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御坊市新年度予算 前澤さん寄付で大型遊具新調(運動公園) 外出支援も 9年ぶり基金投入ゼロ 〈2021年2月27日〉  

2021年02月27日 08時30分00秒 | 記事


老朽化で撤去する運動公園木製複合遊具


 三浦源吾御坊市長は26日の定例記者会見で、3月5日開会の3月定例議会に提案する議案27件を発表。令和3年度一般会計当初予算は128億1536万7000円で前年度比1・7%増。厳しい財政状況の中、ふるさと納税や環境保全負担金による歳入増、経費節減等から9年ぶりに財政調整基金の取り崩しをゼロに抑えた。継続事業は新庁舎建設が本格化、新規事業は安全・安心な暮らし確保を中心にバランスの取れた堅実型予算となっている。

 歳入面は新型コロナで法人市民税の減収が見込まれ、市税全体で2・9%減。地方交付税も国勢調査による人口減少で伸びは期待できないなど厳しい財政状況の中、財政調整基金の取り崩しを抑制するため、今年度に続いてマイナス10%シーリング(予算要求限度額)で経費節減を図り、好調のふるさと納税と最終処分場の環境保全負担金あわせて約4億7000万円の収入が見込まれるため、平成24年度以来9年ぶりに当初予算での同基金取り崩しがゼロとなった。
 新規事業では、御坊総合運動公園遊具整備に820万円。衣料品通販大手ZOZO創業者で(株)スタートトゥデイ社長の前澤友作さんから寄付されたふるさと納税500万円を活用し、老朽化で利用禁止だった木製複合遊具を撤去し、新たに小学生向けの大型複合遊具を設置。寄付金は遊具本体に使い、撤去費と設置費の320万円は市が負担。年内に完成、供用予定。
 高齢者や障害者の外出支援は、従来のタクシー券(初乗り分、年間最大36枚)を廃止し、新たに1枚100円のチケットを年間1万円分支給。タクシーだけでなく、路線バス、紀州鉄道など公共機関で使用できるようにする。対象者も拡充し、高齢者は80歳以上の世帯非課税、障害者は身体障害者手帳1級・2級、精神同1級、療育手帳の所持者。予算は計747万円。
 感震ブレーカー設置補助に40万円。高齢者世帯等を対象に地震を感知すると自動的にブレーカーを落とし、火災を防ぐ装置の設置補助。補助上限は2万円▽地域別洪水・土砂災害避難マニュアル策定サポートに11万円。野口・藤田地区を皮切りに5年計画で実施▽高齢者運転経歴証明書交付手数料補助に10万円。運転免許証の自主返納を促すため手数料1100円を全額補助する。
 子ども家庭総合支援拠点事業に220万円。専任の子ども家庭支援員2人を配置し、児童相談システムを導入。児童虐待の発生予防・早期発見につなげる▽地域生活支援拠点事業に245万円。社会福祉法人に委託し、障害者の状態変化や介護者の急病など緊急時に利用できる専用居室1室を確保▽健康お散歩コース整備に26万円。気軽に散歩できるコースを3つ設定。
 継続事業は、新庁舎建設事業に3億7592万円。実施設計が2カ月程度伸びるため、それにあわせ建設着工は今年12月、完成は令和5年9月、供用は12月に延びる予定。ほかに新型コロナワクチン接種(一般1万5000人)に1億471万円、塩屋小トイレ改修に3550万円、国民文化祭に710万円、橋梁長寿命化修繕に7000万円などがある。


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日高川町江川川 大規模災害復旧が全区間完了 すでに過去の災害時雨量に効果発揮 〈2021年2月26日〉

2021年02月26日 08時30分00秒 | 記事


最終区間のJR高架下付近も改良し、約57億円を投じた河道拡幅など全区間で改良復旧が完了する江川川


 平成27年7月の台風災害時など氾らんを繰り返してきた日高川町の江川川で、平成27年度から総事業費約57億円を投じて進められてきた大規模な災害復旧工事は、交付金対応で実施した最終区間のJR高架下(和佐)が完了し、全区間で改良復旧が終わる。同区間を除く上流部は令和元年夏までに完了しており、約300ミリの降水量を記録した同年の台風10号でも氾濫はなく、過去に護岸決壊で甚大な被害を出した降水量にも対応可能な流下能力で効果を発揮している。

 江川地区から和佐地区を流れる日高川支流の江川川は、平成23年の紀伊半島大水害はじめ平成18年の7月豪雨、直近では平成27年7月にかけて流域で約500ミリを記録して数カ所で護岸が決壊。農地の冠水(40ヘクタール)や床下浸水11戸の大きな被害が出るなど、豪雨のたびに度重なる被害に悩まされ続けてきた。
 地元の改修推進協議会が改良復旧を県や国に積極的に働きかけた結果、要求に沿った形で国の災害復旧助成事業に採択。災害での復旧だけでなく、再発防止に向けた改良(34・5億円)を含め、総事業費57億1700万円を投じ、河道拡幅や掘削など復旧に改良を加える形で流下能力の向上を図ってきた。
 平成27年度から国の助成事業を受けて着手した災害復旧改良計画は、河口部(和佐地内)の日高川合流地点から上流へ約4・9キロ区間で築堤工や護岸工、掘削工、4つの橋(今井田橋、重家橋、備後橋、高橋)の掛け替え工事などを実施。河道拡幅と掘削で片側の堤防を拡幅する形で流下能力の向上を図ったほか、蛇行が激しい下流の2区間では、蛇行部分をバイパスのような形でショートカットして線形を是正する改良も行い、新たに1カ所へ新橋を架設した。このほか、日高川町が丹生中西側の集落排水処理場近くに架かる町道小桑越内線の越内橋を掛け替えた。
 令和元年夏前には大半の復旧改良工事が完了。すでに平成27年の災害時と同規模の降水量でも氾濫を防ぐなど、大幅に流下能力を向上させて効果を発揮している。その後も残区間の工事が順次進められ、交付金対応で最終区間となった和佐のJR高架下に隣接する工事区間も昨年秋から本格的に整備が進められてきた。


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稲原さんぽ道の会 仁坂知事も参加しツツジ植樹 花の郷づくりに大きな期待 〈2021年2月25日〉

2021年02月25日 08時30分00秒 | 記事

 県の令和2年度新政策「未来を彩る花の郷づくり事業」に日高地方から唯一採択された、印南町印南原、活力ある地域づくりに取り組んでいる「稲原さんぽ道の会」(谷章資代表)は23日、オンツツジの植樹イベントを行った。仁坂吉伸県知事肝いりの事業で、自らイベントに参加し、地元民らと交流を図りながら植樹を行い、「印南町がオンツツジの名所になれば」と花の郷づくりに大いに期待を寄せた。

 午前9時、JR稲原駅前には仁坂知事、日裏勝己印南町長をはじめ、同会メンバー、稲原中学校1、2年生、地元住民ら100人が集まった。谷代表が感謝の言葉を述べたあと、仁坂知事は「和歌山には元気になる元がある。ここは花の名所で、今から50年前に誰かが植えはじめて、どんどん増えて、みんながそれを楽しみにしている。こんな雰囲気になればいいと思った」と事業への思いを語り、「選んでいただいたのはオンツツジ。特色のある地域で、特色のある花がいいので、自生している花がいい。オンツツジは春先に咲き、朱色をした花。『選択が良い。さすが印南の人や。みなさんと一緒に植えたい』と思った」と述べた。日裏町長は「事業は知事肝いり。いくつか応募があった中で選ばれた稲原さんぽ道の会が採択された。地域の人と共に発展し、今回採択されたのは、関係者のみなさんの並々ならぬご努力のおかげだと思う。1つの事業を10年以上も続けているのはすごいこと。行政の力を借りずに自分たちの力だけで取り組んでいるところには魅力を感じ、地域の活性につながる」と述べた。
 参加者はこのあと、徒歩で駅から西約1キロにある「段々花畑」に移動。道中に設けた休憩所では、ボランティア活動をしている尾崎秀樹さんと森本恵都君(名田小5年)がマジックショーを披露し、楽しませた。花畑に到着すると、事業を記念して建てた石碑が紹介され、稲原中の坂井孝成君(2年)と寺〓杏未さん(1年)が仁坂知事に自生していたオンツツジの鉢を贈呈。記念撮影を行った。
 同会メンバーから植樹方法を聞いたあと、仁坂知事は、日裏町長、中学生らと植樹を行い記念撮影。参加者もそれぞれ移動し、植樹を行い、近くに竹に自分の名前を書いた植樹記念プレートを差した。この日は150本のオンツツジを植樹した。参加した地元の70代女性は「ここは子どものころによく遊んだ場所。その場所が花でいっぱいになるのはうれしい。開花の時期が待ち遠しいです」と話した。
 同事業は地域住民が自分たちのまちに愛着を持ち、地域活性化を図ることを目的とし、植樹活動などに取り組む団体に対して県が補助金を交付するもの。県内9団体から応募があり、5団体が採択された。


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第20回県市町村対抗Jr駅伝 御坊市6位、8年連続入賞 日高町は自己最高記録更新 〈2021年2月23日〉

2021年02月23日 08時30分00秒 | 記事

 地域の絆をタスキでつなぐ第20回県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会は21日、紀三井寺公園陸上競技場から県庁前までの10区間21・1キロコースで開き、日高地方勢で御坊市が1時間11分28秒で6位に入った。御坊市の入賞は、8年連続19回目。

 新型コロナウイルス感染防止等のため5市町村が欠場し、県内から25市町の代表とオープンの8チームが出場。レースは、風がほぼなく気温が18度を超す晴天、陽気のなかスタートした。御坊市は、1区・福居君が、飛び出した和歌山市の選手に区間2位の快走で食らいつき、2区・溝口さんも区間3位の走りで2位をキープ。3区以降は海南市、和歌山市、田辺市が上位につけるが、御坊市は3区・辻浦さん、4区・竹中さん、5区・坂口君、6区・川手さんが粘りの走りで4位を堅持。上りが続く7区からは選手層の厚いチームが前に出てきて御坊市は順位を落とすが、7区・東君、8区・岩崎さん、9区・川口君、10区・道君が懸命の走りで6位を守りきりゴールした。
 思うように合同練習ができないなかでの入賞に、福居利章監督は「1区から上位に付け、思い通りのレース展開ができた。鍵となる2区以降も粘って走れた。タイムも去年より1分20秒余り早くて、みんなベストに近い状態で走れた」と話した。
 レースは、海南市が大会新記録の1時間7分27秒で優勝。和歌山市が準優勝、田辺市が3位。日高地方勢は御坊市だけが入賞。13位の日高町は、第9回大会以降の自己最高タイムを48秒縮め、1時間13分46秒の町最高記録をマークした。
 日高地方勢の総合成績と区間3位以内入賞者、5年連続登録表彰競技者は次のとおり。
【総合】(6)御坊市(福居京弥、溝口佳世、辻浦芹夏、竹中璃子、坂口敏基、川手菜央、東叶、岩崎祐佳、川口旺丞、道尚冶)1時間11分28秒日高川町1時間13分07秒印南町1時間13分29秒日高町1時間13分46秒美浜町1時間14分54秒みなべ町1時間16分21秒由良町1時間17分47秒
【区間成績】1区(3・0キロ)=(2)福居京弥(御坊市)9分06秒▽2区(1・7キロ)=(3)溝口佳世(同)5分58秒▽6区(1・4キロ)=(3)長浜乃彩(由良町)4分59秒▽7区(1・7キロ)=(2)村上蒼佑(印南町)6分09秒。
【5年連続登録表彰】松本舞、原星空(以上日高町)林凜人(印南町)橋本日菜子(みなべ町)


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御坊市 水道使用量 料金収入も前年度並み 減少から一転、コロナ禍で増加  〈2021年2月21日〉

2021年02月21日 08時30分00秒 | 記事


コロナ禍で水道使用量増加(写真は藤井浄水施設)


 御坊市水道事務所によると、コロナ禍で市内の今年度水道使用量は前年度より増加する見込みであることが分かった。人口減少などで平成11年度をピークに毎年減少しているが、今年度はコロナ禍で家事用がうがいや手洗いの感染予防対策、外出自粛などステイホームで増加。大幅減収が心配された営業用も秋以降は持ち直し、前年度並みの料金収入が見込まれるため、使用量、料金収入とも減少に歯止めがかかりそう。
 
 水道使用量は人口減少や節水意識の向上、節水機器の普及などで平成11年度370万7350立方メートルをピークに年間1・5%~2%の下げ幅で毎年減少し、令和元年度は293万7817立方メートル。今年度も減少が続くと予想されたが、コロナ禍で大きく様変わり。家事用は毎月、前年同月に比べて使用量が減っていたが、コロナが拡大した昨春以降は増加に転じ、3月分から今年1月分まで11カ月連続して前年同月比で上回っている。
 昨春の全国一斉学校休業、緊急事態宣言に伴う外出や外食自粛によるステイホームで在宅時間が増えたこと、手洗いやうがいなど感染予防対策が徹底されたことが要因と見られる。増加幅で見ると、9月分106・4%が最も大きく、次いで3月分104・9%、6月分103・5%。年間通じて使用量が増えることは近年ではなかった。
 一方、営業用は緊急事態宣言による営業自粛や学校プール授業の中止などで5月分から8月分の使用量が大きく減少。特に6月分は78・9%と最も大きい下げ幅だった。料金収入は4カ月で約700万円の減収となり、この状況が長期化すれば大幅減収につながると心配されたが、9月分107・9%、10月分100・3%、11月分100・1%と3カ月連続で増え、持ち直した。学校や福祉施設等での手洗いやうがい、御坊応援商品券等による飲食店利用が増えたことが要因と見られる。
 家事用、営業用あわせた使用量を見ても7月分、9月分~今年1月分が増加し、今年度トータルは294万3000立方メートルと予想。前年度293万7817立方メートルを若干上回っており、増加すれば平成11年度以降で初めて。使用量の増加に伴い、料金収入も今年度は4億2951万7000円を見込み、前年度4億3378万205円とほぼ同水準を維持できそう。
 水道事務所は「家事用使用量は明らかに増加しており、近年ではなかったことだ。コロナ禍で家庭や学校、福祉施設などで手洗い、うがいが徹底されたことが大きかったと思う。インフルエンザもほとんど出ていないと聞くので、コロナにかかわらず、今後も手洗い、うがいの習慣を継続していただき、水道水を有効に使っていただきたい」としている。


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由良町 「3小学校統合」の答申書提出 検討委は解散、新組織で協議へ 〈2021年2月20日〉

2021年02月20日 08時30分00秒 | 記事


川端委員長(左)が寒川教育長に答申書を手渡す


 由良町学校教育環境在り方検討委員会(委員24人)は「町内3小学校の統合に賛成」との結論を出し、川端邦男委員長が18日、寒川正美教育長に答申書を提出した。答申書には望ましい教育環境に関する基本方針や具体的な方策が盛り込まれ、委員会は同日付で解散。今後、小学校の統合に関する委員会を新たに設置し具体的な協議に入る。

 町教委の諮問機関として昨年7月に発足した検討委は学校関係者やPTA、有識者ら委員24人で構成し、4回にわたり統合の是非などを協議。この間、教育委員会は町内3地区で住民向けに懇談会を開催し統合について意見を聞き委員会に報告、児童数が減少する中「統合はやむをえない」との結論に至り、1月に開いた最後の委員会で答申書の骨子を協議しまとめた。
 寒川教育長は「私ども教育委員会の諮問機関として、4回にわたって協議し答申をまとめて頂き、川端委員長はじめ委員の皆様の御協力に感謝申し上げます。答申頂いた内容に基づき、統合に関する委員会を設けさせて頂き、今後の小学校統合に関することを進めていきたい」。
 川端委員長も「急激に児童数が減少していく中で、子ども達の教育の在り方を検討してきました。統合やむなしとの意見から始まりましたが、(統合を)後ろ向きに捉えるのではなく、子どもたちにとって安心・安全な学校作り、確かな学力、豊かな心をどう作っていくか委員の皆さんから積極的に意見を頂いたので、今後に生かして頂き、由良町の将来を担う子どもたちにつながっていけばと思います」と述べた。
 諮問事項は、由良町小学校の望ましい教育環境に関する基本的な考え方、教育環境の実現に向けた方策の2点。答申書では、基本方針・方策について「生きる力を育むために、活気にあふれた学校生活を送ることができる教育環境が必要。今後の児童数の推移を見据え、3小学校の統合を行い、各学年1学級20人程度とすることが望ましい」「統合後の小学校校舎は新設する方向で検討することが望まれる」など、「地域の将来展望に関する住民の多様な想いや願いに最大限配慮し、地域の合意形成に努める」「校舎整備や通学をはじめとする教育諸条件の整備、安心・安全な学校づくり(津波・防災対策)という重要課題には早期に取り組む」など8つの留意事項を盛り込んでいる。
 教育委員会は今後、答申の内容を山名実町長に伝え、町長部局と連携をはかりながら小学校統合に関する委員会を設置したい考えで、時期は新年度早々になる見通し。


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地域全体で日高川流域治水推進 〈2020年2月19日〉

2021年02月19日 08時30分00秒 | 記事


WEB会議に参加した三浦御坊市長


 県は17日、日高地域等における大規模氾濫減災協議会(WEB会議)を開き、日高川流域の関係者が連携して流域全体で水災害を軽減させる治水対策の全体像をまとめた「日高川流域治水プロジェクト」の中間報告を行い、市町長や関係機関代表の意見を聞いた。必要に応じて修正し、今年の出水期までに策定する。策定後、流域住民や企業に分かりやすく公表し、ハード・ソフト対策が一体となった流域治水を推進する。

 全国各地で甚大な水災害が発生。日高地方でも昭和28年7月の7・18水害、平成23年9月の紀伊半島大水害で甚大な被害があり、河川対策だけでなく、流域に関係するあらゆる分野の関係者が協働し、流域全体で「流域治水」を計画的に推進するためのプロジェクトを策定する。国管理の県内一級河川は策定済みで、県管理の二級河川は日本一長い日高川が先行して取り組んでいる。
 昨年10月の協議会で素案を示し、関係市町に課題を聞き取り、具体的な取り組みを盛り込んだ中間報告案をまとめた。柱は3つあり(1)氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策では集水域対策で霞堤の保存、ため池の改修・事前放流・低水位管理、間伐等の森林整備。河川区域対策で日高川や支川の治水対策、砂防堰堤、渓流保全、山腹工、渓間工。ほかに椿山ダムの事前放流、農業用樋門の運用、粘り強い堤防をめざした堤防強化などがある。
 (2)被害対象を減少させるための対策では二線堤の保護、不動産取引時の水害リスク情報提供(宅建業法改正で水害リスク情報の重要事項説明が義務化)農振地域の農転の監視。(3)被害の軽減・早期復旧・復興では県管理河川の全ての区間で浸水想定図を検討中、避難場所の安全レベル設定、防災ナビアプリの普及啓発、水位計・監視カメラの設置、タイムラインの作成、企業向けBCR策定ワークショップ開催、排水門等整備等-などを挙げた。
 流域市町の取り組みとして(1)ため池管理者に点検、事前放流・低水位管理の依頼(2)民間事業者による土砂堆積箇所の砂利採取(3)支川の水位を低下させるため大規模出水期前に農業用樋門を操作(4)市町独自の水位計、河川監視カメラ設置(5)可動式ポンプの配備(6)農振地域の農転の監視強化-のほか、たんぼ・ため池の治水利用、氾濫域での被害想定に対する土地利用規制を盛り込んだ。
 それぞれの取り組み事例として県は日高川町若野や和佐の日高川堤防整備、美浜町の西川護岸改修、日高川町伊佐の川流域の砂防堰堤整備・改良、御坊市は下川改修や可動式ポンプ配備、日高町は独自の水位計・監視カメラ設置、美浜町は大規模出水期前の農業用樋門操作、日高川町はため池管理者への点検・事前放流・低水位管理の依頼を報告した。

印南川、南部川追加
来年3月までに策定
 会議では、新たに追加した切目川、南部川の流域治水プロジェクト素案を示した。
 基本的には日高川流域と同様の内容で、令和3年度中に印南、みなべ両町の課題などをヒアリングし、4年3月までに策定する。その他の水系も順次、流域治水に取り組む。


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飲食関係3団体 「街の灯り消さないで」苦境訴え 三浦御坊市長が独自の支援約束 〈2021年2月18日〉

2021年02月18日 08時30分00秒 | 記事


三浦市長に要望書を渡す辻井会長(右から3人目)ら


 辻井和義・日高食品衛生協会長、新田みどり・御坊飲食業生活衛生同業組合支部長、更井喜作・日高調理師会長が17日、向井孝行御坊市議会議長、小池佐左夫市議とともに市役所を訪れ、三浦源吾市長に新型コロナで大きな影響を受けている飲食業界の苦境を強く訴え、市独自の支援策等を要望。三浦市長は「街の灯りを消さないように応援したい」と、国の第3次地方創生臨時交付金を活用して飲食業を重点的に支援する考えを伝えた。

 組合等では新型コロナ拡大防止のガイドラインを実践するなど最大限の取り組みを進めているが、長期化するコロナ禍で「想像を絶する甚大な影響を受けている。昨年に続き、再び11都道県に緊急事態宣言が発令され、ますます窮地に陥っている。飲食店すべてが感染拡大の原因であるような悪者のイメージが広がっており、このままでは店の持続はおろか、倒産、廃業することが目に見ている」と厳しい現状を説明。
 御坊市内には約400店あるが、書き入れ時の忘年会や新年会シーズンは客足が遠のき、売り上げは大きく減少。11都府県に緊急事態宣言が再発令され、対象に入っていない和歌山でも県民が宣言下の都府県と同様に飲食店の利用を控え、店も時短営業を余儀なくされているものの、時短営業協力店に出される国の協力金はない。組合員が高齢化する中で「この際、店を閉めるというところが出てくることが一番心配。御坊の街の灯りを消さないで」と苦境救済を訴えた。
 三浦市長に「国の協力金にあたる支援金や協力金のような市独自の支援策をお願いしたい」と要望。市長は「皆さんの苦境は十分承知している」とし、国の第3次地方創生臨時交付金1億6683万円を活用して「一番困っているところを重点的に支援できるよう担当部課長に検討を指示しているところ。市内に飲食店が多いことが、まちの魅力の一つにもなっており、街の灯りを消さないように、みんなで応援できる支援策を考えたい」と約束した。


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2020年分 コロナ禍、確定申告始まる 会場入場を制限、期限延長 〈2021年2月17日〉

2021年02月17日 08時30分00秒 | 記事


フェイスシールドとマスクを着用した職員が申告書作成をサポート


 コロナ禍のなか、2020年分の所得税などの確定申告の受付が16日から全国の税務署で始まった。今年は新型コロナウイルス対策として会場の混雑緩和へ所得税などの申告期限を従来の3月15日から4月15日まで延長したほか、整理券を発行して税務署内に開設した相談・申告書作成会場への来場者の入場を制限。御坊税務署でも入場者を30分につき8人に制限し、フェイスシールドとマスクを着用した職員が申告書作成をサポートした。相談・申告書作成会場は午前9時から午後4時まで。入場整理券は当日会場で配布しているほか、オンラインで事前発行している。

 御坊税務署では1階に相談・申告書作成会場を開設。例年、受付開始前から50人以上の納税者が詰めかけるが、コロナ禍の今年は約20人と少なめ。受付が始まると来場者に入場整理券が配られた。新型コロナウイルス対策として入口では来場者に検温を実施し、マスク着用と手指消毒を求めた。申告書作成会場は密を避けるため各種ブースを例年の6割程度に削減。午前9時から相談・手続きが始まると、フェイスシールドとマスクを着用した専属の職員が、必要な時以外は納税者と距離を保ちながら、提出書類を確認したり、申告書作成のパソコン入力、スマートフォンでの申告書作成などを親切、丁寧にサポートした。例年、初日は申告書作成に訪れる納税者で長蛇の列ができるが、入場を30分につき8人に制限していることや申告期限を1カ月延長していることもあり、例年のような混雑はなかった。御坊市の72歳の男性は「会場内は来場者が少なくて、コロナ禍でも安心して申告書を作成できました。パソコンの使い方がよく分からないので丁寧に教えていただいて助かります」、美浜町の70代男性も「入場を制限している上、換気もしていたので不安なく手続きをすることができました」、70代の由良町の女性は「入場まで1時間待ちですが、混雑しないのでうれしい」と話した。
 申告期限は当初、所得税、復興特別所得税、贈与税が3月15日、消費税、地方消費税(個人事業者)は3月31日までとなっていたが、緊急事態宣言の延長を受け4月15日まで期限を延ばした。入場整理券は当日会場で午前8時30分から配布するほか、国税庁のライン公式アカウントから事前取得できる。ラインでの申し込みは来場希望日の10日前から2日前まで。申告期限延長に伴い、御坊税務署の相談・申告書作成会場も4月15日まで設ける。御坊税務署では、ラインによる入場整理券の取得と、スマホートフォンやパソコンを利用しての申告書作成を呼びかけている。


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日高川町 コロナ支援商品券今月末まで

 

玄子小松原線 県道中津川バイパス供用開始  〈2021年2月16日〉

2021年02月16日 08時30分00秒 | 記事


川辺IC前に通じる2車線の快適なバイパス道路が供用を開始


 湯浅御坊道路の4車線化に伴うフルインター化が進む川辺IC前から、日高川町玄子地内に通じる県道玄子小松原線の中津川区間でバイパスが完成し、供用を開始した。同区間の約700メートルは、狭小で曲折が著しく対抗や大型車の通行が困難だった。フルインター化を前に2車線バイパスの完成で、日高川町の基幹県道でもある御坊美山線と川辺ICへのアクセスがより快適となった。平成24年度から約10年の歳月と5億3500万円を投じて念願の開通を迎えた。

 県道玄子小松原線は、御坊市北部から御坊湯浅道路の川辺IC前を経て、玄子地内で県道御坊美山線につながる。川辺ICから日高川を渡った和佐などの丹生地区方面や印南町、中津、美山方面などに向かう利用者も多いため交通量も多いが、幅員が約4メートルと狭いうえカーブが連続する交通の難所となっていた。
 玄子地内の御坊美山線との合流地点からの約300メートルは2車線道路に拡幅されていたが、同区間以西の中津川農業会館手前までの約800メートルが未改修区間だった。完成したバイパスは、既存道路南側の丘状になっている斜面やミカン畑を通り抜ける形で西に向かい、池の埋め立て地跡や中津川広場の北側を通る形で狭小区間の南側にショートカットする形で新設。中津川農業会館手前までを道幅5・5メートル(路肩を含め7メートル)、全長約690メートルの2車線道路で結んだ。
 農業会館西側から早藤方面に通じる2車線の農免道路もあるが、勾配が激しいうえに御坊美山線まで距離がある。中津川バイパスが完成したことで、川辺ICと日高川上流方面に通じる県道御坊美山線に接続する最短ルートにもなり、生活道路だけでなく、高速4車線化と川辺ICフル化と合わせて観光面などでも利便性が図られそうだ。
 バイパス区間は、拡幅済みの区間と同様に既存の道路を拡幅する改修も検討されたが、道路沿いに民家が点在。道路の線形からバイパスを新設するのが経済的にも最善と判断し、中津川区役員や地権者によるバイパス事業推進委員会などが実現を目指して平成24年度から設計と測量を開始した。玉置孝治委員長は「県当局はじめ町、地元地権者のご協力で立派なバイパスが完成した。町内各地と川辺ICを結ぶアクセス道路として生活に大いに活用できると地元として喜んでいます」と話した。


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