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太陽福祉会が日高町学童保育所跡活用し「通園あこう」1日開設 〈2017年11月1日〉

2017年11月01日 08時30分00秒 | 記事

知的障害や発達に特性のある子どもたちのための
放課後等デイサービス施設


 社会福祉法人太陽福祉会(皆川敏治理事長)は、きょう1日から、日高町高家の中央公民館北側にある学童保育所跡建物を活用して知的障害や発達に特性のある子どもたちのための放課後等デイサービス施設「通園あこう」を開設する。町や町社会福祉協議会が内原学童保育所跡の有効活用を模索する中で、利用者増が見込まれることから施設増設を検討していた太陽福祉会が打診し、小中学校を対象として、障害児者の避難所を兼ねた初めての施設にすることで合致。開設後は学校を終えて家庭までの時間を楽しく過ごす場所を提供して基本的な生活習慣を確立する。

 同施設は、当初は町社協事務所だったが、その後、教育委員会が利用したり学童保育所専用の施設として使用。志賀学童保育所を開設後、内原学童保育所が入り、平成29年4月に新たな学童保育所が内原小隣接地に開所、移転したため、土地や建物を所有している町と町社協が、有効活用を模索。
 太陽福祉会は海岸部に放課後等デイサービス施設の「通園みらいⅡ」などもあるが、常に利用者が一杯で、さらに増えることも考えられることから、新たな施設を検討していた。
 空き家となることを知った同会が町に打診。当初は中高生の利用を考えていたが、町が小学生への対応を求めていたため、小中学生を対象とすることで一致。名称には町の木である「あこうの樹」を入れて日高町の特色を出し、同所は南海トラフ巨大地震想定で津波浸水域に入っていないことから、災害時の障害者の避難所として活用するよう町、町社協、同会の3者で協定も締結した。
 同施設は平成3年3月に完成。敷地面積302平方メートルで延べ床面積370平方メートルの鉄筋コンクリート2階建て。1階は大部屋、小部屋、男・女・障害者用トイレ、2階は大部屋、畳部屋などがあった。デイサービス施設として使いやすいように北側の園外に人工芝と砂場を設けた広場(約100平方メートル)を設けたり、安全対策を施すなど約800万円かけて整備。町もフェンスを設けて支援した。
 対象利用者は知的障害や発達に特性のある支援学校や特別支援学級の小中学生。対象地域は御坊市、日高町、由良町、美浜町、日高川町、印南町で、費用は在住の市町が定めた額。月曜日から金曜日は午後3時から午後5時まで、たちばな支援学校や地域の学校まで迎えに行き、同所で活動、送迎する。土曜日や長期休みは午前9時から午後3時30分まで。休園日は日曜日、祝日、第5土曜日。定員10人で職員7人で対応。活動内容は散歩やドライブ、創作活動、クッキング、買い物体験などで長期休み時には社会見学や映画鑑賞、プール、バーベキューなどもする。
 31日には同会や町、町社協の関係者が集まり見学会を開き、皆川理事長が「あこうの木の姿の雄大さと強い成長力のように、子どもたちもたくましく成長されることを願ってつけさせてもらいました。1日から職員ともども頑張りますのでよろしくお願いします」とあいさつ。松本秀司町長は「施設開設は喜ばしく、取り組みに期待しています。障害がある人も、ない人も共に歩める共生社会の充実のために頑張りたい」と祝い、皿山守町社協副会長も祝辞。岡本和能管理者が事業内容や職員を紹介して建物内外を見て回った。


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