紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

日高川町当初予算、かわべテニス公園コートのドーム化着手 〈2018年2月28日〉

2018年02月28日 08時30分00秒 | 記事

屋根付きの整備計画に着手するかわべテニス公園の
コート「神和住ガーデン」


 日高川町は27日、平成30年度当初予算案の概要を発表した。昨年5月に就任した久留米啓史町長にとっては初の当初予算。主な新規事業では、かわべテニス公園のコート6面をドーム化するための設計費約3200万円を計上し、2020年度の完成を目指して着手するほか、地域包括ケアシステム拠点施設を誘致するために、土生の旧薬草試験場跡地取得費、南山スポーツ公園の陸上競技場への観客席設置費や役場美山支所の解体費なども盛り込んでいる。

 日高川町の平成30年度当初予算は、交付税で約3億円の減額を見込むなど、前年比1000万円減の総額85億5000万円。歳出の主な新規事業では、かわべテニス公園コート6面のドーム化設計費と旧薬草試験場の用地取得、役場美山支所の解体費と建て替えの設計費、南山陸上競技場への観客席設置、防災センターの周辺整備、シルバー人材センター設立に向けた準備費用など。
 かわべテニス公園のコートをドーム付きに整備する計画は、町村合併の際、平成18年に町が旧3町村区域住民の意見を町施策に反映するため設置した「地域審議会」の川辺地区会議が「地域活性化施策」に沿った審議結果として町に答申。公園北側の6コートに設けた「神和住ガーデン」をドーム付きにするもので、40メートル×107メートルの約4600平方メートルを覆う高さ10メートルの軽量鉄骨製ドームを建設し、全天候型のコートに。平成30年度に設計を行い、国の補助事業(2分の1)と有利な起債を活用しながら平成31年度からの2年間で完成を目指す。
 旧薬草試験場跡地は、昨年9月、久留米町長が地域包括ケアシステム拠点施設を誘致するために用地取得の意向を表明。一部法人から同拠点施設の整備に具体的な提案もあることを明らかにし、町が用地を購入して借地料を課する方針を示していた。
 平成24年に閉鎖した同跡地は、大成中学校南の県道に面した4849・57平方メートル。地元の土生区から同地の購入を求める請願書が出され、当時の総務文教常任委員会が賛成多数で採択し、本会議でも賛成多数で可決した。昨年6月以降に近畿財務局(国)に移管。地元の市町村や県などの公的機関、公的機関に準ずる福祉法人などの機関の意向が優先されるため、町は地域包括ケアシステムの拠点づくり施設の誘致を目指す方向で国に取得の意向を示した。社会福祉施設整備事業用地購入費を計上しているが、財務事務所による土地鑑定のあと、夏以降に町との間で入札が行われ、正式な取得額が決まる。
 南山陸上競技場には、南側本部席周辺に観客席を設置する費用4581万円。すでに解体に向けた設計が完了している役場美山支所の解体費と新庁舎の設計費には約9700万円を計上し、今年度に現庁舎の解体、来年度から新庁舎の建設に着手する。このほか、まもなく本体が完成する小熊の防災センターの周辺整備(避難路)に約7500万円。


その他の主なニュース

 熊野神社(印南町)に手作りの新鳥居、春祭りで氏子にお披露目

 日高町青少年健全育成標語入賞者決まる

 県立高校入試一般出願 紀央館工業技術1・05倍、南部定員割れ

 認知症全国報告会で御坊市の取り組み高評価、警視庁も注目


東京で和田勇シンポジウム、御坊から市長ら20人参加 〈2018年2月27日〉

2018年02月27日 08時30分00秒 | 記事

パネルディスカッションで和田氏顕彰

柏木御坊市長ら関係者も参加


 県は24日、東京の明治大学駿河台キャンパスで県偉人顕彰シンポジウム第7弾「和田勇シンポジウム~東京にオリンピックを呼んだ男」を開き、約800人が参加。1964年の東京五輪を振り返り、2020年の東京五輪に向けての気運を高めようと、和田氏の功績をPRした。19年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリンピック噺~」に登場させてもらえるよう顕彰事業に取り組んでいる御坊市も共催し、柏木征夫市長や吉田擴・同顕彰会長ら20人が参加した。

 オープニングで御坊ロータリークラブが創立50周年記念事業で制作したDVD「和田勇物語」を上映したあと、主催者を代表して仁坂吉伸知事が「DVDを見てうるうるしています。和歌山にゆかりのある和田勇氏は私たちの誇りであり、大変感謝しています。今日はあらゆる角度から和田氏に光を当てていただきたい」とあいさつ。「祖国へ、熱き心を~東京にオリンピックを呼んだ男」の著者、高杉良氏もビデオメッセージを寄せた。
 続いてスポーツジャーナリストの二宮清純氏が「東京オリンピック1964年から2020年に向けて」をテーマに基調講演。「先見性、交渉力が素晴らしい。真の国際人。和田氏がいなければ戦後、日本のスポーツの振興はなかった。和田氏の原点は幼い頃に過ごした御坊市での実体験にある。御坊、和歌山の方に流れる血が助け合いの精神を育んだ」とたたえ、20年の東京五輪に向け「和田氏がおられればどう考えるか。それを考えることが成功に結びつく」と話した。
 パネルディスカッションは仁坂知事、二宮氏、日本オリンピアンズ協会理事長の早田卓次氏(田辺市出身。東京五輪体操団体、つり輪金メダリスト)、シドニーオリンピック女子競泳日本代表の萩原智子さん、明治大学政治経済学部教授の後藤光将氏が和田氏の凄いところ、20年に向けて何をすべきかなどで意見交換。後藤氏は「日本スポーツ史のくさびとなるキーマンの一人」、萩原さんは「人と人とを結ぶ力がすごい。人と人とをつなげるオリンピック精神そのもの」、早田氏は「正子夫人も素晴らしい方」と話した。
 参加した柏木市長は「人間的な魅力、東京五輪誘致の功績の大きさを多くの方に知っていただけた。偉業の大きさを再認識することができた」、吉田会長は「さらに多くの方に和田氏の功績を知っていただけるように今後も活動を続けたい」、顕彰会事務局長の岡本恒男氏は「和田氏が4~9歳まで過ごした御坊での生活体験が原点となり、後の活動につながったと聞いて大変感激した」と話した。


その他の主なニュース

 美浜町補導委員ら合同研修会、スマホ問題を考える

 美浜町防災講演会でみなべ町梅の郷救助隊長・尾﨑剛通さん講演

 日高川町消防団初級、幹部団員研修訓練

 御坊市内少年野球協会杯開幕、髙野敬一朗主将(藤田)宣誓


御坊市が新庁舎建設控え内部的経費削減検討 〈2018年2月25日〉

2018年02月26日 08時30分00秒 | 記事

現在地での新庁舎建設を目前に控えた御坊市


 御坊市は、一般会計予算編成において家庭の貯金に当たる財政調整基金の取り崩しを極力抑えるため、平成30年度で内部的経費の見直しを検討する。同基金はピーク時で30億円を超えていたが、ここ数年は毎年度4億円程度取り崩しており、30年度当初予算時の残高見込みは約12億円。交付税や市税が大幅に増える見通しはなく、目前には数十億円を要する新庁舎建設事業も控えており、今のままでは「基金が底を突く恐れもある」と危機感を持ち、さらなる行財政改革に努める。

 財政調整基金は財源不足を補う重要な財源。枯渇すれば赤字再建団体に転落する恐れがあり、常に余裕のある基金を確保しておくのがベスト。平成元年以降を見ると基金はおおむね10~20億円台で推移していたが、単年度で7億~9億円を取り崩した年もあり、10年度は3億7千万円、17年度は8億5千万円に減り、新規採用職員抑制による職員数削減など「市民サービスを低下させない行財政改革」で乗り切ってきた。
 18~19年度には御坊第2火電建設中止に伴う関西電力(株)からの財政支援があり、19年度は28億円まで増やした。20年度で24億円に減らしたが、21年度以降は国の地方交付税が大幅に増えたこともあり、25年度までの5年間は基金を取り崩すことはなく、逆に30億5千万円に上積みした。26年度以降は交付税や市税の伸び悩みに加え、大型事業もあり、26年度1億2千万円(決算時)27年度5千万円(同)28年度3億6千万円(同)29年度8億円(予算上)30年度当初5億6千万円(同)と5年連続で取り崩している。
 30年度当初予算時の基金残高見込額は11億7736万円で、18年度以降で最も少ない額。29年度は予算上で8億円を取り崩したが、決算段階で不要額が4億円程度あると予想され、これを含めれば16億円程度残っていることになるが、交付税や市税が大幅に増える見通しがなく、福祉予算など扶助費が年々増えている中で、今のペースで毎年度4億円程度の取り崩しを続けていれば数年先には基金が底を突いてしまう。
 目前に控えている新庁舎建設事業は数十億円の財源が必要。毎年1億円ずつ積み立てている庁舎建設基金(30年度当初時で8億円)や起債、国の補助金を活用するが、足りなければ財調基金の取り崩しも必要。市当局は「財政状況は非常に厳しい。31年度予算編成に向け、内部的経費の見直しを検討したい」と、総人件費の抑制や投資的経費の削減などさらなる歳出抑制、未利用地活用や市税滞納額縮減、ふるさと納税など収入増を図りながら基金取り崩しを極力抑え、持続可能な行財政運営に努める。


その他の主なニュース

 印南町切目川ダム環境整備、最終年はサツキやヤマブキを植樹

 御坊市・南海バスが路線バス利用促進へ3路線の乗車券全戸配布

 御坊市教育委が「国指定文化財候補」も視野に御坊祭の総合的学術調査実施

 紀州鉄道が住民とのコラボで「紀道りんこ」のフィギュアとマグネット開発


御坊市魅力発信事業、サポーター獲得や体験メニュー開発 〈2018年2月24日〉

2018年02月24日 08時30分00秒 | 記事

初会合を開いたGO!GOBOプロジェクト協議会


 御坊市は「わがまち魅力発信事業」の母体となる「GO!GOBOプロジェクト協議会」(会長・龍神康宏副市長)初会合を22日に市役所で開き、事業概要や今後の取り組みを説明。「1万人が100回来る御坊へ」をコンセプトに花や寺内町、紀州鉄道、宮子姫など地域資源を活用したオリジナルストーリーに基づき、体験プログラム・メニューの開発や試験実施、プロモーション活動、交流拠点の整備などを行い、御坊の魅力を全国に情報発信する。

 協議会は市や市観光協会、御坊商工会議所、同青年部、同地域活性化・観光推進委員会、JA紀州、紀州日高漁協、JR御坊駅、紀州鉄道(株)、御坊南海バス(株)、(株)中紀バス観光社、市商店街振興組合連合会、御坊菓子工業組合、市ふれあいセンターの代表者19人で構成。平成28年度に作成したプロモーション戦略やオリジナルストーリーについて30年度から2年間かけて具体化させていく。
 着実に御坊に愛着を持つ人を増やしていこうと「100万人が1回来る御坊ではなく、1万人が100回来る御坊へ」をコンセプトに宮子姫、寺内町、観光農園、スターチス、紀州鉄道など観光資源を活用した各種体験プログラムを開発する。市内各種団体代表や若者、女性らを中心とした実働部隊を4つ程度つくり、プログラムを開発し、試験実施した上で、31年度にプログラムを商品化し、インターネットやメディアなどを活用したプロモーション活動を展開する。
 4月から市でインターネットを活用した事業専用プラットホーム(サイト)を開設し、全国から「御坊ファン」になってくれるサポーターを公募。ネット上でプロジェクトや体験プログラムへの意見、アイデアを募り、取り組みに反映させるとともに試験ツアー等への参加も呼びかける。サポーターはネット以外に、進学や就職を機に市を離れる高校生ら若者、ふるさと納税の寄付者などにも呼びかけ、まずは500人~1000人の獲得を目指す。
 ハード整備では、御坊総合運動公園に交流拠点となる施設を設置する。国の地方創生交付金2000万円を活用し、子ども向けの「かぶと虫」大型複合遊具、幼児ゾーン遊具「はなまるひろば」の近くに、子育て世代など多くの人が気軽に交流できるように壁のない開放的な屋根付き施設を建設し、市内の女性団体等に委託して各種交流イベントを実施する。


その他の主なニュース

 全国隣保館フォトコンテスト特別賞に福井麻紀さん(御坊市野口会館)

 大谷春雄さん(御坊市文化財保護審議会委員)和田小学校でふるさと教育

 御坊市当初予算、30年度で新庁舎基本計画策定

 平成29年度由良町白崎体験の風事業終了、全体で522人が親子交流


美浜町西川河川改修事業に県補正予算10億円、早期完成へ前進 〈2018年2月23日〉

2018年02月23日 08時30分00秒 | 記事

大川橋から上流に向かって着工した改修事業


 県は、2月定例議会に提案した平成29年度一般会計補正予算で美浜町の西川河川改修事業に10億5000万円を計上した。28年3月に策定した日高川水系河川整備計画に基づき、同水系で規模や被害の大きい西川の堤防整備や河道掘削などを行う事業で昨年秋に着工。29年度当初予算1億500万円に対して10倍もの補正予算が付くのは異例のことで、早期完成へ大きく前進した。国や県に要望活動を続けてきた地元の美浜町は「熱意が伝わってうれしい」と喜び、一日も早い完成に期待を寄せている。

 整備計画は、おおむね20年間をメドに実施する日高川、支川の事業メニューを明記。支川は西川や下川、斉川、堂閉川、江川が対象で、すでに国の災害復旧工事が進められている江川を除く支川の中から規模や被害の大きい西川から事業着手した。平成18年9月の既往最大洪水に耐えられるように延長4・8キロ区間で堤防整備、河道掘削、護岸工、東裏川合流部対策(千貫樋門改築)を実施する計画で総事業費は数十億円。
 これらの事業を行うことで西川の水位が1・3メートル下がり、西川流域での浸水被害が大きく軽減するだけでなく、シミュレーションでは「東裏川の洪水時の水位が2・7メートルから2・1メートルに下がり、床上浸水被害は発生しない効果がある」としている。これを実現するため、まず流下能力が足りていない大川橋~東裏川合流点の2キロについて両岸の矢板護岸工、河床掘削を行うことを決め、29年度当初予算に1億500万円を計上し、昨年秋に大川橋下の左岸側から着工した。
 今回、政府補正予算で二階俊博自民党幹事長のバックアップを受け、河川改修の防災安全緊急対策交付金12億2500万円が県に配分され、これを活用して県が一気に10億5000万円の補正予算を付けた。当初予算の10倍もの補正予算が付くのは異例のことで、補正予算を付けた県内河川改修事業の中でも断トツに多い額。県当局は「東裏川合流点までの整備を今後おおむね十数年程度で実施したい」としており、30年度当初予算でも2億1000万円を計上している。
 地元の美浜町は森下誠史町長を先頭に議会、西川河川改修事業推進協議会、美浜建設業組合などが一体となり、二階幹事長、仁坂吉伸知事をはじめ国交省などに要望活動を続け、毎年河川美化活動も行うなど早期完成をアピール。昨年秋には着工を祝う会を催し、出席した二階幹事長が整備計画について「20年かけるというのは話にならない。思いっきり急いでやろう。東京でやることは私が責任を持つ」と予算確保を約束。
 これらの成果が今回の補正予算につながったと言え、森下町長は「我々の熱意が伝わり、本当にうれしい。二階幹事長、仁坂知事をはじめ関係者の方々に感謝したい。一刻でも早く、一日でも早く完成するよう今後も町を挙げて取り組みたい」と喜び、二階幹事長も「今回、多額の予算が割り当てられて本格的にスタートすることは非常に喜ばしい限り。西川整備は美浜町だけでなく、御坊市や日高町などでの浸水被害解消に重要であり、一日も早い完成に向け、ともに努力しよう」とコメントした。


その他の主なニュース

 御坊署が人命救助で由良町神谷の男性4人に感謝状

 日高、中津分校、紀央館の高校生9人に御坊東ロータリークラブ賞

 ブルガリア名誉領事の平野譲氏(日高川町)がドンチェフ副首相と対談

 日高川町でドローンスクール、施設管理や防災の活用に期待


川上診療所(日高川町)和医大間で全国初5G導入の遠隔診療実証実験始まる 〈2018年2月22日〉

2018年02月22日 08時30分00秒 | 記事

5G回線で送信した映像をもとに医大の専門医から
指示を受けて診療する(川上診療所)


 日高川町川原河の国保川上診療所と県立医大間で20日、超高速の移動通信システム「5G」を導入した遠隔診療の実証実験が始まった。総務省から(株)NTTドコモが請け負い、高精細なエコー動画(4K)などの送受信が行われ、へき地にいながら専門医が実際に診断するのと同じような環境で受診できる遠隔医療に、参加した診療所と医大側の専門医も手応えを感じた。

 超高速で大容量の通信が可能な第5世代(5G)移動通信システムを使い、病変部の鮮明な映像をへき地から専門医や設備の体制が整った病院に送り、小さな診療所などを支援するための実証試験が20日、日高川町の診療所と和歌山市の県立医大で始まった。県はこうした実証試験は全国初としている。3月上旬まで。
 総務省が各地で行う5G活用試験の一環で、NTTドコモと県が協力し実施。この日は、県立医大と交通の便が悪い山あいの川上診療所を5G回線で結んだ。
 発熱が続いていると想定した患者の喉の映像や胸部の超音波検査画像を、医大の専門医と診療所の医師が同時に見ながら診察したり話したりし、疾患名などを判断した。
 5Gは、肌の色合いや傷の深さを詳細に検討できる皮膚科分野などで特に活用が期待できるという。川上診療所の平林直樹(ひらばやし・なおき)医師は「専門医から精度の高い助言を得られ、1人で幅広い疾患を診るへき地の医師にとっては心強い」と話した。
 導入される移動通信システムの「5G」は、現行のLTE方式に比べて100倍の最高伝送速度などを実現する超高速、多数同時接続、超低遅延の性能があり研究開発が進んでいる。県は、へき地診療所と医大を結ぶ遠隔医療支援システムの整備を進めており、日高川町の保健福祉センター内にある国保川上診療所と医大を結ぶ回線の一部に5Gを導入して実施した。
 1週間程度39度の発熱が続く28歳男性が川上診療所を受診し、心内膜炎の疑いがあるとの想定。診療所側は、同所の平林医師と野上厚生病院内科医の川端大輝医師、医大側は県地域医療センターの上野雅巳・センター長、山野貴司・副センター長が参加。川端医師が患者の口腔内を診て心臓のエコー画像を医大側に送信。テレビ会議システムで映像が瞬時に映し出され、循環器専門の山野医師が所見して診察した。
 同システムによる遠隔診療が実現すれば、診療所の医師と医大の専門医の協力により、高度な映像による皮膚疾患などの症状の正確な把握、映像や会話の遅延減少で円滑なコミュニケーションが可能。へき地の医療現場では医師が不足し、専門分野以外の疾患を診察することが多くなるため、川上診療所側の医師らは「専門外の患者を診ることも多く、専門医師に聞きたいことがリアルタイムで聞くことができ、その場で治療でき、初期治療のスピードアップにつながる」と期待した。


その他の主なニュース

 書初会県中央審査会で管内から特選30点、準特選39点選ばれる

 心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会で田端喜美子さん(美浜町)優秀賞

 御坊クリーンセンター改築事業着手へ 30年度で基本計画策定や用地測量

 マレーシア高校生が今年も日高川町で民泊、日本の生活文化体験


日裏印南町長が任期(2期目)折り返し 〈2018年2月21日〉

2018年02月21日 08時30分00秒 | 記事

2期目も任期折り返し
「公約実行へ全力挙げる」と日裏町長


 印南町の日裏勝己町長(67)が、24日で2期目の任期折り返し点を迎える。平成24年1月29日執行の町長選で現職を破って初当選。4年後は新人を退けて再選。町長としての真価が問われる2期目も早くも折り返し。公約である「『住みたい、住み続けたい』を実感できるまちづくり」の実現に向けて各種施策に取り組んでいる日裏町長は「当面する諸課題に全力を挙げる」と残る任期はさらにギアをトップにして「住みたい、住み続けたい」となる印南町をめざす考えだ。

 2期目の公約として「『住みたい、住み続けたい』を実感できるまちづくり」に加え、「『子育て・教育の充実』を実感できるまちづくり」「『強靱で安心・安全』を実感できるまちづくり」「『思いやりと安らぎ』を実感できるまちづくり」「『地域産業が輝き賑わい』を実感できるまちづくり」-の、実感できる5つのまちづくりを掲げた。
「住みたい・住み続けたい」では、課題となっている住居確保として賃貸住宅建設を条件に町有地を民間に売却。若者定住策(新築助成や家賃補助)も拡充した。「子育て・教育の充実」では、県下でいち早く5歳児の保育料を無料化し10年義務教育化を導入したほか、4中学校の空調整備を完了。「強靱で安全・安心」では大規模災害時に備え、防災拠点となる新庁舎が完成、1期目から力を入れている避難道の整備、公共施設の長寿命化に引き続き取り組み、「思いやりと安らぎ」は、住み慣れた地域で安心してくらせるようにと高齢者等の地域見守りネットワーク会議を設立し見守り体制を構築など公約実現に向けて努めている。
 昨年12月の人口動態では4人が増加。人口が増えるのはここ数年で初めてで、徐々にではあるが取り組み効果が現れ始めてきている。行政手腕が試される2期目。昨年は新庁舎の開庁、町制施行60周年事業と印南町の節目の年でもあったが、新庁舎に関してはトラブルもなくスムーズな庁舎移転を果たし、60周年では花火大会など記念イベントを成功裡に終えるなど成果を上げている。
 2期目も折り返しとなるが、日裏町長は「公約はもちろんだが、2060年の町人口ビジョン『6154人』を実現するため策定した総合戦略で示した基本目標を実現するための各施策の重要業績評価指標や第5次町長期総合計画基本構想・後期基本計画の実現に向けての取り組みも大切となってくる」とし、実現に向けて積極的な施策を展開する必要性を示し、その思いを形づけるため平成30年度当初予算でも対処する考えで「1期目で掲げた『住民目線のまちづくり』を今一度肝に銘じ、議会をはじめ町民、職員の協力を得ながら公約実行に向けて残りの任期を全力で頑張りたい」と身を引き締めている。


その他の主なニュース

 近畿ブロックスポ少剣道交流大会で東和中・細川蓮也君(日高町出身)初優勝

 美浜町浜ノ瀬地区津波避難施設の建設地を西川大橋南に決定、来年度中完成へ

 美浜町の第7期介護保険料(65歳以上)5880円に

 第26回本社旗ゲートボール大会 3月31日、野口コートで開催決まる


県自主防災組織交流会で南塩屋(御坊市)小引(由良町)浜ノ瀬(美浜町)発表 〈2018年2月20日〉

2018年02月20日 08時30分00秒 | 記事

パネルディスカッションで発表する楠本、内芝、村岡各会長
(左から)


 県自主防災組織情報連絡会と御坊市は18日、御坊商工会館で平成29年度情報交流会を開き、地域住民や関係者ら約200人が出席。御坊市の南塩屋区自主防災会、由良町の小引区自主防災会、美浜町の浜ノ瀬区自主防災会が事例発表し、パネルディスカッションを行った。地域住民の防災意識、防災力を高めるキーワードとして地域の絆、気づきの共有、発想の転換が挙げられ、出席者は「活動の参考にし、犠牲者ゼロを目指したい」と話した。
 
 南塩屋の楠本文郎会長は避難訓練や通行止め訓練、塩屋小と関西学院大との連携、市や県の補助金を活用したブロック塀や危険家屋の撤去、避難場所と地域の憩いの場を兼ねた観音山整備などを紹介。観音山整備では子どもも参加して植樹やベンチづくりを行い「子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が災害に強い地域づくりに取り組めた。防災をきっかけに地域の絆をより深められた」と話した。
 小引の内芝善明会長は「みんなで助け合う手づくり、手探りの活動」として集落内の住民のつながりを強めるため自治会行事等への積極的な参加を促す▽地域で最も高いところにある空き家を活用して防災備品を保管する▽土地を用意して町に避難施設建設を働きかけていること▽摂南大学との交流などを紹介。「防災意識を高めるには、ふるさと意識を高めることが大事。全員参加で今後も取り組みたい」と話した。
 浜ノ瀬の村岡茂会長は浜ノ瀬避難タワー、松原地区高台津波避難場所、蓄電式LED避難誘導灯などハード整備、夜間避難訓練や桜の木植樹、いきいき百歳体操、ラジオ体操など浜ノ瀬老人クラブや地域の子どもたちと一緒になった区内連携行事を紹介。「防災の原点はコミュニケーションだと思う。松原地区高台の整備をきっかけに防災元年と位置づけ、今後も犠牲者ゼロを目標に活動したい」と話した。
 阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター主任研究員の本塚智貴氏をコーディネーターに行ったパネルディスカッションでは、今後の取り組みとして楠本会長は「最大のテーマは要支援者の人をどのように避難してもらうか。発想の転換も必要で、夜間訓練なども行いたい」、内芝会長は「自分の身を守る、ふるさとの安全を想う、訓練を少しでも生かした行動をテーマに取り組みたい。早朝訓練もやりたい」、村岡会長は「防災員のなり手がないが、嘆いていても仕方がない。区を挙げて全員野球で取り組みたい」と話した。
 本塚氏は「防災に正解はない。訓練が目的ではなく、訓練で大事なのは失敗すること。問題点や課題を洗い出すといった気づきを共有し、なぜ失敗したか、次はどうしたらいいかを考えて改善する。その積み重ねが大事」「夜間や早朝訓練と言った発想の転換も必要。女性の化粧品道具を備蓄する、女性の下着を干す場所を確保するといった女性目線の取り組みも考えてほしい」「批判する人がいるが、批判からは何も生まれない。より良くするための意見を言ってほしい」とアドバイスした。


その他の主なニュース

 元御坊市消防団藤田分団長・阪本良夫氏叙勲受章祝賀会

 仏師・前田昌宏さん(日高町出身)聖地インドへ納める普賢菩薩完成

 美浜町浜ノ瀬区が高台避難場所で訓練、炊き出しやトイレ設営を体験

 御坊市社会福祉大会に200人、功労者表彰や宣言採択


仁坂知事を囲む会で4選へ決意、事実上の決起集会 〈2018年2月18日〉

2018年02月19日 08時30分00秒 | 記事

「期待を裏切らないよう頑張りたい」と決意を述べる
仁坂知事


 仁坂吉伸知事(67)=当選3回=を囲む会は16日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開き、県選出の与野党国会議員や市町村長、県議、市町村議会議員をはじめ支援者ら約1000人が参集。秋に任期満了(12月16日)に伴う知事選を控え、仁坂知事の4選出馬は確実で、21日開会の2月定例議会で正式に出馬表明する。出馬について直接触れなかったものの「期待を裏切ることのないよう頑張りたい」と決意を口にし、来賓からも知事の手腕に期待する言葉が相次ぎ、事実上の決起集会となった。

 拍手に迎えられ、入場した仁坂知事は「平成18年12月に初当選してから12年目を迎えた。この間、皆さんに手取り足取り、時には叱咤激励を受けながら育ていただいた。皆さんのことを先生だと思っている。ひとつ自分でよくやったと言えるのは、さぼらないで一生懸命仕事をしたこと。今もこれからも皆さんのご指導を受けながら一生懸命やっていきたい」と感謝の言葉を述べた。
 甚大な被害に見舞われた紀伊半島大水害、男女総合優勝・天皇杯を獲得した紀の国わかやま国体、天皇・皇后両陛下をお迎えした全国植樹祭、高速道路をはじめとしたインフラ整備などを振り返りながら「皆さんと様々な思い出を共有できたことは大変な幸せ」と述べた上で「これで終わりかと言えば、まだまだしかかり中のもの、やりたいことがある。皆さんに教師になっていただき、これからもしっかり頑張りたい」と意欲を見せた。
 さらに、自民党県連が仁坂知事の推薦を決めたことに「ありがとうございました。感激しています」と感謝。出馬には「県議会で正式に言わせていただきたい」と言及は避けながらも「こうして私を囲んでいただき、頑張れと言っていただいた皆さんを前にすれば『期待を裏切ることのないよう頑張りたい』と心の中で思っている」と4選への決意を口にし、大きな拍手を受けた。
 島正博後援会副会長は「県民の幅広い支持を受け、県政発展に全力を尽くしてきた。着実に成果を上げ、この勢いそのままに引き続き元気な和歌山実現に向け陣頭指揮を執ってほしい。知事を中心につながりを一層強くしてほしい」と支援を求めた。自民党を代表して門博文代議士が推薦に至った経緯を説明し「力を合わせ素晴らしいふるさとをつくりましょう」と激励。希望の党の岸本周平代議士、公明党県本部代表の多田純一県議、尾崎太郎県議会議長、神出政巳県市長会長(海南市長)寺本光嘉県町村会長(紀美野町長)が実績や手腕を評価し、今後の活躍を期待した。
 知事選に向けては、元参議院議員で自民党県連会長代行の大江康弘氏(64)が昨年11月に出馬表明。同党の公認は得られなかったが、無所属で出馬する意向を示している。共産党は無所属新人を擁立し、推薦する方針のため、今のところ三つどもえの公算が大きい。


その他の主なニュース

 第56回県スポーツ賞表彰式、印南中男子ソフトテニス部ら受賞

 日高川町山野小学校児童と地域住民が交流、竹とんぼなどの昔遊びも

 由良町の知名度アップに取り組む摂南大学PBLチームが活動報告

 日高附属中学校が小学生英語暗唱大会の参加者募集


みやまの里ふじまつり(日高川町)今年20周年、4月18日開幕決定 〈2018年2月17日〉

2018年02月17日 08時30分00秒 | 記事

昨年の第19回は過去最高の約1万8000人が入園


 旧美山村当時から同地域を代表する春のイベントとして毎年1万人以上の人出で賑わう椿山ダム湖畔の「ふじまつり」が、今年で20周年を迎え、4月18日から5月6日までの日程で行われることが決まった。2000年に第1回が始まり、当初は約9000だった入園者は昨年、約1万8000人を記録するなどほぼ倍増。平成17年に初めて1万人を突破して以来、大水害などに負けずに13年連続で大台を突破し、2万人の大台も目の前。累積入園者は約30万人に達している。

 会場となるリフレッシュエリアみやまの里の藤棚ロードは、当初、長さが886メートルで岡山県玉野市に次いで全国で2番目の長さだった。立派な藤棚を多くの人に知ってもらい、公園に足を運んでもらおうと、2000年に「ふじまつり」を初開催。翌年、藤棚の延長計画に着手し、750メートル延長して1646メートルとなり、玉野市を抜いて日本一になった。天候などの影響でフジの咲き具合に左右され、イベント期間後に大勢の人が訪れる人もあるなど公園を訪れた実数はつかみにくいが、期間中だけで毎年1万人以上が訪れる春を代表するイベントになった。
 第5回までは1万人をやや下回る入園者数だったが第7回に1万人以上を記録。第9回はイベント開催の15日間だけで過去最高の1万3282人に。その後、やや減少する年もあったが、第12回は1万3490人、第13回は1万3505人に増加。大水害があった翌年の第14回(平成24年)も1万116人で大台を守り、第15回にはイベント開催中の来園者が過去最多の1万6077人を記録した。
 第17回は1万3578人で、第18回は、1万4268人で1万5000人を割り込んだが、昨年の第19回1万7701人を数え、平成25年の第15回を大幅に更新する過去最高を記録し、1日の来園者も過去最高レベルの3000人の日があった。
 節目の第20回は4月18日開園、21日から5月6日までイベントを開催。例年同様にお楽しみクジや番茶サービス、地元物産展、コケ玉作り体験などのほか、20周年を記念したフォトコンテストなどがある。
 問い合わせは3月15日から美山温泉愛徳荘内の「みやまの里ふじまつり実行委員会事務局(電話57・0180)へ。


その他の主なニュース

 減災対策で由良港整備事業始動、防波堤で津波被害を低減

 ふるさとわかやま学習大賞奨励賞に御坊中学校2年、湯川中学校1年

 川上診療所(日高川町)と医大間で20日から5G導入の遠隔診療実証実験

 死亡ひき逃げ容疑で印南町印南原の71歳女逮捕