29日に開いた対策地域協議会で事業者を選定
御坊市は29日、児童虐待防止緊急対策で国の事業を活用して8月から開始する「支援対象児童等見守り強化事業」の実施事業者に子ども食堂等の活動を行っている「NPO法人フードバンク和歌山」=古賀敬教理事長、湯川町財部=を選定した。コロナ禍で継続的に見守りフォローが必要な支援対象児童が急増しており、対象家庭への宅食や学習支援、生活指導支援を行うことで虐待防止、必要な支援につなげていく。
コロナ禍で家族が家にいる時間が増えたことで全国的に子どもの見ている前で夫婦げんかをする「面前DV」が増加。面前DVは子どもへの心理的虐待に当たるが、子どもへの暴力(身体的虐待)が同時に行われている場合もあり、国が児童虐待・DV対策で支援対象児童等見守り強化事業を始めた。
御坊市内でも面前DVなど警察から児童相談所への通告が増加し、市が26日現在で把握している継続的に見守りフォローが必要な支援対象児童は48世帯97人(未就学児34、小学生38、中学生12、その他13)。令和2年度12世帯31人、元年度8世帯24人から3~4倍に急増し、深刻なケースも数件あるという。児童相談件数も2年度53件107人で、元年度24件36人に比べて大幅に増えている。
緊急対策として8月から支援対象児童等見守り強化事業を始めるのに伴い、事業実施事業者を公募。2事業者の応募があり、29日に開いた関係機関や専門家で構成する市要保護児童対策地域協議会で審査し、生活困窮者や支援団体等へ食料品等を無償提供したり、子ども食堂やフードドライブ等の活動を行っているNPO法人フードバンク和歌山を選定した。
支援対象児童の中から同協議会が対象者を選定し、宅食(夕食の弁当配達)や学習支援、生活指導支援を行う。宅食は40人を想定し、当日の学校給食とは別メニューでバランスのとれた弁当をつくり、支援員が週2回訪問して直接手渡しする。学習支援は20人を想定し、フードバンク和歌山が用意する場所で学校講師や元教師らが土・日曜日や長期休業中の平日に行う。生活指導支援は宅食と同じ40人を想定し、電話やLINEで常時相談を受け付けたり、チェックシートを用いて定期的に状況を確認する。事業費は約650万円(すべて国費)。実施期間は来年3月末まで。
対象児童の選定など準備が必要なため、実際に事業を始めるのは盆過ぎになりそう。市社会福祉課は「コロナ禍で児童虐待のリスクが高まっており、事業を通じて支援ニーズの高い子どもを見守り、必要な支援につなげたい」としている。
その他の主なニュース
● ゆら早生発祥の地(三尾川)に記念石碑建立
● スポーツ吹矢国際OPテレ大会 紀の国ごぼう宮子姫支部の堂代和孝さん優勝
● 由良町職員を停職処分
● いなみシニア学園 国民文化祭に向け折り鶴アート完成