瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

ハウステンボス雑感

2006年02月26日 12時55分30秒 | ハウステンボス雑感
2003年2月26日…今から3年前の今日、ハウステンボスは『会社更生法』の適用を申請、ぶっちゃけ倒産致しました。

という訳で本日は、その頃ヤフー掲示板ハウステンボストピに、私が投稿した文章を紹介致します。
本当は恥しいんで出したくないなぁと思わなくも無いんですが…ぶち切れてて文章滅茶苦茶だし若いし。(苦笑)
↓でも言ってますが、ぶち切れた原因は、某コメンテーターの発言。
実際には此の方の発言に対してだけでなく、ハウステンボス倒産を巡る、一連のマスコミ報道に有ったんですが。
「何も知らない、行った事も無い人間が、偉そうな口叩くな!」みたいなね…実際、何も知らない方々が、軽々しくした発言のお陰で、ハウステンボスはもう倒産しましたー営業しておりませーんと思い込んでる人も多いっつう…まったく被害甚大で御座います。(苦笑)

元々の文章があまりにも怒ってたんで、多少柔らか目に修正してはいますが、筋は敢えて変えてません。
或る意味、文章を自分が本格的に投稿し出す切っ掛けでも有ったし(こんな事で…)、ハウステンボスへの自分の思いが、最も込められてる様な気もするんで、ブログ上でも発表しとこうかとね。





ハウステンボス倒産時、某番組の席上で、或る女性コメンテーターが、こんな様な発言をしてくれました。

「大体、オランダの真似なんかするからいけないんですよ。本物に敵う訳無いじゃないですか。」

…誠に遺憾ながら、世間一般から認識されてるハウステンボスは、この女性コメンテーター同様、「オランダのパクリ」、巷に溢れる「外国村」の1つといった感じです。

確かに、中世オランダの建造物を模倣している訳だから、否定出来ない部分も有りますよ?
ただ「外国の真似しては駄目、だって本物には敵わないから。」と言うなら…じゃあ、元々中国「長安」の建造物&都市計画を模して造られた「京都」はどうなのでしょう?

794年遷都~数えて1200年以上の歴史有る街ですが、外国の真似してるから「駄目」で、本物には「敵わない」と言うのでしょうか?
「東京」だって、「札幌」だって、元は外国の都市を模して造られた街ですよ。
日本だけでなく、アメリカだってヨーロッパ真似して都市造ったし、ヨーロッパだってイスラム・エジプト文化から影響受けたし、もっと辿って行きゃ古代アフリカ文明からとか、そんな所まで行くという…切り無いですよ。

本物に敵う訳が無い?
本物って何?
在った物をアレンジして、より良い物に改良してく…当り前にやってる事だと思うんですがね。
良い物・意思を受け継ぎ育み、そして後世に伝える――人の歴史とは元来、そいった積み重ねであるんじゃないでしょうかね?

こうゆうのは「パクリ」とは違うと思うんですよ。
まぁ「パロディー」と「パクリ」の線引きは、今一難しくは有るんですがね~。(汗)


世の中に「完全なオリジナル」というのは無いんです。

どんなに個性的に見えても、必ず何か元にしている物事が有るでしょう。

「個性が無けりゃ、意味が無い。」――巷賑わすこの考え方は、或る意味「人民皆平等」っつう民主主義の弊害…格差が無いと自分を確立出来ないじゃないかってな焦りから生れてる気がします。

良いじゃないですか「普通」!
『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』なんか、「普通」が受けて国民的大ヒット飛ばしたんじゃないですか。


さてさて、ハウステンボスは何故洋風(というかオランダですが)建造物で構築されたのか?
日本なのだから日本の伝統的建造物にすれば良かったではないかと、それでも考える方が居られるんではないかと。


理由は大きく2つ有る、と考えています。


1つ目は、日本の伝統的木造建造物は、後世まで残し難いという事。

木造だから、火に弱い――明治時代、新政府が明治5年に起きた「銀座の大火事」を発端にして、火に強い西洋的な都市のモデルとなる様、「銀座煉瓦街」の建設に当ったのと同じ理由が、ハウステンボス計画時にも働いたと考えられませんでしょうか?
千年も続く街を造る、というのは伊達で言ってる訳じゃない――この街を訪れた事の有る人ならば解る筈。

2つ目は、鎖国政策を執っていた江戸期に、唯一開港していた長崎は、諸外国と接する中で、自然と異国文化が染み付いて行った…という事。
長崎行って驚いた事なんですが、「和菓子」が他の地域に較べて極端に少ないんですよね。
日本全国何処へ行っても有ると思われた、小豆餡の入った「饅頭」が無い、「団子」も無い(いや、勿論少しは有りますが…)。
この地で歴史有る有名な菓子って、「カステラ」みたいな洋風菓子ばっかなんですな。(若しくは中華か)

「和華蘭(わからん)」――これは長崎料理の特徴を指しての言葉だそうだけど、長崎文化全体をも指してる様な気がします。
和=日本、華=中華、蘭=(オランダを筆頭とした)西洋…3つの文化が混ざり合い、出来たのが長崎独特の郷土文化。
そんな長崎に「外国の建造物は日本の中において不自然だから、日本の建造物にして下さい」と言われても困るだけ、だって長崎にとっちゃ却って不自然なんだもの。
西洋文化が自然に溶け込んでる長崎の地に洋風建造物が並ぶのは、むしろ当り前の事なんだとお感じになられませんでしょうか?(単に「オランダ村」が前身になってるからかもしれんけど…)


未来を見据えて、オランダの街造りを手本にしたのには、私も賛成致します。
オランダは国土の3分の1以上を干拓して造り上げた、半(?)人工国です。
明治期、日本の河川工事の多くは、オランダの土木技師達の指導により行われたそうです(技師達の中にエッシャーの父君が居られたというのはおまけの話)。
環境と文化の両立をテーマに掲げるハウステンボスにとっては、最良の「お手本国家」と言えるんじゃないでしょか。
ハウステンボスが、中世オランダの歴史建造物を忠実に再現したのには、そんなオランダの歴史・文化に対して、敬意を表しての事からだと思われます。


和歌山県白浜町に、「ホテル川久」と言う名のホテルが在ります。
ハウステンボス同様、建材を外国から取り寄せて、外国の城を模して建てた様な、テンボス同様倒産してしまった高級ホテルなんですが(未だ営業はしております…そんなトコまで似ている)。
これまたテンボス同様、バブル弾ける直前に建てたもんだから、オープン当初から経営危機が叫ばれてたんですな。
けれどそこのオーナーが、こんな様な事を言ったそうなんですよ。

「戦後建てられた日本の建造物の中で、どれだけ後世永きに渡ってまで残る物が在るだろう?――住む人は残らずとも、手間暇惜しまずに造られた建物は、後々まで残るだろう。」

…いや勿論、「その為なら、倒産しても構わない」と続く訳ではないと思いますが…戦後の建造物、特に「東京オリンピック」前後の昭和30年代頃のって、やたら手抜き工事して出来てる物が多いじゃないですか。
千年どころか、50年も保たないんじゃないか?ってな位の…今度震度5以上の地震が来たら即アウトだな、みたいなね…阪神大震災であれだけ酷い被害が出たのも、多くは欠陥工事が原因に有るんじゃ?と言われてるそうで。
昭和40年以降に建てられた物だって怪しいんですけどね…。


所で長崎の有名観光地といえば「グラバー園」が在りますが――日本最古の洋館「グラバー邸」を中心とし、現存する洋館群を纏めて、庭園で囲んだ場所です。
「長崎来たからには、此処を訪ねなくっちゃ嘘でしょー」とばかりに観光された人も多い筈…でも、もしも此処が今の時代に出来たばかりの建造物だとしたら、観光して来ようという気になりましたでしょうか?
ならなかった…とするなら…何故でしょう?
歴史が無いからでしょうかね?

だけどどんな歴史的建造物でも、建てられた当初はピカピカの「新品」だった訳ですよ。
フランスの1大観光地「ヴェルサイユ宮殿」だって、最初はフランス国民の「血税」によって建てられた、当時の民衆にとっては唯の「無駄遣いな公共建造物」…それが現在はフランス国民の自慢、観光客も惜しまず金を落としてくれるドル箱(ユーロ箱か?)。
ハウステンボスは今年で14年目(もう直ぐお誕生日~♪)、建物の色味も大分良い感じになって来ております。
後40年もすれば風格有る「街」となるでしょう。――此処は未だ、誕生すらしていないのです。


そうは言っても、地元長崎の人達からすれば、「遠い未来よりも今を何とかして欲しい。綺麗事ぬかしてたって結局倒産してりゃ世話無いよ。なら最初から造らなきゃ良かった。そしたら無駄に金も使わずに済んだ」と考えてしまうのは致し方の無い事で。
長崎外の私には、本当は偉そうに意見する権利なぞ無いのですが(つってしてますね)。(汗)

でも、もしハウステンボスを造らずに、あのまま放っといたとしたらどうなってたでしょうか?


本来あそこは、工業団地用に造成された土地でしたが、工場誘致に失敗、その後行政側が持て余した挙句に放っぽらかしにしていた「草木も生えぬ死んだ土地」だったそうです。
そのまま更に放っといたら…大村湾は確実に死んでました。
漁業を営む人は大打撃を受けてたでしょう。
加えて地元経済は緩やかに後退し続け、ただ過疎化が進むのみだったでしょう。


ではハウステンボスが出来てから、自然は本当に浄化されて行ってるのか?
私が最初にハウステンボスに来た時、大村湾はもっと黒かった気がします。
最初は潮の影響から、自然とそんな色になってるのだろうと考えてたんですがね…年毎に来て撮った写真を較べて見て…少しづつ碧味が増してるなぁと。
もしオープン当初~現在まで、此処の海の写真を撮り続けている方が居られましたら、ちょっと最初の頃と今の写真を較べて見て欲しいのですが…。
以前関東付近で不漁だった時も、大村湾では豊漁だったっつう事が有ったんですよ。

東北の某大規模温泉リゾートエリア――1つの温泉郷を丸ごと1つの会社が買い取って発展させ、今じゃ観光地として名を馳せた場所が在ります。
でもそこだって名を馳せるまでの間に、規模の大きさ故に維持出来ず破産、周辺住民から非難轟々の毎日だったっつう歴史も有ったそうです。

大きな計画程、一朝一夕には成立しないもの。
長崎の方々、否さ九州の方々、これからもハウステンボスを、なるべく温かい眼差しで見守ってあげて行って下さい。

何時か日本有数の観光地に…なるかも…しれない。(汗)




…忘れもしない3年前の2/26、私、ハウステンボスに丁度行って帰って来たんですよ。(汗)
帰って、TV点けたら…「ハウステンボス倒産です」なんてニュースが流れてね……ショックだったなー。(遠)

当時の投稿文では怒りのあまり、番組名まで(伏字にしたとはいえ)明らかにしてたんですよね。(苦笑)
今回は流石に控えました、武士の情けで。(まぁヤフー掲示板では出してんですがね)(笑)


このコメンテーターさん、本物だっつうオランダの街は、何もモデルにせず造られてるとでも考えてるのだろうか?
…だとしたら、ちと浅はかだと思うよ。(苦笑)

個性個性と声高に叫ぶ人程、個性が無く感じられるのは何故だろうか?と、意地悪く。(笑)


そんでですねー、また予定変えて申し訳無いんですが(汗)、3/25がハウステンボスの誕生日(オープン日)なんですね~。

それに伴い、まったりさんを始め、全国のハウステンボスファンが、オフ会を3/25にハウステンボスで行うという事なので、その宣伝含めて3/25までハウステンボス特集を続行致します。

詳細はまったりさんのブログにて…近隣に住んで居られる方、宜しければこの機会にどうぞ御参加下さいませ。(礼)(←オフ会無事終了との事で、貼り付けてたリンクは外させて頂きました。)

丁度連載裏話をしようかな~と考えてもいたんで、都合良いよなと。(笑)
そんな訳で3/25まで連載裏話です…連載途中からどうにも疲れて説明不足になってしまったきらいが有ったんで…てゆーか補足説明?


後、3/1~3/5までブログお休みします。
実は、3/3~3/5までまたハウステンボスに行く予定なんで。(恥笑)
3/1、3/2は、出掛ける前に残業予定なんで、多分書けない…。(汗)
3/3夕方~行くんですよ、ええ。

帰って来て連載話訂正したりもすると思いますんで(恐らく、間違ってるとことか、チョコチョコ有るだろうし…)、連載終ったんなら読み出すかな~と考えてる方がもしも居られましたら、3/25以降に読んだ方が良いですよと言っとく。(笑)

修正は3/25まで…それ以降は、余程の間違い無い限り致しませんので。(笑)


写真の説明~、今は無き(涙)、気球『ルフティーバルーン』から観た春のニュースタッド…広場真ん中に在るのは、女神アフロディーテの噴水。
コメント (6)
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