瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

2017年、クリスマスには歌を歌おう♪その6

2017年12月26日 21時55分23秒 | クリスマス
はぁい♪ミス・メリーよ♪
日本のクリスマスは12月24、25日で終了~!だけど、本当のクリスマスはまだまだ続くよ何処までも…そこまでは行かないけど、本来のクリスマスは、12月25日午前零時から、年を越して1月6日を迎える迄の、十二夜を指すの。
という訳でメリーの記事も、こっからが本番よ♪
12月26日はイギリス等で「ボクシング・デー」と呼ばれ、クリスマスを祝う事が出来なかった家に贈り物をする習慣が有るのよ。
「少年&青年漫画に登場するクリスマス・ストーリー」、第6夜目はボクシング・デーに語るのにぴったりなお話を、「死神くん」の中より紹介するわ!

「死神くん」は1983~1990年にかけ、集英社発行「月刊フレッシュジャンプ」と「月刊少年ジャンプ」に連載されてた漫画。
シュールギャグ漫画「ついでにとんちんかん」で人気を博した、えんどコイチ氏の陰の名作と呼ばれてるわ。
魂を冥界へ連れて行くお役目の「死神くん」が、毎回異なる登場人物に生き方を諭し、(基本的には)昇天させるっていうヒューマン・ドラマなの。
以前、嵐の大野君主演で、テレビドラマ化したわね。
今回紹介する話は「死神くん」4巻に収録されている、「本物サンタクロース」の巻♪

或る所に胸の病気を長い事患ってる少年が居たの。
クリスマスの3日前の夜、自宅のベッドで眠っていたその少年は、見知らぬ小僧に起こされ目を覚ました。
宙を飛び窓から入って来た小僧は、パリッとした背広に蝶ネクタイに帽子という、宛ら笑うセールスマン…もとい、セールスマンみたいな格好。
不思議な小僧が少年に、「しにがみNo.404」とプリントされた名刺を差し出す。
小僧は少年に、自分は死神で、死期が近付いてる者の元へ訪れ、あの世に魂を連れて行くのが仕事だと説明。
「君の命は後3日だよ」…辛い事実を告げられても、少年は取り乱したりせず、淡々と受け止めたの。
まだいたいけな年頃の内に、天に召してしまうなんて、神様も残酷な方ね。
死神小僧も同情が湧いたのかしら?少年に「生きてる間、何かしたい事が有れば、叶えてあげる」って約束したの。
「3日後といえば、クリスマスだね…」
それなら――「サンタクロースに会いたい」と、少年は死神に願ったわ。

場所は変わって、と或る大きな御屋敷では、超お金持ちとして有名な藤本老人が、不機嫌な顔で医師の診察を受けていた。
やがて診察が終わり、医師と看護婦が帰るや、主人が居る寝室の外で待機していた大勢の人達が、蜂の巣をつついた様に噂話を始めたの。
「そろそろ会長は危ないらしい…!」
「亡くなった後、遺産は誰に渡るのか!?」
「会社の年間利益が数百億、個人資産だけでも現金二百億!」
「屋敷に広大な土地、国内外に幾つも有る別荘…」
「コレクションの宝石や美術品だって何百億分も有るぞ!」
「全て金に換えたら一体何千億になるだろう…?」
含み笑いも混じって、ついつい喋り声が大きくなる人達。
隣室で主人が死にかけてるってのに、不謹慎な方々ねェ~。
扉を隔てても聞こえて来る不快なお喋りに、藤本会長の顔は益々不機嫌になってった。
「どいつもこいつも金目当てに集まりやがって…わしゃ絶対に死なんぞっ!!」
死の淵に立ちながら尚、力強く決心する会長、その彼の前に奇妙な格好をした小僧が、ふわ~りと宙に現れたの。
小僧のくせにパリッとした背広に蝶ネクタイに帽子という、小洒落たファッション…って、さっき少年の所に訪れた死神と同じ格好ね、でも別の小僧だわ。
「おまえは誰だ!?」
会長に恐~~い顔で睨まれても、小僧は少しも臆さず、笑顔で「死神No.413」とプリントされた名刺を差し出したの。
――彼こそが、この作品の主人公、「死神くん」!
死神くんは藤本会長に、「後3日の命だ」って告げに来たんですって。
後3日って、さっきの少年と同じ期限ね…2人とも楽しいクリスマスに可哀想…。

翌朝、藤本会長の御屋敷は、主人が突然お亡くなりになった事で、てんやわんやの大騒ぎ。
…あら?会長って確か「後3日の命」って告知されてた筈だけど、亡くなっちゃったの!?
予想より早い主人の死に右往左往する人達を、御屋敷の上空から見下ろす死神くんと会長…良く見ると会長の体からは、魂の尾っぽが伸びてるわ。
ここでネタ晴らし!予定より早い死は、死神くんと取引する事で、会長自身が仕組んだの。
会長は、2日後に生き返る事を条件に、一先ず仮死状態にして貰い、その間、遺産を相続するのに相応しい人物を選び出そうと目論んだのよ。
で、復活後に自身の口から相続人の名を告げて、予定通り3日目の朝、美しく昇天しようって計画らしいわ。
会長の脱け殻が横たわるベッド脇には、宛らダイイング・メッセージの如く、「2日待て」との自筆メモが――2日待ったら一体何が起きると言うのか?
不可解なメッセージを読んだ周囲の人達は、一様に首を傾げる…しかし会長の遺言(?)とあらば、現状のまま2日間待とうと決めたもよう。
つまり2日間は通夜も葬式も火葬場送りもしないで待ってるって事ね、御遺体が腐り難い冬で良かったわァ。
さて、2日の間は皆で和やかに御茶でも飲んでましょ~って訳には行かない。
生前、会長が有り余る資産を、誰にどの様に分配するか公表しなかったもんだから、仁義無き遺産相続争いが勃発してしまったのよ!
え~と確か法律では、妻に財産の2分の1、残りを兄弟で分け合う事になってた筈だけど、何せ莫大な量と額だから…
しかも会長、奥様の影が見えないって事は、先立たれてるのかしら?
そういう状況で、先ず3人の息子達がもめ出した。
3人とも少しでも自分の取り分を増やそうと、生前会長が大切にしていた宝石や美術品や諸々を、この際売っ払って換金してしまおうって点では意見が一致。
で、3人でどう分けるか争ってるそこへ、今度は孫達がやって来たんだけど、誰も会長の死を悼む事無く、お金が自分達の懐にも入るのかが気になる様子。
生前超ウルトラドケチだった会長は、孫達にまで嫌われてたのね。
更に、会長に金を借してたって言う親戚一同やら、自称生き別れの妹の老婆やら、会長の子を孕んだから認知してくれって言う妊婦やら、ツケ代払えって飲み屋の親父やらが集まって、現場はもう滅茶苦茶に混乱!
屋敷で働く人達まで組合を結成し、この好機に出来るだけ多くの退職金を勝ち取ろうと蜂起する様を上空から見ていた会長の血圧は、グングン急上昇したの。(死んでるのに)
すっかり人間不信になってしまう会長…身から出た錆とはいえ、誰にも死を悲しんで貰えないのは哀れね…。
そこで死神くんは、「相続したい人が居ないなら、いっそ世の中で苦労している人達に寄付したらどうか?」って、会長にアドバイスしたのよ。
例えば、病気や事故に遭い苦しんでる人…身寄りの無い子供や老人…人間だけでなく、動物や環境や歴史的建造物にだって良い。
寄付金で救えるかもしれない物や事って、探せばごまんと在るものね。
でも生憎、会長にはボランティア精神ゼロ!
「一代で苦労して築き上げた財産を無関係の奴等にくれてやった所で御礼も期待出来ない!!」なーんてぬかすのよ!
……こっちの爺ィはもっと早くお迎えが来れば良かったのに。
「使い途が無ければ金なんてゴミになるしかない!!」
「他人に遣われるくらいなら溝に棄てた方がマシ!!」
日本の上空で死神くんと会長が激しい火花を散らしている横を、1人のサンタクロースが忙し気に通り過ぎてった。
――と思ったら、サンタじゃなくって、先刻少年の家を訪れた死神くんNo.404号じゃないの!
死神くんNo.413号も彼に気付いて、死神くんNo.404号に「何をしてるんだ」って尋ねたわ。
そしたら死神くんNo.404号は照れ笑いして、「或る少年との約束で、サンタクロース役を演じようとしているとこだ」って答えたの。(死神くん死神くんって紛らわしいわね…)
成る程ねェ、あの少年「死ぬ前にサンタクロースに会いたい!」って、切ない願いを口にしてたものね。
死神の目にも涙…でも404号くん、白い髭も生えてないし、見た目的にサンタクロースを演じるのは無理っぽそう。
どうせなら会長の方が、性格は兎も角、白い髭も生やしており、見た目的にピッタリ…すると死神くんNo.413号がハタと思い付いたのよ――会長にサンタクロース役をやらせようって!
勿論会長は大いに嫌がったわ、「今の自分は魂のみだから他人には姿も見えず声も聞こえず、こんなんでサンタ務まるか~ざ~んねん!!」とかゴネ捲り、対してNo.413号くんも「自分達死神は魂を操れるから全然問題無いんだぞ~!!」と負けずに押し返した。
No.413号くんは、最後の切り札に会長との契約を持ち出し、「あんたの願いを聞いてやったからには、今度はオレの言う事を聞いて貰うぞ!」と強制的にサンタ役を引き受けさせたの。

渋々了承した会長は、クリスマス・イブにサンタの格好で、あの少年の家を訪ねた。
お願いした通りサンタクロースに会えた少年は大喜び!
片やサンタ役の会長は、相変わらずムスッと不機嫌顔…ちょっとー!約束したんだから、ちゃんと演じなさいよー!
窓から見守ってる2人の死神くんも、あんなのに任せて大丈夫なのかと不安でしょーがない。
しかもここに来て重大なミス発覚、少年に渡すプレゼントを用意するの忘れてたんですって!
もう!何の為のサンタクロースよ!?
でも少年はガッカリしたりせず、「プレゼントが無いなら、自分とキャッチボールして遊んで!」って頼んだの…健気ねェ、メリー、ほろりと泣けちゃう。
そんな健気な少年相手に、嫌そうな態度を隠さないサンタ(会長)。
けれどキャッチボールをやってる内に、いつの間にか本気になって遊んでたの。
幼い頃から病弱で父親とキャッチボールして遊ぶ事も無かったって少年が言ってたけど、もしかしたら会長も誰かと遊んだ経験無いまま大人になったのかも知れないわ。
孤独な人生が彼の心をこんなにも頑なにしてしまったのね…。

童心に返って暫し少年とのキャッチボールを楽しんだ会長…でもふと我に返った瞬間、年甲斐も無く子供と本気で遊んだ事が恥ずかしくなり、腹いせに自分はサンタクロースではないとバラしてしまう。
ところが少年は、その事実を聞かされても、笑顔で答えたの。
「サンタクロースが作り話なのは解ってる。
 クリスマスにプレゼントをくれるのはパパとママ。
 けれど、おじさんは無関係の他人のボクの所に来てくれたじゃない。
 ボクのために…なら、やっぱり本物のサンタクロースだよ!!」
嬉し涙を溢して「有難う」と胸に飛び込む少年を、しっかり抱き留める会長の目にも涙…窓から顛末を見届けた死神くん2人は、ニッコリ笑い合ったの。

翌朝、自宅の御屋敷で甦った会長は、驚愕する一族郎党、立会人、弁護士等の前で、今から遺言を公表すると宣言。
その内容は、「屋敷に有る美術品は世界各国の美術館に寄付。宝石等の貴金属類を全て金に換えた上で、自分の全財産を世界中に寄付する」というものだった。

綺麗さっぱり片付け終えた会長は、死神くんが告知した通り、クリスマスの朝、あの世へと旅立ってった。
死神くんNo.413号に連れられての道すがら、会長の魂は、同じく死神くんNo.404号に連れられる少年の魂と再会。
「おじさんとそっくりなサンタに会った事が有る」と話し掛けて来た少年に、会長は照れながら「わしもサンタが居ると信じてる」と答えたの。
2人の死神くんに導かれ、仲良く天へ昇る2人の魂…下界の街ではサンタクロースが、子供達に笑顔を振り撒いてた。

…不朽の名作「クリスマス・キャロル」を思い出させるよな良いお話ね。
スクルージおじさん同様、会長も根は悪い人じゃなかったのよ。
孤独を愛する人も、誰かと繋がりたくなるクリスマス。
貴方の持ち物が、他人との繋がりを、叶えてくれるかもしれないわ。

ここで今夜のクリスマス・ソングを紹介――「Must Be Santa」!
作詞者はウィリアム・フレデリックス、作曲者はハル・ムーア、ボブ・ディランが歌うバージョンが特に有名ね。
繰り返しのレスポンスがテンポ良く、とっても楽しいの♪
ちなみに歌詞に出て来る「ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン、コメット、キューピッド、ドンダー、ブリツェン」は、サンタクロースのそりを牽く8頭のトナカイの名前。(ルドルフはまだ登場前なの)
歌はこちらを参考にしてね!
それじゃあまた、明日もメリーと一緒にクリスマス・ソングを歌いましょ♪



【Must Be Santa(それはサンタ)】




Who's got a beard that's long and white♪
Santa's got a beard that's long and white♪
Who comes around on a special night♪
Santa comes around on a special night♪
Special night♪
Beard that's white♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪ Santa Claus♪

Who wears boots and a suit of red♪
Santa wears boots and a suit of red♪
Who wears a long cap on his head♪
Santa wears a long cap on his head♪
Cap on head♪
Suit that's red♪
Special night♪
Beard that's white♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪ Santa Claus♪

Who's got a big red cherry nose♪
Santa's got a big red cherry nose♪
Who laughs this way HO HO HO♪
Santa laughs this way HO HO HO♪
HO HO HO♪
Cherry nose♪
Cap on head♪
Suit that's red♪
Special night♪
Beard that's white♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪ Santa Claus♪

Who very soon will come our way♪
Santa very soon will come our way♪
Eight little reindeer pull his sleigh♪
Santa's little reindeer pull his sleigh♪
Reindeer sleigh♪
Come our way♪
HO HO HO♪
Cherry nose♪
Cap on head♪
Suit that's red♪
Special night♪
Beard that's white♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪
Santa Claus♪

Dasher Dancer Prancer Vixen♪
Comet Cupid Donner Blitzen♪
Dasher Dancer Prancer Vixen♪
Comet Cupid Donner Blitzen♪
Reindeer sleigh♪
Come our way♪
HO HO HO♪
Cherry nose♪
Cap on head♪
Suit that's red♪
Special night♪
Beard that's white♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪
Must be Santa♪ Santa Claus~~~♪


【訳】
誰の髭が長くて白い?
サンタの髭が長くて白い
誰が特別な夜にやって来る?
サンタが特別な夜にやって来る
特別な夜
白い髭
それはサンタ
それはサンタ
それはサンタ サンタクロースに違いない

誰が赤いブーツと服を着てる?
サンタが赤いブーツと服を着てる
誰が長い帽子を被ってる?
サンタが長い帽子を被ってる
帽子を被ってる
赤い服
特別な夜
白い髭
それはサンタ
それはサンタ
それはサンタ サンタクロースに違いない

誰の鼻が赤くて大きい?
サンタの鼻が赤くて大きい
誰がホー、ホー、ホーって笑う?
サンタがホー、ホー、ホーって笑う
ホー、ホー、ホーって笑う
赤い鼻
帽子を被ってる
赤い服
特別な夜
白い髭
それはサンタ
それはサンタ
それはサンタ サンタクロースに違いない

誰がもう直やって来る?
サンタがもう直やって来る
8頭のトナカイがソリを牽いて
サンタのトナカイがソリを牽いて
トナカイが牽くソリ
もう直やって来る
ホー、ホー、ホーって笑う
赤い鼻
帽子を被ってる
赤い服
特別な夜
白い髭
それはサンタ
それはサンタ
それはサンタ サンタクロースに違いない

ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン
コメット、キューピッド、ドンダー、ブリツェン
ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン
コメット、キューピッド、ドンダー、ブリツェン
トナカイが牽くソリ
もう直やって来る
ホー、ホー、ホーって笑う
赤い鼻
帽子を被ってる
赤い服
特別な夜
白い髭
それはサンタ
それはサンタ
それはサンタ サンタクロースに違いない



…こんばんは、びょりです。
昨日はメリークリスマスを言い忘れた事に気付きました…今更ですがメリークリスマス。
死神くん、ジャンプ連載前に、少年チャンピオンで、プロトタイプ的な読み切り作品を読んだ覚えが…作者はチャンピオンからジャンプに移籍して正解でしたな。
メジャーになりたいなら雑誌を選べって事か…小山田いく氏もジャンプに移籍してれば今頃…。

今夜の写真は、今年我が家で食べたクリスマス・ケーキ。
Suicaペンギンサンタ、チョコの蓋が被さってるというデザインでした。




コメント
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