紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

納刊のお知らせ

2023年12月29日 17時00分01秒 | 記事

 30日付をもちまして本年の納刊とさせていただきます。1年間のご愛読ありがとうございました。1月1日付の正月特集号は24ページでお届けします。
 新年は3日まで正月休みとし、4日から営業、5日付(夕刊配達地域は4日夕)から発行します。
 皆さま、どうぞよいお年をお迎え下さい。

 令和5年12月29日 日刊 紀州新聞社


28日、御坊市現庁舎の閉庁式 〈2023年12月30日〉

2023年12月29日 17時00分00秒 | 記事


閉庁セレモニーを行う三浦市長、山本議長(左から)

 


 御坊市は、1月4日から新庁舎が全面開庁するのに伴い、年内最後の業務を終えた28日午後5時30分から現庁舎閉庁式を行った。昭和48年5月に竣工し、今年でちょうど50年の現庁舎に「ありがとう」と感謝の気持を込め、三浦源吾市長と山本清司市議会議長が正面玄関前で鎖を締めるセレモニーを行い、50年の歴史に幕を閉じた。年明けから解体工事に入る。

 閉庁式には部課長職員や市議ら約50人が参加。三浦市長は「ロビーで流していた50年間のスライドショーを見ると、市民の皆様とともに時代の変化や社会の発展に目を見張り、見てきた風景は、改めてこの庁舎と過ごした過去との別れを迎える寂しさ、切なさを感じたところ」と述べ、市民らから寄せられたいくつかのメッセージも紹介した。
 その上で「この閉庁式は過去への幕引き、一つの終わりではなく、新たな始まりとして市民の皆様の思いを、新庁舎に引き継ぎ、市民の皆様にお約束した第5次総合計画に掲げたまちづくりを実現していくことをお誓い申し上げ、現庁舎への感謝とお別れのエールとさせていただきます」とあいさつした。
 28日まで行った「50年の歴史に幕~ありがとうWEEK」では、市民をはじめ全国から120件を超えるメッセージが寄せられ、すべてボードに張り出して展示。「人生のほとんどをこの庁舎と過ごしてきた。みんなを支えてくれてありがとう」「長い間、私たちの生活に寄り添ってくれてありがとう」など、それぞれの思い出が記されていた。


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日高川町で青山学院大の中島大輔、西川史礁両選手が野球教室を開催 〈2023年12月29日〉

2023年12月29日 08時30分00秒 | 記事


侍Jのユニフォーム姿で球児を指導する中島、西川両選手


 日高川町体育協会(小畑貞夫会長)は28日、南山スポーツ公園野球場で、野球教室「トップアスリートから学ぼう」を開催。今年春の全日本大学野球選手権を制した青山学院の前主将で、楽天入団の中島大輔選手(4年)=早蘇中、龍谷大平安出身=と、不動の4番打者、西川史礁選手(3年)=丹生中、龍谷大平安出身=が町内小中学生約50人を熱心に指導した。

 同体協では、地元の少年少女に一流選手から指導を受けられる機会をと、2008年の野球教室を皮切りに「トップアスリートから学ぼう」として様々な競技で開催しており、昨年は日本一のオリックス3選手が指導。今年は、東都大Lで春秋連覇してMVPを獲得し、日米野球でも侍ジャパンの主将を務めた中島、日本不動の4番打者に座った西川の両選手を招いた。
 両選手は、日米野球に出場した侍ジャパンのホームとビジター用ユニフォームを着て登場すると、トスバッティングを披露。体が温まってくると、両選手ともに柵越えを連発し、日本代表の打撃に参加した子どもたちを興奮させた。
 東都Lで盗塁王の中島選手は走塁を指導し「リードの時は戻れる態勢で離塁し、絶対にアウトにならない自分の幅を決めることが大切」、全日本でも4番の中島選手は、外側からバットが出る中学生に「ボールの真ん中から少し内側を打つイメージでバットが出ると、打球の質も飛距離も伸びる」とコツを教えた。
 中島選手は「子どもたちには一生懸命やることが一番上手くなると伝えました。地元に帰ってきて多くの人が応援してくれることに気づき、期待に応えて開幕1軍を目指したい」と。
 西川選手は「子どもたちに伝えられることを伝えたかった。自分は来年のドラフト1位を目指し、子どもたちには将来、上の世界で頑張る選手になってほしい」と話した。西川選手の後輩となる山野小の丸山駿之助くん(6年)、福之進くん(3年)兄弟は「西川選手のバッティングがすごかった。もっと練習して西川選手のようになりたいです」と目を輝かせた。


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管内4人が入る女子サッカー県選抜チーム、来年開催の全国大会出場へ 〈2023年12月28日〉

2023年12月28日 08時30分00秒 | 記事

 女子サッカーU―12でサザンクロスFC所属の小谷千歩(南部小6年)、前田莉央(同)、内匠柚希(清流小同)の3選手と、由良JFC所属の池田純怜選手(由良小同)がメンバー入りする県選抜チーム「和歌山オレンジ」が、来年2月17、18日に滋賀県で開く全国大会の第13回びわ湖カップなでしこサッカー大会へ出場する。4人とも攻守に実力を持ち合わせた選手で、活躍に期待がかかる。

 和歌山オレンジはセレクションで選考された17選手で構成し、このほど、24チームがエントリーした大阪府のJ―グリーン堺で開いた日本サッカー協会U―12ガールズゲーム第40回関西少女サッカー大会に出場。予選リーグで北部ガールズを2―0、有瀬を1―0、Medleyガールズを1―0で退け、1位通過。決勝リーグは北摂ガールズと2―2で引き分け、Cuore石山に1―5で敗れたが、5位決定戦で北上を1―0で破り、全国出場権を獲得。全選手が前後半で入れ替わり出場し、日高地方4選手もチームに貢献した。
 小谷選手はポジションがMFで、身長154センチでそこそこ上背もあり、チャンスを演出するスルーパスやミドルシュートなど積極的な攻撃が売り。前田選手はDFで1対1に強く156センチのフィジカルの強さを発揮、攻撃面でもパスの展開力を持ち、スルーパスなど積極的に前にも出る。
 内匠選手はFWやMFの位置で、瞬発力を生かしDFの裏を取る考えたプレーができる選手で好機を演出するほか、前からプレスをかける守備でも貢献。池田選手はDFで142センチと小柄だが、運動量が豊富で体を入れてボールを取る上手さやコースを防ぐ技術力とDFラインの統率力があり、つなぎ役としての攻撃参加も。
 小谷選手は「点を取って、アシストも多く決めたい」、前田選手は「点を取らせない守備面とアシストでも貢献したい」、内匠選手は「コミュニケーションをしっかりとり、いい位置でボールをもらい、チャンスを作りたい」、池田選手は「ボールを奪って、絶対に点を取らせない強い気持ちで挑みたい」と意気込みを話した。


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国立研究所が将来推計人口を公表、管内は最大5割減 〈2023年12月27日〉

2023年12月27日 08時30分00秒 | 記事



 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が、日本の地域別将来推計人口を公表。2020年(令和2年)の国勢調査を基に2050年(令和32年)までの5年ごと30年間ついて推計しており、2050年の総人口は東京都を除いたすべての道府県で2020年を下回り、和歌山県を含む11県で30%以上減少。日高地方でも最大で5割減の厳しい結果となった。

 推計対象は1日現在の1883市区町村など1884地域。2050年の総人口が2020年より減少する市区町村数は1651で、うち0~3割減少するのが605、3~5割減少が705、5割以上減少が341。2050年には65歳以上人口が総人口の半数以上を占める市区町村が30%を超え、2050年の0~14歳人口は99%の市区町村で2020年を下回る。
 和歌山県は、2020年の総人口92万2584人に対し、2050年は63万1619人。2020年の人口を100とした指数は68・5で、30%以上減少することになる。
 市町村別では30市町村すべてが、2020年の人口を下回り、最大で61%減少する町もある。日高地方では、県下でも数少ない人口増の日高町でも10%ほど減少する。他の市町は30%台から40%減少するところがほとんどで、最も減少率が大きいのは由良町の約52%。


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御坊市制施行70周年記念マンホールのデザインに「みーやちゃん」を採用 〈2023年12月26日〉

2023年12月26日 08時30分00秒 | 記事


最多得票を得た紀州鉄道がメインのデザイン


 御坊市都市建設課は、新庁舎竣工、来年の市制施行70周年を機に雨水マンホールのデザインに市公認PRキャラクター「みーやちゃん」を採用。オールカラーのデザイン候補として3案に絞り、今月1日から15日まで一般投票を行い、最多得票を得たデザインに決まった。まず7基つくり、新庁舎周辺に設置する。

 下水マンホールには市の花木「ハマボウ」や市の花「小菊」などをデザインしたカラーぶたがあるが、雨水マンホールは市章をあしらった1色ものが大半のため、新庁舎竣工にあわせ、市のPRも兼ねて「みーやちゃん」をデザインしたカラーぶたを新たにつくる。
 デザイン案は今春、京都芸術大学芸術学部アートプロデュース学科を卒業し、地域おこし協力隊員として市商工振興課に配属された渋谷茉央さん(23)=大阪市北区出身=が担当。10数種類から3案に絞り、インターネット(ロゴフォームより投票)と市役所各課に置いた投票用紙で一般投票を行った。
 投票総数は750票。うち紀州鉄道をメインにハマボウ、クロガネモチ、小菊をデザインし、カラーリングはピンクと水色を組み合わせた案が最多の455票を獲得し、採用が決まった。次点は健康マージャンをメインに紀州鉄道やクロガネモチ、ハマボウ、小菊をデザインした案で、205票だった。
 1月から型枠やマンホールを製作し、3月末に納品される。まずは7基つくり、新庁舎周辺の道路に設置し、その後は観光スポットや駅など主要施設周辺に設置する予定。愛好者に人気のマンホールカードの作成も考えている。


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7・18水害被災写真をパネルにした水位標新設 〈2023年12月24日〉

2023年12月25日 08時30分00秒 | 記事


新たにつくった水位標と移設の石碑
(左から西川部長、酒本会長)


 御坊市は、新庁舎竣工に伴い、市議会棟と市福祉センター間の駐車場一角に設置していた昭和28年「7・18水害」(紀州大水害)の石碑を新庁舎西側の国道歩道沿いに移設したのにあわせ、災害の記録を分かりやすく後世に残そうと、商店街の被災写真2枚をパネルにしてはめ込んだ新しい水位標(浸水高124センチ)を製作。このほど完成、設置を終え、22日に自主防災関係者にお披露目した。

 7・18水害では紀伊半島で10日間雨量が700ミリを超す大雨となり、県内で1千人を超える死者・行方不明者が出る県史上最悪の大災害となった。御坊市内でも日高川が氾濫し、市街地の広い範囲で浸水し、旧御坊町では浸水深が2メートルに達し、野口は壊滅状態となるなど死者・行方不明者約220人に達する大きな被害を出した。
 この大水害の記憶を後世に残そうと、被災5周年を迎えた昭和33年に石碑と水位標が設置され、碑文には当時の菅原清六市長名で「逆巻くような濁流が一瞬にして数百の民家を倒壊流出させた。六百余り町の耕地もたちまち荒地となり、その惨状は見る者の目をおおわせた」など当時の状況やその後の復興の歩みが記されている。
 これまでの設置場所は新庁舎駐車場として整備されることから新庁舎正面玄関(南側)西の国道歩道沿いに設けた植樹帯に移設することにした。石碑は読みにくくなっていた碑文を筆入して補修した上で先に移設を終えており、水位標は新しく作り直していた。水位標は高さ1・5メートルあり、浸水高124センチのラインを表示し、当時の中町、本町商店街が浸水した様子が分かる被災写真2枚と、碑文を読みやすくしたものをパネルにしてはめ込んだ。
 西川宏洋・市民福祉部長は「先人たちが残した災害の記録や苦労して成し遂げた復興のまちづくりの教訓を未来に伝えることは私たちの使命。自然に対する警戒心を忘れず、災害への備えを啓発していきたい」、酒本和彦・市自主防災組織連絡協議会長は「劣化していた石碑、水位標がリニューアルされ、私たちも大変喜んでいます。先人たちの苦労と努力を尊び、犠牲者ゼロをめざし、今後も一人ひとりが災害をイメージし、準備・確認を行い、訓練していくことを啓発していきたい」と話した。


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俳優の田中稔彦さん(名田町出身)初監督映画がロッテルダム映画祭にノミネート 〈2023年12月23日〉

2023年12月23日 08時30分00秒 | 記事


「莉の対」のKV(キービジュアル)


 御坊市名田町上野出身で俳優の田中稔彦さん(40)=東京都=が初監督・脚本手掛けた長編映画「莉の対」(れいのつい)が、オランダの第53回ロッテルダム国際映画祭のメインコンペであるタイガーコンペティション部門にノミネートされた。同部門に邦画で正式出品されるのは非常にまれ。同映画祭は来年1月25日から2月4日まで開催され、全世界から集まった作品がグランプリを目指して戦う。

 田中さんは、日高高校卒、滋賀大学経済学部に在学中、米国ミシガン大学に留学、卒業後は三井住友銀行に就職。その後、俳優に転身し、舞台を中心にしながら、映画やテレビなどマルチに活動し、100を超える作品に出演。2022年5月に(株)NoSaint.&Bloomを設立し、代表取締役社長に就任。初年度の業務で、上映時間3時間10分の長編映画「莉の対」(れいのつい)を自身で脚本、監督、出演、編集を手掛け、制作した。
 「莉の対」は自然の美しさと対比されるように人間模様を描いた作品。自分の存在の希薄さを感じながら生きている光莉。ふとしたきっかけで1枚の写真に心を惹かれ、その写真を取った真斗に自分のポートレイト写真を撮ってくれないかとメールで依頼。失聴者であることを伝える真斗の返信。光莉と真斗、それぞれを取り巻く人間関係が少しずつ影響を与え合い、そしてもろく崩れていく。
 田中さんは、舞台俳優でありながら、コロナ禍で劇場が閉鎖されるなど変化を余儀なくされていた時代に「待っていたらだめだ。周りと同じことやっていてもらちがあかん!」と決意。メインキャストは全員オーディションで決定し、サブキャストに至るまでスポットライトが当たる内容にした。
 田中さんは「スタッフもプロではなく、新しいことにチャレンジしてみたい!畑違いだけど映画をやってみたい!と名乗り出てくれる人たちで構成しました。関わってくれたキャストやスタッフの人生を切り開くための一助になれば」と。
 「莉の対」は商業的な映画にするつもりはなく、アート作品にも偏らず、どこにでも居るような問題を抱えている人たちに焦点をあてた。田中さんは「人間の葛藤、もろく汚く生きる人間の弱さ、それと対比するように自然の美しさ、厳しさ、暖かさを描きたかった」と話している。
 同映画祭は1872年に始まり、毎年12日間の会期中に約600作品が上映され、来場者数は30万人を記録するほど。近年では世界三大映画祭に次ぐ重要な映画祭の一つとされる。毎年、世界各国から数千以上の応募がある中、今年の同部門では14作品が正式出品。邦画でみると、この10年間で2本しかノミネートされていないという。「莉の対」は来春から国内でも上映予定となっている。


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津波防災研究会有志らが東北被災地視察 〈2023年12月22日〉

2023年12月22日 08時30分00秒 | 記事


気仙川水門を視察した研究会メンバー

高台から旧北上川の河川整備状況を視察


 御坊商工会議所の津波防災研究会(会長・谷口邦弘(株)谷口組会長)有志ら11人が、20日と21日に東日本大震災被災地の宮城県、岩手県を訪れ、津波に対する水門や防波堤など整備状況を視察。ハード整備による事前防災の重要性を再確認するとともに同研究会が国や県に要望を続け、御坊市選出の中村裕一県議が選挙公約に掲げている西川河口への水門建設、日高川の粘り強い堤防づくりの実現をめざして思いを一つにした。

 同研究会は平成25年2月に設立。御坊市や美浜町、日高町、日高川町、県など行政機関と連携し、水門や堤防などハード整備事業の調査研究、地域住民の意識改革、国、県、市町への政策提言など活動を続けており、今回は「津波に対する水門、防潮堤、防波堤及び河川堤防の整備状況」をテーマに谷口会長ら有志メンバー、中村県議、二階俊樹秘書が宮城県、岩手県の復興状況を視察した。
 宮城県石巻市では、国交省東北地方整備局北上川下流事務所の案内で旧北上川の河川整備状況を視察。震災前の市街地川沿いにはほとんど堤防がなかったため、市街地を守る重要な防御線として堤防整備(河口部高さ7・2メートル)を進めるなど、かわまちづくり計画と連携した復旧・復興状況を学んだ。市役所も訪れ、斎藤正美市長を表敬。斎藤市長は、南海トラフ巨大地震や直下型地震が想定される地域の自治体と連携して「震災の教訓、思いを共有することが私たちの努めだと思っている」と話した。
 岩手県陸前高田市では2020年に完成した気仙川水門を見学し、水門と堤防を一体的に整備する必要性を再認識し、東日本大震災津波伝承館では被災時の映像、被災した実際の車など展示物を見学して災害の恐ろしさを改めて学んだ。釜石市では釜石湾口防波堤や鵜住居地区など復興状況、宮古市では施工中の閉伊川災害復旧水門工事現場、田老堤防などを視察した。
 谷口会長は「視察の目的は水門建設だが、堤防や道路の嵩上げなど、さまざまな取り組みを視察でき、有意義だった。今回の視察を参考に、地域住民の生命と財産を守るための方策を引き続き調査研究し、行政に働きかけたい」、中村県議は「視察を通して水門を建設すべきとの考えに間違いがなかったことを再確認できた。ぜひ実現させたい。市民の皆様のご支援をお願いします」と話した。
 今年6月県議会で中村県議が津波研究の専門家が東海・東南海・南海3連動地震津波対策で日高川河口への水門建設は「効果的」とのシミュレーション結果を示したことを取り上げたのに対し、知事は「政治家の一人として思いは共感できる」とし「例えば高潮対策で検討できないかなど考えたい」と約束しており、今後、研究会に県幹部を招いて県の取り組みを聞く場を設けることも検討する。


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由良町で来年度、被災時に避難完了を知らせる「避難タオル」を全戸に配布


太陽福祉会新作業所、来年4月に日高町志賀で開所 〈2023年12月21日〉

2023年12月21日 08時30分00秒 | 記事


紀州材をふんだんに使って建設


 社会福祉法人太陽福祉会(皆川敏治理事長)は、日高町志賀の日高中学校前で生活介護事業所「インクルひだか」の建設を進めている。同会初の機械入浴設備、理学・作業療法士によるリハビリを導入し、重度障害の利用者への日常生活を支援する施設。今月13日に上棟式を行い、木造平屋の外殻が見えてきており、来年4月開所へ向け、順調に工事が進んでいる。

 同会は生活介護事業所としては美浜と川辺で営業しているが、美浜は開所から40年が経過。利用者の高齢化が進み、年を重ねるごとに重度化する傾向が見られており、作業所の定員を超えて利用を希望する人が増えいることなどで施設が手狭になったことから、建設を計画した。
 インクルとは英語のインクリージョン(包括)からきており、社会的少数派にある人々も含め、市民一人ひとり、排除や摩擦、孤独や孤立から援護し、地域社会の一員として取り組み、支え合う考え方のこと。インクルージョンは、教育及び福祉の領域で「障害がある人もない人も、すべての人が違いを認め合い、支え合う共生社会を目指す」という理念として捉えている。
 同事業所では、主に障害支援区分5~6程度の重度の利用者で定員20人。昼間に入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに創作的活動や生産活動の機会を提供。美浜と同じく軽作業を行うほか、機能訓練、レクリエーション等を支援し、日中活動の拠点としての機能を充実させる。
 特に入浴機器による入浴は、座らせるだけで楽に入ることができ、従来は帰宅後に自宅で入浴するが、入浴後に帰宅できるため、家族への負担も軽減できる。理学療法士か作業療法士を配置する予定で専門的なリハビリも展開させる。
 敷地面積1249平方メートルに、温もりあるようにと、紀州材をふんだんに使った木造平屋の総床面積484平方メートル。作業室3室のほか、浴室は家庭用1つ、機械浴2つ、事務室、相談室、医務室、多目的トイレなどを設置。地域交流室等も設け、地域住民との交流を図り、地域共生社会の実現を目指すほか、東南海・南海地震等の発生時には、福祉避難所としての機能を持たせ、地域福祉に貢献できるよう計画している。
 総事業費1億7357万2000円。国、県から6000万5000円を補助。設計・監理は御坊市の(株)スタジオパートスリー、施工は湯川町の中平建設(株)。
 理学療法士か作業療法士1人、パートの看護職員数人を募集しており、詳しい問い合わせは同会(電話32・7086)へ。


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