「鳥羽丸」の前で協定書を持つ角田、林両校長(左から)
和歌山高専(角田範義校長)が27日、鳥羽商船高専(林祐司校長)=三重県鳥羽市=と包括連携協定を締結した。和高専は今年度から本格的に海洋プロジェクトに取り組んでおり、練習船「鳥羽丸」を所有する鳥羽商船高専と連携して日高港を活用した海洋技術調査や共同研究をはじめ災害時の相互協力、学生交流など幅広い分野で連携し、地場産業や地域活性化につなげたい考え。海洋や防災をテーマにした包括的連携協定は全国高専で初の取り組みとして注目されそう。
和高専は、学校防災力の強化と地元小中学校等と連携した地域防災力への貢献をテーマにした防災力強化プロジェクト、日高港がある海に面した立地を生かした海洋研究に力を入れている。海洋研究では経産省から熊野灘をはじめ日本近海に広く存在し、次世代エネルギー資源として期待される「メタンハイドレート」のエネルギー教育モデル校に指定されたほか、海洋エネルギー資源や海洋生物資源の開発など「海プロジェクト」を推進している。
練習船「鳥羽丸」=全長40メートル、幅8メートル、総トン数244トン、定員56人=を所有している鳥羽商船高専と連携することで海洋研究をさらに前へ進め、災害時には日高港を使った相互協力も可能になるため、今年度初めから話し合いを続けた。鳥羽商船高専としても和高専と幅広い分野で共同研究に取り組めるのはメリットがあるということで、27日に両校長ら関係者が鳥羽商船高専に集まり、包括連携協定の調印式を行った。
協定では(1)教育連携及び共同研究等に伴う学生、教員等の交流(2)海洋及び関連分野に係る情報資料の提供並びに共同研究(3)鳥羽丸を活用した海洋の学術研究調査の実施(4)災害時の相互協力-を柱に連携、交流を深めていく。和高専は「日高港、海に面しているという立地条件を生かした海洋研究を進めることで学校の特色を打ち出し、地域に根付いた高専として地場産業や地域活性化に貢献したい」と話している。
全国に練習船を所有している商船高専・高専は鳥羽、富山、大島(山口県)広島、弓削(愛媛県)の5校あり、将来的には5校すべてを巻き込んだ取り組みに発展させたい考え。
練習船「鳥羽丸」日高港初寄港へ 第一弾の取り組みとして5月8日、9日に練習船「鳥羽丸」が日高港に初寄港する。災害時を想定し、耐震岸壁として整備済みの日高港第2岸壁に着岸する。
地元の市内小中学生を招いた船内見学会を開き、日高港新エネルギーパーク「EEパーク」PR館から引き継いだメタンハイドレートの燃焼実験、海洋研究の紹介など交流事業を計画している。出港時は和高専学生が乗船して航海を体験する。
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