三浦市長から感謝状を受けた髙石工場長(右)
御坊市は28日、企業版ふるさと納税で1000万円の寄付を受けた旭化成(株)=本社・東京都=に市長感謝状を贈呈した。藤田町藤井にある和歌山工場は100年以上創業し、地元経済をけん引してきた企業の一つで地元に密着し、地域に貢献してきたが、来年1月末に生産を終了し、工場を閉鎖する。髙石彰一・和歌山工場長は「100年間、御坊市、地域の皆さんに支えていただいた。ご恩返しのとして、まちづくりに役立ててほしい」と述べた。
和歌山工場は1920年に南海紙業(株)として設立。2020年に創業100周年を迎え、100年以上にわたり地域に親しまれ、地元雇用など地域経済をけん引してきた。現在は土木用塗料に使われるアクリルラテックスと住宅外壁用の光触媒塗料の生産拠点だが、国内市場の需要が落ち込み、今後の成長が見込めないことから昨年5月に工場の閉鎖を発表。
髙石工場長は「100年間、御坊市、地域の皆さんに支えていただいた。お世話になった恩返しに何かできないか考えていたところ、企業版ふるさと納税のお話をいただいた」と寄付の趣旨を説明。「私も13年間、御坊市に住み、愛着を持っています。住みたい、すみ続けたいまちづくりのために役立てていただきたい」と述べた。
三浦源吾市長は「高額の寄付をいただき、本当にありがたい。地方創生の取り組みに活用したい。閉鎖は本当にショックで残念ですが、100年間創業されてきたことは今後も語り継がれていくと思います。市議会から要望のある通り、私としてもかなうことなら関連会社でも旭化成に残っていただければありがたい。市としてお手伝いできることがあれば協力したい」と話した。
工場は10月末閉鎖と発表されていたが、受注が入っているため、来年1月まで生産を続け、1月末に閉鎖する。その後、プラントの撤去を行い、2025年12月までに砕石を敷いた更地にし、跡地は本社管理となる。従業員34人(うち8割が地元)のうち3分の1は転勤を希望し、配属先を調整中。3分の2は地元に残り、転職を希望しており「転職先が決まるようにきっちり支援する」とした。
企業版ふるさと納税は地方公共団体が行う地方創生の取り組みに対する企業の寄付について法人関係税を税額控除する制度。今回で12社、寄付総額は2220万円。
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