スターチスなど花き施設栽培に手厚い支援
国が、新型コロナで売上減少など影響を受けた「野菜・花き・果樹」の高収益作物を対象に高収益作物次期作支援交付金事業を始める。特に花きの施設栽培農家への支援単価は10アール当たり80万円と大きく、生産量日本一を誇るスターチスなどが主要品目の御坊市の農業者にとっては過去に例を見ない手厚い支援策となっており、申請が殺到すると予想されるが、手続きに時間と労力を要するため、申請する側、受け付ける側ともに混乱するのではと、心配の声も出ている。
国は新型コロナで「野菜・花き・果樹」の高収益作物が売上減少など大きな影響を受けたとし、出荷実績があり、次期作に前向きに取り組む農業者を支援しようと、同交付金事業を実施する。要件は(1)今年2月から4月の間に「野菜・花き・果樹」の出荷実績がある(2)収入保険、農業共済等のセーフティネットに加入している。または今後加入する意向がある(加入を検討する)。施設栽培は園芸施設共済も含む。
支援内容は栽培方式や栽培品目に応じて次期作で支援対象となる取り組みを行う面積に対して支援金を交付する。支援単価は(1)野菜・花き・果樹の露地栽培は10アール当たり5万5000円(2)花きの施設栽培は10アール当たり80万円。花きの施設栽培に対する支援が大きいのが特徴で、スターチスやカスミソウ、バラ、ガーベラなど花き施設栽培が基幹品目の御坊市の農業者にとっては過去に例を見ない手厚い支援策となっている。
10アール当たり80万円というのは、ほぼ年間の苗代に充当できる額だという。市内の花き栽培面積は約80ヘクタールあり、単純計算で交付金総額は6億円以上に及ぶ。平均すれば栽培面積は1農家当たり30~50アールで、240万円~400万円の交付金が受け取れる。
管内の早いところでは申請の受け付けが始まっているが、多くは9月に入ってから。御坊市では農業委員らで構成する市地域農業再生協議会が事業主体となり、市役所4階の農業委員会室に臨時受付会場を設け対応する。コロナ感染予防で申請の受け付けは日時を指定する完全予約制とし、9月1日から10月16日まで電話による面談予約を受け付ける。対象農地の地番や面積など申請書類、作業日誌の作成、取り組みを証明する写真撮影など手続きにかなりの時間と労力を要するため、混乱も予想される。
申請書は市のホームページからダウンロードできるほか、市役所、JA紀州各支所の窓口等に備え置く。JA組合員はJA広報誌と併せて配布する。同協議会は「要件に該当される方は申請書を入手した上で電話での問い合わせ、事前予約をお願いします」と。問い合わせは協議会事務局(電話52・7501)市農林水産課(電話23・5510)へ。
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