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印南町長選・6日告示も一日だけの選挙戦濃厚 〈2024年1月31日〉

2024年01月31日 08時30分00秒 | 記事

 6日後に告示(2月6日)を迎える印南町長選挙は、立候補を予定している現職で4選をめざす日裏勝己氏(72)=皆瀬川=の他に出馬の動きはない。29日に立候補届出書類の事前審査が行われたが、審査を済ませたのは日裏氏だけと、2期連続の無投票当選がほぼ確実な状況で、一日だけの選挙戦となりそうだ。

 日裏氏は平成24年1月に執行の町長選で現職を大差で破り初当選。28年2月には新人を退け再選、前回は無投票で3選を果たした。昨年9月議会で、取り組みを進めている4中学校の統合事業などを念頭に「今後、解決しなければならない課題もたくさんあり、その事からも次期町長選挙に立候補し、町民に信を問う覚悟を固めた」と正式に出馬を表明。12月議会でも「新しい時代にチャレンジし、歴史の審判に耐えうるような取り組みを先頭に立ち進めたい」とあらためて4期目への意欲をにじませ決意を示した。
 日裏氏は13日の後援会事務所開きに合わせて4期目の公約を発表。3期目に掲げた「希望を持てる5つのまちづくり」((1)住みたい、住み続けたい(2)子育て・教育(3)強靭で安全・安心(4)思いやりと安らぎ(5)地域産業が輝き賑わう)の取り組みをさらに進め「一歩・二歩・その先を見据えた希望あふれるまちづくり」をめざし各種施策に取り組むとしており「当選させていただければ町民のために勇往まい進したい」と、日裏町政総仕上げに向けて中学校統合事業など遂行する覚悟だ。


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日高川町で4県連携自主防災組織交流大会 〈2024年1月30日〉

2024年01月30日 08時30分00秒 | 記事


酒本会長(右)ら4県代表者が意見交換


 和歌山、三重、徳島、高知4県連携自主防災組織交流大会は28日、日高川町防災センターで開き、自主防災組織役員や地域防災リーダーら約120人が参加。4県代表者の活動事例発表やパネルディスカッションが行われ、酒本和彦・御坊市自主防災組織連絡協議会長が発表した「楽しみながら防災を学ぶ防災まつり」や「高齢者の体力づくりをめざす御坊版健康体操」の取り組みが注目を浴びた。

 南海トラフ地震発生時に甚大な被害が想定される4県が連携し、自主防災組織の育成や活動活性化を目的に平成17年度から毎年、各県持ち回りで開催。御坊市、徳島県北島町、高知県いの町、三重県四日市市の自主防災組織代表らが発表。酒本会長は1市5町で結成した日高地方自主防災組織連絡協議会、昨年初開催した「防災まつり」の取り組み、学校での防災教育導入の提案などを発表した。
 防災まつりでは「訓練という言葉は重く感じる」とし、訓練という名は使わず、運営は公費を使わず企業等の協賛金でまかない、ミキサー車でのガチャガチャポンなど楽しく防災を学べる仕掛けづくりを紹介。学校での防災教育は「防災の基本は『逃げろ』。被災時は気が動転して体が動かない。普段から逃げる癖や習慣を身につけてほしい」と重要性を訴えた。
 パネルディスカッションでは、コーディネーターの本塚智貴・明石工業高等専門学校建築学科准教授が「防災まつりに4千人が参加したのはすごい」とイベントのマネジメント方法を聞くなど高く評価。市町の垣根を超えた自主防災組織の連携も「重要なこと」と評価していた。
「ベッドから玄関先まで」を合言葉に災害時に玄関先まで移動できる体力づくりをめざそうと普及に取り組んでいる御坊版オリジナル体操「ステキ体操GO!GO!GOBO」についての北島町の発表者から「歩いて避難する自信がないと言う高齢者が多い。体操の動画はどうすれば見れますか」と質問があり、酒本会長は「市ホームページから見れますし、徳島に出張してもいいですよ」と答えた。閉会後、さっそく四日市市、北島町から講演や体操実演のオファーがあった。
 このほか、酒本会長は「一人ひとりの防災意識、共助の力を高めていきたい。『大丈夫』には、支え合う『人』の字が3つ入っている。一本の矢より三本の矢です」と助け合いの精神の大切さを強調。他県発表者からは「避難所でのペット同伴に苦労している」「避難所に車中泊用のスペースを設けることも必要」などの意見が出された。


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選抜高校野球 耐久の堀端朔選手(日高中出身)、田辺の寺西邦右選手(稲原中出身)らに選抜切符 〈2024年1月28日〉

2024年01月29日 08時30分00秒 | 記事


選抜ではまず1勝と話す耐久・中田、堀端、坂田3選手(左から)

出場が決まり、喜ぶ田辺の選手ら=26日、田辺市


 3月18日開幕の第96回選抜高校野球の出場校が26日に決まり、県から昨秋の近畿大会4強に進出した耐久が創部以来初の甲子園、21世紀枠で田辺が76年ぶり3度目の出場。日高地方では、耐久の1番・右翼手でフル出場した堀端朔選手(2年)=日高中・由良シニア=、田辺のエース投手として県予選で智辯和歌山、市和歌山の強豪を破る原動力となった寺西邦右選手(同)=稲原中・日高オールスターズ=らが夢の甲子園出場を勝ち取った。

 耐久には、堀端選手とともに中田浩貴(1年)=内野手、早蘇中=と坂田大和(同)=投手・外野手、大成中・日高ボーイズ=がベンチ入り。堀端選手は秋以降、1番打者で打線をけん引。29試合に出場し、打率3割、盗塁19を記録。選抜をかけた県1次予選から近畿大会準決勝まで9試合にフル出場し、40打数13安打で打率・325の活躍。選抜に向けて「自分の特徴を生かして、安打を量産し、勝利につなげたい。甲子園は楽しみ」と話した。
 中田選手は近畿大会初戦の社(兵庫)戦で守備固めから9回に公式戦初打席で左前打を放った。坂田選手は公式戦で出場機会に恵まれなかったが、練習試合で投手として10試合37回を投げて防御率3・89、打者でも15打数5安打で打率・333の好成績を残す。中田選手は「課題のパワー、打撃力を向上させて、甲子園でも自分の良いところを出して楽しみたい」、坂田選手は「甲子園のマウンドに立つ機会があれば、諦めない強い気持ちで挑みたい」と話した。
 田辺は、県2次予選で市和歌山、智辯和歌山を破って県2位で52年ぶりに近畿出場し、初戦で京都国際に延長タイブレークで2―3で惜敗。寺西投手=写真・前列右から2人目=は、県予選準決勝の智辯戦で10安打を許して再三のピンチを背負ったが、4併殺打などで2失点の粘りの投球を見せると、終盤7回に満塁逆転弾で大金星を挙げた。京都国際戦でも133球を投げて7安打、7奪三振の3失点と好投し、大黒柱として甲子園強豪校を苦しめた。「支えてくれたたくさんの人への感謝の気持を忘れず、夢だった甲子園でまっすぐ勝負の強気の投球でまずは1勝をめざしたい」と意気込んだ。


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美浜町のゲストハウス「遊心庵」外国人客、徐々に回復 〈2024年1月27日〉

2024年01月27日 08時30分00秒 | 記事


国の登録有形文化財にも指定されているゲストハウス「遊心庵」


 NPO法人日ノ岬・アメリカ村(小薮清信理事長)が運営するゲストハウス「遊心庵」=美浜町三尾=を訪れる外国人客が増えている。コロナ禍でここ数年は途絶えていたが、半年ほど前から徐々に回復し、今年4月からの宿泊実績延べ319人(予約44人を含む)のうち、外国人客は58人を数えている。

 外国人客の大半はカナダから。三尾「アメリカ村」にルーツを持つ日系人が祖先の足跡をたどりに来たり、三尾に知人のいる家族連れが遊びに来て、遊心庵に宿泊している。ほかにも、ゴルフをしに来た韓国の職場仲間や、移民を研究しているアメリカのグループらの利用がある。
 日本人では、大阪や奈良方面からの会社仲間や家族連れらの利用が多い。
「リピーターが多いですね。今年度、4月は8人と少なかったですが、8月のピークの時は62人の宿泊がありました。今年度も、約70万円の黒字だった昨年度と同様の黒字金額になりそうです」と、NPO副理事長の左留間豊幸さん。 
 遊心庵は、町の地方創生プロジェクトの一環で、2019年9月1日に宿泊施設としてオープン。
 カナダに渡り鮭漁で成功した三尾出身の田中松蔵氏によって昭和8年頃に建てられた邸宅を生かした、木造平屋瓦ぶきの施設。内部・外観ともに落ち着いた和風意匠を基調とするが、一部に洋風を取り入れている点が特徴的。カナダ移民の歴史・文化を今に伝える貴重な建物とされ、国の登録有形文化財に指定されている。
 寝室4部屋、キッチン、ダイニング、浴室、エアコン、洗濯機・乾燥機、電子レンジ、冷蔵庫、掃除機、ドライヤー、無線LANを備え、食材を持ち込んで自炊ができる。
 宿泊は一軒家貸切で、一日一組限定。定員8人まで。宿泊料金は、2人利用で1万2000円(一人6千円)、3人利用で1万6500円(一人5500円)、4人以上利用で2万円~(一人5000円)で、令和6年3月まで千円引き。NPOのホームページ(http://americamura.wakayama.jp/guesthouse)か楽天トラベルから予約できる。


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「真妻やまびこ塾」が「高機能炭研究所」と共同でわさびの試験栽培に取り組む 〈2024年1月26日〉

2024年01月26日 08時30分00秒 | 記事


わさびの苗を植える参加者


 真妻わさび発祥の地である印南町真妻地区の有志でつくる「真妻やまびこ塾」=山本育男代表=は25日、田ノ垣内地内にわさびの苗を定植した。わさび産地を復活させ、地域活性化につなげようとNPO法人「高機能炭研究所」=中田稔代表=と共同で取り組んだもので、山本代表は「『発祥の地』に恥じないよう『わさびの里』のようなものを作り、地域活性化につなげたい」と話している。

 わさび栽培は真妻地区の川又地内で約120年前から始まり、昭和20年代の最盛期には清流が流れる沢を利用した、わさび田が至る所で見られ、全国でも6、7番目の生産量を誇った。昭和28年の「七・一八水害」でわさび田は壊滅状態となり、その後も国有林の伐採などで生産量、栽培面積ともに減少の一途。被害を受けるまでは特産物の一つだった。
 真妻やまびこ塾は、真妻わさび発祥の地として産地復活を――と、炭化した梅種子を使うなど独自の方法で試験栽培に取り組んでいる高機能炭研究所とともに今回、県の農業農村活性化支援モデル事業に「資源循環型『本ワサビや畑ワサビ』里山再生」を企画提案し採択され、旧真妻保育園から約300メートル上った林道沿いに両団体メンバーのほか、県や町の職員も参加してわさび苗300本を植えた。
 わさび栽培には豊富な谷水が必要だが、今回、コルゲートパイプを利用して少量でも水が絶えないよう工夫しての試験的栽培。苗の植え方などを指導した町内唯一のわさび生産者、平井健さん(42)=川又=は「私だけでは産地形成は難しい。栽培は難しく大変だが真妻わさび発祥の地として自信と誇りを持って取り組み、次の世代につなげれば」と期待を寄せていた。


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管内7市町で消費生活窓口相談が増加 〈2024年1月25日〉

2024年01月25日 08時30分00秒 | 記事


御坊市新庁舎2階に開設している相談窓口


 管内7市町が共同で開設している「日高地域消費生活相談窓口」に寄せられた令和5年度相談件数が23日現在で183件あり、すでに前年度件数を上回り、過去最多を更新する勢い。高齢者に加え、物価高騰等で生活が苦しく、副業を考えている人たちを狙った特殊詐欺も増えているという。開設以降の救済金は累計で3千万円を超えており「一人で悩まず、気軽に相談してください」と呼びかけている。

 全国的に振り込め詐欺など悪質商法は多種多様化、その手口も巧妙化し、被害が後を絶たないことから日高地方で相談窓口を一本化し、相談に適切に対応できるように平成29年7月から市役所に相談窓口を常設し、市が国家資格の消費生活相談員2人を雇用。1人は市役所に常駐、もう1人は6町を巡回相談。毎週金曜日には消費者サポートネット和歌山から消費生活相談員も派遣されている。
 今年度相談件数は23日時点で183件あり、前年度177件を上回り、過去最多だった3年度191件を超える勢い。主な事例はスマートフォンに身に覚えのない未了納金があるなどの連絡があった▼クレジットカードの不正利用があった▼美容関係商品を購入したが、定期購入となっており、高額な費用を請求された▼副業サイトに登録したが、ポイントを購入させられるばかりで報酬が得られず、連絡がつかなくなった▼出会い系サイトで相手に会うため、ポイントを購入していたら高額になったなどがある。
 傾向として約4割が60歳以上の高齢者が占めるが、30歳代や20歳代の若い世代からの相談も増え、特殊詐欺の被害額は前年度に比べて多くなっている。相談員が業者との斡旋や交渉を積極的に行い、支払った分の全額または一部が返金されたり、契約したもののクーリングオフで支払わずに済んだなど救済金は今年度は16件、213万5700円ある。
 救済金は平成29年度約11万円、30年度518万4023円、令和元年度340万3225円、2年度404万3377円、3年度1245万2869円、4年度478万2652円とあり、今年度分を含めた累計額は3211万1846円に上り、相談窓口が被害防止・軽減に大きな成果を上げている。
 市商工振興課は「被害を未然に防ぐため、啓発、相談に一層力を入れたい。相談は無料で、秘密は厳守されますので、少しでも変だと思ったら一人で悩まず、気軽に相談してください」と呼びかけている。相談窓口は新庁舎2階に開設。電話52・5288。消費者ホットラインは188。


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2月21日、キックボクシング・入田和樹選手(日高川町)ICOヘビー級王座防衛戦

御坊ロータリークラブが創立70周年記念事業の一環で管内学校に図書を寄贈

御坊市が2月1日から証明書コンビニ交付サービスを開始


2月11日、4年ぶり「日高川町農業祭」開催 〈2024年1月24日〉

2024年01月24日 08時30分00秒 | 記事


4年ぶり、南山初開催の農業祭をPR


 日高川町農業祭は2月11日に開催する。コロナ禍の影響で4年ぶりのとなる今回は、開催場所を初めて南山若者センター周辺に移し、野菜や果物を楽しめる飲食店ブースなどイベント内容も大きくリニューアル。新たに農産物コンテストを実施し、農家が1品目1点に限定した農産物の出来栄えを競い、グランプリを決定する。軽トラ市などで町産の新鮮な農産物の販売もある。

 総合司会は、県すみます芸人の「わんだーらんど」、場内レポーターをお笑い芸人「和歌山のまーくん」とモデルの坂尻夏海さんが務めて盛り上げる。午前9時に天音太鼓の演奏がオープニングを飾ったあと、午前10時「わんだーらんど」の漫才。午前10時30分からの農産物コンテスト結果発表、午前11時と午後2時から来場者全員が参加できる抽選会、正午と午後3時からご当地アイドル「Fun✕Fam」のライブ、午後1時から農協の架箸、午後1時30分から「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」の著者、野口憲一さんの講演会がある。
 旧川辺町時代から農産物品評会を開いていたが、農産物コンテストに名前を変え、農家が1品目に付き1点だけ出展した農産物の出来栄えを競い、グランプリを決定。以前のような展示農産物即売は行わないが、軽トラ市・JA産直部会が町産の新鮮な農産物、町内の飲食店など15店舗が出店して町産物を使った商品を販売する。
 (株)たにぐちのチョコ販売のほか、ドローン操縦体験、狩猟シミュレーター体験、午前10時30分から先着300人にイモ茶粥無料ふるまい、苔玉づくり、じゃばらスイーツの無料配布、農業用機械の展示販売、スターチスのアレンジメント体験などがある。


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くろしお保育所(美浜町)で県主催のキノピー教室、森林を学ぶ

管内介護事業所作品展の会長賞に「ときわ寮川辺園デイサービスセンター」

日高中が「早寝早起き朝ご飯事業」で町内小学6年生を対象に同校生徒による出前授業

令和4年度完成工事県優良工事表彰(知事表彰)にみなべ町の杉谷産業(株)と日高町の(株)西組


「第4回御坊市民教養講座」池上彰氏が講演 〈2024年1月23日〉

2024年01月23日 08時30分00秒 | 記事


宗教をキーワードに世界の歴史や現在の情勢を
結びつけて語る池上氏


 令和5年度第4回御坊市民教養講座は20日、市民文化会館で開き、ジャーナリストの池上彰氏が「ニュースから世界を見る」と題して講演。池上氏は「線、面にしてみると、今起こっていることの背景がわかる。いくつになっても勉強することが大事。生涯にわたって学び続けることで若さを保てる」とまとめた。

 池上氏は、まず元日に起こった能登半島地震の際、NHKの女性アナウンサーが「テレビなんか見ていないで逃げてください」と絶叫した放送に触れ「そこには東日本大震災のときの反省があった。落ち着いて放送していると、正常性バイアスが働いて、聞き手は『自分は大丈夫。どうせ大したことはない』と思ってしまう。異常事態を知ってもらうため、敢えて絶叫調でやろうとアナウンス室で決めていた」と説明した。
 体育館に布団を敷いて雑魚寝という避難所生活の様子が100年前の関東大震災時とそう変わっていない現実には、トイレ、キッチン、ベッドを24時間以内に確保すべきとの「TKB48」の備えを「ぜひ知っておいて」と呼びかけ、温かいパスタとワインが提供される地震大国イタリアの人権を大切にした避難所運営の仕方を紹介した。
「教養とは、日頃持っている断片的な知識の応用力。蓄えている点の知識を、線に、面に、していく応用力」と、池上氏。「宗教」をキーワードに「ユダヤ、キリスト、イスラムの3つの一神教が、同じ『神様』を信じているのに様々な問題を起こしている」として、イスラエルとアラブの対立の歴史と、ガザ地区を攻める今のイスラエルを欧米が強く批判しない裏にある贖罪意識、ユダヤ人が差別された理由と今ではアメリカで大きな存在感を持つに至った経緯、キリスト教の成り立ちと世界への広がり、疫病流行のなかでの人々の宗教への傾倒など、さまざまな史実が宗教から影響を受け、過去から現在へとつながってきた変遷をわかりやすく解説した。
 アメリカで大きな影響力を持つ福音派の存在と、今年11月に行われる米大統領選挙にも言及。「もしトランプ元大統領が再び大統領になったらどうなるか世界が注目している」として、東アジア情勢や地球温暖化、貿易、ウクライナ情勢、北朝鮮やロシアとの関係などさまざまな視点から予測した。
 最後に池上氏は「今話したことは、みなさん世界史で習った点だった。いくつになっても勉強することが大事。生涯にわたって学び続けることで若さを保てる」とまとめた。


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印南町が24日の臨時議会に「高校生5万円、大学生10万円給付」補正予算を提案

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東京都のわかやま紀州館でみはまマルシェを開催、美浜町の特産品をPR

日高町で20日、JA紀州女性会の「第7回くのいちフェスティバル」


「御坊市認知症施策」施行後5年、成果残す一方課題も 〈2024年1月21日〉

2024年01月22日 08時30分00秒 | 記事


いきいきと暮らせる総活躍のまちへ(写真はドリーム農園)


 御坊市は、平成31年4月から全国で初めて認知症当事者の視点に立った「認知症の人とともに築く総活躍のまち条例」を施行し、今年で丸5年。「認知症、認知症の人への先入観の払拭」を最大のテーマに据え、当事者の視点に立った各種施策、市民への分かりやすい情報発信等を進めているが、先入観の払拭や条例の周知は「まだ道半ば」だといい、さまざまな取り組みをより一層強化、加速させる考え。

 令和22年には市内で2・8人に1人が高齢者、高齢者の5人に1人が認知症と推計される中、市は「認知症の人とともに生きる希望宣言」と位置づけ、認知症当事者や家族らと条例案をつくり、平成31年4月から施行。「誰もが生き生きと希望を持って自分らしく暮らし続けることができる総活躍のまち」を目指し、市の責務や認知症当事者、市民、関係機関、事業者の役割を明記。令和3年3月には全国に先駆け、認知症施策推進計画も策定した。
 全国市区町村初の「あがらの総活躍大使」を任命して特技や趣味を生かし、いきいきと暮らしている姿を発信し、家庭介護者・本人交流の場「ごぼうホッとサロン」は型にとらわれない「スーパー銭湯」での開催、認知症サポーター養成講座を「ごぼう総活躍のまち講座」に発展させるなど独自の取り組みを続け、全国自治体をはじめ、世界保健機関など国際的にも注目を浴びている。
 地域が主体となって当事者や住民、園児らが農作業に参加している「ドリーム農園」、得意の日曜大工でさまざまなものを手づくりして市に寄贈している人の活躍ぶり、認知症の人をきっかけに御坊郵便局舎南側外壁に〒マークが表示されたなどの好事例も多数あり、日本認知症本人ワーキンググループ関係者から「御坊市の取り組みは、我々のめざす社会が実現可能だと示してくれている」と評価されている。
 一方、最大のテーマと位置づけている「先入観の払拭」について塩路芳基・介護福祉課長は「まだまだ認知症、当事者への偏見などは払拭できておらず、取り組みは道半ば」と言い、条例の周知についても同課職員は「外からは高い評価をいただいているが、市民からは『何がすごいの』などの声も聞かれ、条例の周知はできていない。市民の皆さんのためにやっていることなので、もっと情報発信し、地固めしていかないといけない」と話す。
 今後は、ごぼう総活躍のまち講座を事業所や単位町内会等に幅を広げ、いきいきと暮らしている当事者の姿など前向きなメッセージを一層発信し、先入観の払拭や条例の周知に力を入れていくほか、当事者の声を行政や社会に反映できる取り組み、当事者の声や思いを起点とした居場所や新たな挑戦の機会を増やす取り組み、周囲の人が日常の暮らしでできる「ちょいサポ」(ちょっとしたサポート)のアイデア収集と発信、認知症の人が安心して外出できる方策の検討などを進めていく考え。


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交通栄誉章「緑十字銀章」に御坊市の吉田擴氏

日高附属中など県立中学校5校の令和6年度入学者選考検査はじまる

浄土宗円通寺(日高川町)の豊嶋英雄住職が冬シーズン恒例の寒行

 20日、管内6町で孤立集落通信訓練を実施


初の6市町自主防災連交流会を開催 〈2024年1月20日〉

2024年01月20日 08時30分00秒 | 記事


情報を共有した協議会


 御坊市、美浜町、日高町、由良町、日高川町、みなべ町の自主防災組織で構成する日高地方自主防災組織連絡協議会(会長・酒本和彦御坊市自主防災組織連絡協議会長)は18日、新庁舎となった市役所で初の交流会を開催。参加者が各市町の情報を共有したほか、日高地方一体の取り組みとするためにも、印南町に参入を働きかけるとした。

 大規模災害時は市町の垣根を超えた相互支援が必要不可欠で、平時から各組織の連携、交流を深め、日高地方全体で「災害犠牲者ゼロ」をめざして防災体制の充実、強化、防災意識の向上に努めようと、令和4年11月に同協議会を結成。
 この日は、各組織代表らが出席。中間免震構造を採用し、自立稼働を見据えた太陽光や雨水利用等の自然エネルギー活用、5階の議会議場や会議室で約600人収容の一次避難所とするなど市の防災拠点施設として機能する新庁舎を見学した。
 この後、各市町の自主防災組織の活動状況を報告。個別避難計画作成を進める上で支援者選定が困難なことをあげており、日高川町では避難対策ワークショップ開催と同時に支援者選定も進めて同計画を順次作り上げたい考えを示すなど取り組みを紹介した。
 阪神淡路大震災から29年が経つなど経験した人たちが年齢を重ねるからこそ、小中学生の防災教育が重要と説いたり、被災時はマンパワーの必要性から、若い世代の地方自治体職員の防災士取得などの意見も。避難訓練の参加者で20代以下の世代の少なさから、ゲームなど簡単に入り込みやすいイベント要素の高い企画の必要性を説いた。
 御坊市の昼夜間人口比率を見ると114・72%で全国18位と高く、昼間は市外から約3000人が市内に通勤・通学している現状がある。「いつ何時、どこで、災害が起こるかはわからない。住民のために、印南町も、この協議会に入ってもらいたい」「災害が起これば、共助が重要とされる中、日高地方が一緒の立場で助け合わないといけない」などの意見があり、出席者が賛同。今後、印南町の参入に向け、呼びかけていくことを確認した。


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