醇で香豊かな「雄町」の定評のある2種の酒米のうまみを引き出しており、少し酸味のある優しい味わいな上、キレのある飲み口が特徴で、おすすめは冷酒という。
 杉浦さんは「日高町のクエの知名度を全国に広げていきたい。上撰、純米吟醸ともにクエの脂にあう酒として売り出しているが、他の魚料理や鍋料理にもいい。歳暮など贈答品としても活用してもらえれば」と話している。
 問い合わせは、まるた酒店(電話20・4349)へ。


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御坊市介護福祉課 遺族から感謝の手紙と寄付(100万円)届く 安齋政己さん(宮城出身)に寄り添った38日間 〈2020年10月22日〉

2020年10月22日 08時30分00秒 | 記事

 昨年11月に宮城県仙台市から御坊市湯川町内に引っ越し、今年6月に73歳で死去した安齋政己さん=宮城県出身=に生前、寄り添ってサポートした市介護福祉課職員に遺族から感謝の手紙が届き、市に100万円の寄付があった。市役所に初めて相談に訪れ、亡くなるまでの38日間、安齋さんに寄り添い、不安や心配を和らげた職員は「お手紙をいただき、本当にありがたい」と感激していた。

 安齋さんは昨年11月に市内に引っ越してきた。御坊に身寄りや友人がいるわけではなく、良い物件を探していた時に和歌山にたどり着き、自然豊かで温暖な御坊を気に入ったといい「いずれは家を建ててずっと住みたい」と話していた。市役所に最初に訪れたのは4月28日で、対応に当たったのが介護福祉課保健師の服部春香さん(27)。
 数カ月前から体調が悪く、ひだか病院を受診して全身ががんに冒されいることが分かった直後で、今後の生活の不安、死後の財産管理などを相談。財産管理は弁護士を紹介し、生活面は服部さんを中心に塩路芳基・市地域包括支援センター長ら課の職員が話を聞きながら対応を助言。ひだか病院とも連携し、入院の準備を手伝ったり、入院後に家の冷蔵庫に入れていた生ものを片付けるなど本人の意に沿うようサポートした。
 入院後、6月4日に亡くなったが、仙台市に住む兄家族に連絡をとり、亡くなる1週間ほど前に病院を訪れ、面会できたという。亡くなってからも斎場の手続き、住居の片付けなども手伝った。今月に入り、兄家族から市役所に感謝の手紙が届いた。手紙には「右も左も分からない土地で病気になり、誰も頼ることができず、心細い日々を送っていたことと思います。介護福祉課の人たちには本当に親切にしていただき、感謝しております」とつづられ、遺言に書かれていた100万円を市に寄付した。
 服部さんは「特別なことはしていない。あの対応で良かったのかと思うこともありますが、お手紙をいただき、ありがたく思っています」、塩路センター長は「チームとして安齋さんの不安や悩みを少しでも和らげることができ良かった」、田中孝典課長は「職員が協力し、本人の思いに寄り添い、つながり続けた結果。日々業務に一生懸命頑張ってくれている職員を誇りに思う。いただいた寄付は有効に活用させていただきます」と話した。


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御坊市新庁舎建設事業に緊急防災・減災事業債の適用実現 〈2020年10月21日〉

2020年10月21日 08時30分00秒 | 記事


基本設計の新庁舎北側外観イメージ(実施設計はこれに縛られない)


 三浦源吾御坊市長が、二階俊博自民党幹事長に要望していた新庁舎建設事業での緊急防災・減災事業債の適用が認められた。同事業債は高台(津波浸水区域外)移転の場合に適用されるが、津波浸水区域内の現在地建て替えでも津波対策などを十分に行うことで、適用条件の一つ「高台移転と同等の効果を見込める」をクリアできると国に柔軟な対応を求めていた。適用により市の財政負担が10億2000万円節減できることになり、市長は「深く感謝します」と喜んでいる。
 
 新庁舎建設事業は、実施設計・建設・現庁舎解体を一括発注した前田建設・久米設計特定建設工事共同企業体と46億457万8000円で契約し、現在は実施設計中。財源として従来は市町村役場機能緊急保全事業債を予定していたが、起債対象41億8800万円のうち交付税算入は9億4000万円(算入率22・5%)に対し、緊急防災・減災事業債は起債対象こそ28億円と少ないが、交付税算入は19億6200万円(算入率70%)あるため、適用できれば差額の10億2000万円、市の財政負担を軽減でき、財政が厳しい市にとってメリットは大きい。
 この緊防債は高台移転時に適用されるが、適用条件の一つにある「高台移転と同等の効果が見込まれる」に着眼し、市は「1階は南海トラフ巨大地震の津波想定3・5メートル以上とし、津波を受け流すピロティと浸水しても業務継続に影響が少ないエントランスで構成し、2階以上は浸水しない高さにする」など十分な対策を行うことで条件はクリアできるとし、7月に三浦市長が二階幹事長、総務省に要望。9月にも二階幹事長と面談したあと、二階事務所の案内で武田良太総務大臣、原邦彰総務省官房長(元和歌山県副知事)に重ねて要望していた。
 19日に二階幹事長から「本日、総務省幹部から『緊急防災・減災事業債の活用については、要件を満たすため、要望通り、対応する』と連絡があった」との朗報が届いた。三浦市長は「連絡をいただき、本当にありがたく思っています。二階幹事長をはじめご尽力いただいた国、県、すべての関係者の方々に深く感謝申し上げます」と喜び、今後も「市民の皆さまが利用しやすく、安全で安心な庁舎の建設を進めていくので、さらなるご理解とご協力をお願いします」と話した。
 基本設計では総床面積6733平方メートル。浸水想定3・5メートル以上にする1階はピロティ&エントランス方式とし、1階と2階の間に免震層を設ける中間層免震構造を採用。2階は市民課など利用の多い部署、4階は市長室や災害対策本部など災害対策フロア、5階は議場を配置。中層階以上は一時避難場所に活用できるようにし、屋上にはホバーリングスペースを設ける。
 今後のスケジュールは来年8月まで実施設計を行い、同年9月に着工。竣工は令和5年7月、供用開始は同10月予定。その後、現庁舎の解体、駐車場など外構整備(2億5200万円)を行い、全事業完了は令和6年10月を予定。


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