紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

県が23日、御坊市で統合型リゾート(IR)の基本構想説明会 開催 〈2019年4月25日〉

2019年04月25日 08時30分00秒 | 記事

 県がIR施設基本構想を説明


 県は23日、御坊商工会館で統合型リゾート(IR)説明会を開き、市内外から130人が参加。横山達伸・県企画政策局長が、昨年10月に策定した県IR基本構想改訂版をもとに県が目指しているIR構想の概要、海外の事例、IRが地域にもたらす経済効果、ギャンブル依存症対策などを説明した。説明会は県民の理解を深めようと、県下7会場で順次開いている。

 IRは単なるカジノホテルではなく、さまざまな施設が一体となった複合的な観光集客施設で「雇用創出のほか、観光振興や財政改善に寄与し、地域活性化につながる」と説明。日本で認められるカジノ施設の規模はIR施設延べ床面積の3%以下、施設は民間事業者による民設民営で、国が設置するカジノ管理委員会による徹底的な信用調査を経た「クリーンな企業のみが事業を行える」とした。
 県の基本構想ではすぐに着工可能な「和歌山マリーナシティ」を候補地に国際的な学会や会議が開催可能な会議場、世界的なスポーツ大会などが開催可能な全天候型多目的アリーナ、客室2500室を有するハイグレードなラグジュアリーホテル、魅力発信施設などを想定。投資意向調査で海外IR事業者7社からショッピングモールやテーマパーク、劇場などの提案もあり、県が試算した投資額2799億円を上回っているという。
 IR来場者数は年間約400万人、建設投資総額約2800億円、経済波及効果年間約3000億円、雇用創出効果約2万人を見込み、経済波及効果では農林水産業約18億円、飲食サービス約246億円、商業約126億円、飲食飲料等約50億円などを挙げている。また、県にはカジノ収益の納付金で年間210億円、入場料収入で年間73億円が入ると見込み、観光・地域経済の振興、社会福祉の増進、教育・文化芸術の振興などに充てる考え。
 IR設置により和歌山全体が発展していくための仕組みとして、来訪者を県内に誘導する仕組みづくりやIRカードを用いた地域振興策、県内観光地へのパックツアーや体験型観光の提案、IR施設で消費する物・サービス等の地元優先調達、多面的なスポーツ振興策、既存観光資源と連携した長期滞在型観光の推進などに取り組む。
 ギャンブル依存症対策では世界初の試みとなる現金をチャージしてカジノでプレイするIRカードを導入。利用上限額を設定することで使いすぎのリスクを回避したり、利用者がいくら使ったか、どのような賭け方をしているかを一元管理するなどのメリットがあるという。予防教育やドレスコート、依存症対策専門員の設置などの対策も進める。
 2025年の大阪万博にあわせ、日本で最も早い2024年開業を目標に、今後は基本方針作成、実施方針策定、IR事業者の公募・選定、区域整備計画の作成、国への認定申請へと進め、国が法律で明記した認定3カ所(上限)入りを目指す。


 その他の主なニュース

 JR御坊駅に観光PR看板登場

 日高町道高家中央線改良。天満井橋架け替え今秋着工

 JA紀州 移動スーパー「とくし丸」にAED搭載

日高高校 SGHベトナム研修を日高町商工会で報告