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御坊市がマイナンバー制度に向け個人情報保護対策で端末追加配備 〈2015年8月30日〉

2015年08月31日 08時30分00秒 | 記事

個人情報を扱う職員に端末を追加


 10月からすべての国民に通知され、来年1月から社会保障や税、災害対策の行政手続きで利用が始まるマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)に向け、御坊市は、個人情報保護対策で職員が使用する端末(パソコン)を増やし、漏えいのリスク軽減を図る。日本年金機構など個人情報漏えい事例を受け、市単独事業で漏えい防止対策を強化することにし、4日開会の9月定例議会に関連予算を提案する。
 
 マイナンバー制度は国民の利便性を高め、行政の効率化を図ろうと国が導入する。すべての国民一人ひとりに12けたの個人番号が指定され、指定された番号は原則として生涯変わらない。10月から番号の通知が始まり、来年1月から利用を開始する。国は導入のメリットとして(1)行政の効率化(2)国民の利便性の向上(3)公正・公平な社会の実現を挙げ、取り扱いには厳格な保護措置を設けているが、個人情報が漏れるなども危ぐされている。
 市は、住民基本台帳ネットワークシステムなど基幹系システムと、外部の不特定多数とつながる情報系システムを別々に運用している。職員には基本1人に1台の端末を配備しているが、基幹系端末が少ないことから一部業務で基幹系システム(データ)を他の情報系端末にコピーして業務を行っているのが現状。情報系端末に個人情報をコピーすれば漏えいのリスクが高まり、日本年金機構や一部自治体での漏えい事例もこれが原因と言われている。
 マイナンバー制度に伴う特定個人情報を保護するためにも漏えい防止対策は必要不可欠。国が全国自治体に「既存の住民基本台帳システムがインターネットを介して不特定多数の外部と通信ができないように対策すべき」と通知したことも踏まえ、業務系端末を新たに30台購入する。健康福祉課に14台、税務課に5台、市民課と国民年金課に各3台、社会福祉課に2台を配備(3台は予備用)し、基幹系と情報系の端末を分けることで漏えいのリスク軽減を図る。
 9月定例議会に提案する今年度一般会計補正予算に市単で端末購入費390万円、業務用端末ソフトウエア購入費117万円、情報化関連機器保守委託費12万円など関係予算636万円を計上した。このほか、職員のマイナンバー収集等に伴う人事給与システムと財務会計システムの改修費98万円、カード裏面印字システム保守委託など25万円も計上している。
 条例ではマイナンバーの通知カード、個人番号カードの再交付に必要な手数料を設定した条例改正案を提案する。通知カードは紙製で10月に全国民に送付。個人番号カードはICチップの付いたカードで来年1以降に希望者に交付。初回は無料だが、紛失などで再交付時は通知カードが1枚500円、個人番号カードは1枚800円に設定した。


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御坊市津波対協で名屋、新町に1基ずつ避難タワー建設決定 〈2015年8月29日〉

2015年08月29日 08時30分00秒 | 記事

協議会でタワー建設方針を提示


 御坊市は27日、市役所で第2回南海トラフ巨大地震津波対策検討協議会を開き、県の南海トラフ巨大地震に伴う「津波避難困難地域」の指定を受けた名新地区(面積35・5ヘクタール、人口1209人)の対策について避難困難者約1200人を収容するため、名屋、新町両地区に津波避難タワーを1基ずつ建設する方針を提示した。委員から特に異論はなく、年内にも場所を選定し、平成29年度事業化を視野に計画をまとめる。
 
 協議会は柏木市長を会長に関係部課長5人、消防長、消防団代表1人、名新地区代表3人、同地区の自主防災組織代表7人、自主防災組織「防災女性の会」代表1人で構成し、県と日高振興局がオブザーバーで参加。避難困難地域に指定された地域のうち、薗の一部は日高川堤防沿いに今春完成した市内第1号の津波避難タワーでカバーできるとし、今回は名新地区の対策がメーンとなる。
 会議では担当課長ら4人でつくる作業部会の検討結果を報告。避難速度(毎分21メートル)や垂直避難時間(3分)など避難可能距離をもとに「名屋地区、新町地区の2カ所に整備するのが合理的で現実的」との基本方針を提示。施設の規模(最上階の避難ステージ面積、1人0・5平方メートルで計算)は名屋地区が避難困難者数約500人収容可能な約270平方メートル、新町地区が約700人収容可能な約350平方メートルを目安とした。
 必要となる敷地面積は名屋地区が450平方メートル以上、新町地区が590平方メートル以上とした。基本的に予算の必要な民間用地の購入は考えておらず、市有地で選定する方針。候補地としては名屋地区が名屋公園(敷地面積980平方メートル)、新町地区は旧さざなみ保育園(同823平方メートル)が挙がっており、今後、作業部会でより具体的な施設の規模などを検討した上で早ければ年内に場所を選定し、協議会に提示する。
 委員から「100人、300人規模の避難訓練を何度も行っているが、ビルの3階まで全員が避難するのに3分では無理」「費用を抑えるのは分かるが、一人でも多くの命を救うことを考えてほしい」「高齢者や障害者が長時間、屋根のないタワーで過ごすのはつらい。屋根があり、備蓄できる施設整備を考えてほしい」「避難困難者で移転希望者は優先的に市営住宅に入居できるとか、高台に市営住宅を建設するなども考えるべき」などの意見があった。
 国の南海トラフ巨大地震特別措置法に基づく有利な補助金を活用する場合は5カ年の津波避難対策緊急事業計画を策定する必要があり、着手時期は早くて平成29年度になりそう。建設には1基で億単位の費用がかかるため、3カ年計画で進める予定。津波避難タワー建設のほか、名新地区にある民間ビル2カ所程度を緊急避難施設に指定することも検討している。


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印南中生徒が貴重な防災資料「かめや板壁」解読に取り組む 〈2015年8月28日〉

2015年08月28日 08時30分00秒 | 記事

保管されている「かめや板壁」

解読に取り組む印南中生徒


 平成21年3月11日の東日本大震災以降、全国的に過去の被害を教訓とし、津波避難などに生かそうとの取り組みで災害記念碑などが見直されているが、印南町のいなみっ子交流センターに保管されている安政の大地震(1854年11月4日)の際の津波の様子や高い所への逃げるよう記した「かめや板壁」の原文の解読に印南中生徒が取り組み、現代文への解読を終えた。

 「かめや板壁」は、同町印南の本郷地区あった吉田家の藏の板壁に津波の被害などが記されていたもので、昭和26年に蔵を取り壊す際に、貴重な資料だと郷土史家の小谷緑草、中田宇南両氏が書かれた板を取り外し保存するとともに解読して紙に記した。その後、地元の人達の目に触れることなく、存在を知る人がほとんどいなくなっていた。2年前に内閣府の調査団が同町を訪れた際に同町文化協会長の坂下緋美さんが「かめや板壁」を見せたところ「貴重なものだ」と調査団のメンバーも興味を示したという。随行していた町学習支援員で印南中に勤務する(当時は印南中教諭)阪本尚生さん(60)も板壁を初めて見て「すごくインパクトがあった」と言う。
 同校3年生有志が継続して取り組んでいる津波研究で今年のメンバーが「かめや板壁」の調べ学習を行うことになり、阪本さんの指導で書かれた文字を読み取る作業などに取り組み、県立文書館の協力を得てこのほど解読を完了。板壁には「以下のように書き残しておきます」とし「十一月四日には、城(要害山)に大津波が押し寄せてきて、川口より(印南橋の)橋詰めまですべてが流れ、家は八幡様(宇杉八幡社)の前まで流されました。坂本や本郷の家はすべて流れ、その時私たちは東宮の上へ逃げましたがまことに苦労しました」と当時の状況のほか「さて、津波は百八十年ごとに来るといわれ、また前兆もあります。その時には何もかも出して高いところへ上がりなさい」と高台へ避難するよう呼びかけ、最後に「以上のことはなにぶん大事なことなので、こうして書き残しておきます」と記している。
 阪本さんは「とても貴重なもの。先人が体験を伝えようとして残してくれたもの。自分たちがそれを災害時に生かすとともにしっかり受け止め次の世代に伝える必要がある。災害情報として共有するためにも目に触れることが大事。新庁舎に展示するなどすれば防災意識も高まるのではないか」と貴重な資料の有効活用を呼びかけている。


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日高町の西山で標識、放したアサギマダラが台湾に飛来確認 〈2015年8月27日〉

2015年08月27日 08時30分00秒 | 記事

台湾で撮影された西山の標識が入ったアサギマダラ


 平成25年10月に日高町の西山で標識をいれ、放したアサギマダラが、同年11月に台湾へ渡っていたことが去る19日に分かった。西山から国外への飛来確認は、平成23年の香港に続く2例目。研究者や愛好家が増えてきており、国外例の確認も増加傾向だが、まだまだ珍しい。西山はアサギマダラの通るルートとして注目されており、関係者は「自然の素晴らしさを再発見する一つのきっかけとなってほしい」と話している。

 アサギマダラ(Parantica sita)はタテハチョウ科マダラチョウ亜科に属し、前羽の長さが4~6センチのチョウ。日本列島では春には北上し、秋には南下するという大規模な季節移動をしながら、世代交代を繰り返す。
 国内のアサギマダラの移動の謎を調べる取り組みは、昭和58年6月に故・日浦勇氏(当時大阪市立自然史博物館学芸課長)が、自然史博物館友の会会員に呼びかけて始めたのがきっかけ。今では全国各地の研究者や愛好家が「マーキング調査」を行っている。
 調査は網で捕獲したアサギマダラの羽にマーク(標識)を入れて、放つ。マークしたことによって、その個体が別の場所で捕獲されたとき、いつ・どこで・だれがマークしたのかがわかり、個体の移動距離・移動日数・移動方向などがわかる。
 移動距離は朝鮮半島や中国、台湾などアジアの国外にも越えることがあると言われ、データとして残る報告例は最近5、6年で増えてきているが、年に5、6件とまだまだ少ない。
 そんな中、今回、西山から平成25年10月13日に日高町の崎山孝也さん(日高町職員)が西山で標識を付けたアサギマダラが、11月2日に台湾北部にある新北市万里区野柳村の野柳岬でセンダングサに止まっているのを、陳治釣さんが撮影。移動距離にして1619キロだった。
 西山から海外へ飛んだ確認例は日本最長、世界第2位の移動距離を記録した、平成23年10月10日から、12月31日の香港島深水湾まで82日間かけて2500キロに渡る旅をした以来。撮影者から台北市立大學の陳健志さん、李信徳さんに伝わり、蝶の標識から探していたところ、日本の研究者に画像が送られ、研究者らの間で交換するメーリングリストやフェイスブックで情報が伝わり、今月19日に崎山さんが自筆のマークだと確認した。
 例年、西山には9月下旬からアサギマダラが飛来し始め、10月中旬にピークを迎える。特にヒヨドリバナに好んで飛来すると言われ、西山に多く群生している。研究者や愛好家の中ではアサギマダラの中継点として西山の注目度は高いという。
 日高町では毎年10月に町教育委員会が小学生の自然観察会を催しており、崎山さんは「参加する子どもたちにとっても期待が膨らむ情報となったのではないか。これからも西山の自然の素晴らしさに興味を持ってもらえれば」と話している。


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全国中学柔道女子44キロ級で久保井仁菜さん(松洋中)準優勝 〈2015年8月26日〉

2015年08月26日 08時30分00秒 | 記事

全国2位と大健闘の久保井さん


 第46回全国中学校柔道大会はこのほど北海道函館市の函館アリーナであり、女子44キロ級に出場した松洋3年、久保井仁菜さん(14)=147センチ、44キロ=は決勝で惜しくも敗れ優勝はならなかったものの女子の部で管内勢初となる準優勝と大健闘した。優勝をめざしていたので悔しい結果とも言えるが「高校でもすぐに活躍できるよう技のバリエーションを増やすなど練習に励みたい」と意欲的で、目標の5年後に開催の東京オリンピックに向けてさらなる飛躍が期待される。

 大会は17日から20日まで開かれ、女子個人戦は大会3日目の19日にあり、女子44キロ級は全国各地の予選を勝ち抜いた48人がトーナメント戦で競った。久保井さんは、不戦勝で2回戦から登場。初戦の大石さん(佐賀)との2回戦は、開始1分で得意の寝技に持ち込み、横四方固めで1本勝ち。3回戦の岩瀬さん(千葉)にも縦四方固めの抑え込み1本で順当に勝ち上がった。
 準々決勝は中水流さん(東京)と対戦。相手が指導を受け、終始攻め続けた久保井さんが優勢勝ちし準決勝へ。準決勝でも落ち着いた試合運びで得意の寝技に持ち込む時を狙い、残り40秒余りのところで寝技に持ち込み、肩固めの抑え込みで見事1本勝ちを収めた。
 決勝は昨年2年生ながら40キロ級を制し今大会44キロ級で連続優勝をめざす古賀さん(福岡)との対戦となった。大内刈りを得意とする古賀さんとは今年3月に練習試合で1度対戦し、大内刈りで有効を取られ敗れており雪辱を期して臨んだ。「大内刈りを決められないよう万全の対策をとった」と言うように大内刈りを封じ込め互角の戦いを進めたが、開始1分過ぎにかけ逃げで取られた指導が決め手となり悔しい優勢負けを喫した。久保井さんは「指導を取られたことで少し焦ってしまった。優勝をめざしていたので悔しさはあるが、チームメート、試合前のアップでの打ち込みなどに付き合ってくれた(双子の浩太君)兄のお陰でここまでこれた。みんなの声援が大きな力になった」と中学生最後の大会を振り返った。平成3年から始まった女子の部で44キロ級を含む全階級で決勝進出は県勢では久保井さんが3人目、管内では初めて。
 当面の目標は、15歳以上18歳未満を対象に全柔連が開催する来年の全日本カデ柔道体重別選手権大会への出場で「選抜され出場し活躍したい」。高校に向けては「高校からは関節技も使えるようになる。得意の寝技に磨きをかけるとともに立ち技など技のバリエーションを増やし、1年生から活躍できるようこれまで以上に練習に励みたい」とし、5年後の東京オリンピックについては「出場めざし頑張りたい」と目を輝かせた。
 松洋中からは女子70キロ級に角惟茉莉さん(3年)も出場。1回戦は江口さん(佐賀)と対戦し、技ありを奪い優勢勝ち。2回戦で朝飛さん(神奈川)に内股を決められ1本負けした。松洋は女子団体にも出場。予選リーグで白山笠間(石川)と大成(愛知)と対戦。白山大成に1-2、大成に0-3で敗れ、決勝トーナメント進出はならなかった。


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御坊市花火大会に5万人 〈2015年8月25日〉

2015年08月25日 08時30分00秒 | 記事

スターマイン、水上自爆の共演

夜空を飾る仕掛け花火


 日高地方の晩夏を飾る御坊市花火大会は22日、日高川河川敷で行われ、今年も「子どもに夢を!」を合い言葉に2400発の大輪の花を夜空に打ち上げた。好天に恵まれ、会場やその周辺には5万人(主催者発表)の見物人が集まった。大玉25発の乱れ打ちや仕掛け花火などが次々と打ち上げられ、見物人から歓声や拍手がわき起こり、クライマックスの水上自爆60発とスターマインの共演に酔いしれた。

 花火大会は見物客のカウントダウンで午後8時にスタート。「御坊市花火大会」の文字が入った仕掛け花火を皮切りに、色とりどりに趣向を凝らした花火が間隔を置かずに次々と夜空に打ち上げられた。上空は風もあり、煙がうまく流れて中断することもほとんどなかった。大玉の連発など迫力満点の花火に堤防道路などに集まった大勢の見物人から「すごい」「きれい」と歓声やどよめきがあがった。
 クライマックスの水上自爆とスターマインの共演では、ボルテージは最高潮に達し、見物人は「今年の花火も最高やった」と満足げだった。会場周辺には浴衣姿の若者、家族連れらが詰めかけ、人でごった返し、堤防道路の露店もにぎわった。実行委員会は「多くの市民の皆さんのご協力、ご支援で今年も盛大に開催でき、無事に終了したことに感謝とお礼を申し上げます」とした。
 運営費は打ち上げ費用など1300万円。基金は残っているが、1年でも長く継続させるため、市の運営補助90万円を除いた約1200万円を目標に企業や各種団体に協賛金を呼びかけ、315団体、75町内会、個人510人から総額1070万9629円(14日現在)集まった。


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御坊市道路維持委託制度の自治会支援好評で残り3枠 〈2015年8月23日〉

2015年08月24日 08時30分00秒 | 記事

委託制度を活用し除草作業(写真は北野口区)


 御坊市は、市が管理する道路を自治会(町内会、区)が修繕する際にコンクリートなど材料費や燃料費の全額または一部を市が負担する「道路等維持修繕業務委託実施要綱」を設け、7月から申請受け付けを始めた。5万円を上限に予算100万円を用意したが、すでに17自治会が申請し、残りは3枠15万円。年数回の道路維持作業を実施している自治会もあるが、これまで市の支援はなかっただけに好評を得ている。県下的にも珍しい取り組みで今後、注目されそう。

 地域によっては農作業等で利用する道路を年数回点検し、穴が空いているなど簡易な修繕個所が見つかれば「道づくり」「道普請」と称して自分たちで修繕しているほか、各地域で道路沿いの草刈り作業などをボランティアで行っており、以前から「市から材料費ぐらい出してほしい」との要望が出ていたが、これまで自治会を支援する制度がなかった。
 市が管理する市道などの修繕は本来は市がやるべき事業で、危険性や緊急性の高い個所のうち、簡易な修繕については職員が行っていたが、なかなか手が回らないこともあり、道路を円滑に管理するために自治会による維持修繕を手助けできる方策を検討し、今年度から道路等維持修繕業務委託制度を設け、当初予算で委託費100万円を計上。実施要綱を作成し、7月1日から申請の受け付けを始めた。
 対象は市が管理する道路(市道)や法定外公共物(里道・水路)、町内会等が認める公衆の用に供する道路など。自治会に委託の形を取り、かかった費用のうち、コンクリートやアスファルトなど材料費、草刈り機など燃料費を市が支援するもので、委託費は1契約につき5万円を上限に定めた。労務費や飲食費には使えない。
 申請は自治会単位で受け付け、原則先着順に委託しており、これまでに北野口区、上野口区、加尾区、出島区、楠井区、上野区、第一紀小竹会、丸山区、野島区、古森区、明神川区、岩内区、学園前、中財部交友会、上富安区、南塩屋区、祓井戸区の17自治会から申請があり、いずれも上限5万円で委託。内容は道路の除草作業が多いが、道路の舗装や側溝、水路の修繕などもあり、自治会から「支援があるのはありがたい」と好評を得ている。
 残りは3枠15万円で近く埋まると見られるが、枠が残った場合は2回目の申請を考えている自治会も複数あるため、年度内に予算を使い切るのは確実。議会から「非常に良い取り組みで、申請が多ければ予算の増額も考えてほしい」との要望もある。市は「自分たちの道は自分たちで守る、という意識を持っていただけるのはうれしい」とし、予算増額等は「今年度の実績を見て検討したい」としている。


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改修の南山競技場(日高川町)に合宿殺到 〈2015年8月22日〉

2015年08月22日 08時30分00秒 | 記事

今月3~6日には約150人の高校生が
南山競技場で合宿を行った


 人工芝生化や全天候型舗装など、開場以来初の大規模改修を行った日高川町の南山陸上競技場に、改修後、県外からの合宿利用者が殺到している。陸上競技だけでなく、人工芝生化に伴って改修前は利用が少なかったアメリカンフットボールやサッカーなどでの利用もあり、夏休み期間中はほとんど空きのない状況が続いている。大阪府内から100人を超す高校生が数日間利用するなど、町内宿泊施設の利用増にもつながっており、経済面でも相乗効果が現れている。

 同公園初の大改修は、日高川町が平成25年度から3年度で総額約9億円を投入。本部棟の新築や駐車場のアスファルト舗装を皮切りに競技場のインフィールドをサッカーなどで使用可能な超ロングパイルとよばれる人工芝に整備。走路や投てきスペース、走幅跳の走路などを天候に左右されない全天候型のフルウレタン化を施した。
 人工芝生化などの整備が終わり、一般向けの利用開始以降、町ではスポーツ専用の合宿などを招致する企業と連携して利用をPR。7月は、31日のうち27日で2047人が利用したほか8月に入ってからは県外の高校生や大学生の合宿利用で連日にぎわっている。
 インターハイで県内に宿泊した高校生らが練習場として利用したほか、8月3日からは関大北陽高校(大阪府)など4校の陸上部員145人が4日間、同7日からは兵庫県の流通科学大学のアメリカンフットボールが4日間の合宿、同14日から兵庫県内の高校サッカー部が3日間の合宿を行うなど、改装前には利用が少なかった競技の利用者にも人気を集めている。
 合宿で利用する団体は、町内のきのくに中津荘やかわべテニス公園宿泊棟に宿泊することから、経済面での相乗効果も大きい。日高川町教育委員会では「夏場だけではなく、マラソンなど冬場の合宿誘致などにも力を入れ、1年を通して合宿などで利用してもらえるようにPR活動を行っていきたい」と話している。


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殺人未遂事件で17歳男子高校生逮捕 〈2015年8月21日〉

2015年08月21日 08時30分00秒 | 記事

事件があった細田さん宅

現場を調べる警察官


 母と祖母を刃物で刺し、母を殺害しようとしたとして御坊警察署は20日午前11時53分、男子高校生(17)を殺人未遂の疑いで逮捕した。少年は110番通報し、2人は病院に搬送されたが、いずれも意識はあり、命に別条はない。少年は容疑を認めているという。

 少年は母親を殺害しようと、20日午前3時20分ごろ、御坊市塩屋町北塩屋、無職細田幸子さん(82)方で、幸子さんと同居している団体職員の有子さん(46)の2人を刃物ような物で刺した疑い。
 調べによると、1階のトイレに行った幸子さんをトイレ内で胸部を刺した後、幸子さんと同じ寝室でうつぶせの状態で寝ていた有子さんの腰を刺した。腰部刺創の障害を負わせた。長男は、有子さんの悲鳴で目を覚まし、2人を発見し通報したとのことだったが、その後の調べで長男の犯行とわかり、殺人未遂の疑いで逮捕した。
 1階の台所には、犯行に使った文化包丁(全長約30センチ)が落ちていた。
 警察は、犯行の状況や動機などについて詳しく調べている。


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地域おこし協力隊4人が日高川町に着任 〈2015年8月20日〉

2015年08月20日 08時30分00秒 | 記事

産品販売などで、町農林産物の流通や
販売促進支援に携わる隊員の小山さん


 総務省が財政支援して、都市など地域外の人材を自治体が雇用し、地域の活性化に取り組む「地域おこし協力隊」の4人が、日高地方では唯一、日高川町で活動を始めた。今週には4人目となる20代の女性隊員が着任。3年以内の間、町に定住し、町の臨時職員として移住や都市交流、観光資源を活用した活動などに取り組む。町おこしに新しい風を吹き込むとともに、活動後も町に定住して就業や起業できるよう町も期待を寄せている。

「地域おこし協力隊」は、都会を離れて地方で生活することを希望する40歳以下の若者を、地方自治体が隊員として委嘱。地域産業や生活支援などの活動に従事しながら、定住を図る取り組み。日高川町では1年以上3年以下の間、町の臨時職員として町長が任用。給与は月額17万円で、給与や活動旅費などほぼ全額を国が負担している。
 日高川町では、3年間の活動後も定住する意思のある隊員4人を募集。全国から15人の応募などがあり、今年1月から滋賀県の20代男性隊員が寒川に移住して、活動をスタートした。4月には同地内に静岡県の20代男性隊員、6月には兵庫県の30歳代女性隊員、今月17日からは大阪府出身の吉田彩乃さん(26)が着任。隊員4人がそろい、それぞれの分野で活動している。
 寒川地区で活動の男性隊員2人は、役場寒川出張所に在籍し、特産シイタケの産地化やホタル祭りの復活、間伐材の有効利用などに従事。女性隊員2人は役場本庁企画政策課に在籍し、移住や交流、定住推進の支援はじめ、観光イベントや産品販売所の運営などの観光と地域資源活用の支援にあたる。
 兵庫県三田市出身で、福島県の観光PR活動などに携わった経験のある小山美由紀さん(36)は、6月に着任。町内に親せきがおり、小さい頃から特産のミカンを食べていたのがきっかけで日高川町の隊員に応募した。着任後、友好都市の大阪泉大津市で産品販売などに同行したり、産品所の振興協議会などにも参加し、町の観光や特産品の販路拡大に向けた活動を続けている。2カ月が経ち、小山さんは「地名なども覚えて、仕事にも慣れてきました。町の皆さんが優しく、多くの人に助けてもらっています。来る前は町のことをあまり知らなかったが、自然が豊かで元気のある人が多い。町の人に喜んでもらえるような役にたつ仕事を一緒にやっていきたい」と話す。活動予定の3年間で「町に来るきっかけにもなった大好きなミカンを使った新しい加工品を開発するのが目標。町の生活研究グループの皆さんと一緒に頑張りたい」と意欲を見せている。


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