教育総合会議で小中一貫教育推進を確認
美浜町は20日、役場で籔内美和子町長、塩崎善彦教育長ら教育委員5人の計6人で構成する総合教育会議を開き、小学校統合を機に小中一貫教育導入による「新しい学校観に立つ学校づくり」を目標に掲げ、具体化に向けた検討に本腰をいれることを確認した。小中一貫教育は県内で先駆的な取り組みのため、ハードルが高いが、今年度中に検討、推進する組織を立ち上げるなど具現化に向けて取り組んでいく。
町長部局、教育委員会ともに小学校統合を機に小中一貫教育を導入する方向性を打ち出し、今年3月定例議会で籔内町長が「教育長にスピード感を持って調査研究を進め、構想を具体化するよう指示している」と答弁。4月の人事異動で教育課職員を1人増やし、小学校統合・小中一貫教育推進担当を配置している。
この日の会議で塩崎教育長は「4月当初から精力的に小中一貫教育に関する国の動向や先進地の事例など情報収集、研究を進めている。専門の教育コンサル業者ともコンタクトを取り、連日議論を重ねている」と述べた上で「小中一貫教育導入の必要性や意義などを整理した基本構想、基本計画を早急に作成したい」との方針を示した。
今年度で小中一貫教育を検討、推進するための組織を立ち上げ、専門のコンサル業者にも入ってもらうように検討中。必要経費は補正予算で計上する予定。必要に応じて議会や保護者、住民への説明会、アンケート調査も計画していく。塩崎教育長は「少子化が進む中、小中一貫教育を推進しないと後々後悔する」と不退転の決意も示した。
小中一貫教育は教育内容の量的・質的充実、中1ギャップへの対応などを背景に全国的に導入が進んでいるが、県内は小中一貫型(それぞれの学校に校長、教職員組織)が私立1校、義務教育学校(一人の校長、一つの教職員組織)が公立1校あるだけ。美浜町がめざす小中一貫型は、公立では県内初の取り組み。
教育課は「公立では県内で誰もやったことがないことに挑戦する。ハードルは高い。先陣を切るため、きちんとした理論付けなどが求められる。何より議会や保護者、地域住民、教職員の理解と協力が必要不可欠」とし、今後の検討過程においては十分な理解が得られるように親切、丁寧に説明していく考え。
小中一貫教育導入にある程度メドが立てば、小学校統合に向けての統合小学校の設置場所や新校舎をはじめとする各種施設の概要などグランドデザインの作成に着手する。それをたたき台に議員や保護者、自治会など各方面に説明し、意見や要望を聞くとともに様々な事柄を協議・検討する統合問題検討委員会のような組織を設置する考え。
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