瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

2017年、クリスマスには歌を歌おう♪その9

2017年12月29日 23時55分55秒 | クリスマス
はぁい♪ミス・メリーよ♪
毎年恒例の様に質問してるけど、皆は今年を締め括る大掃除を済ませたかしら?
「忘れてた!今からやる!」って掃除機引っ張り出したそこの人!待って!今日は止めときなさい!
今日は29日、「二重苦」に繋がり縁起が悪いと言って、仕事を避ける日よ。
おまけに今年の12月29日は寅の日で、仏滅と三隣亡が重なる超縁起悪い日なの。
寅、仏滅、三隣亡、と来れば、思い出す漫画が在るわね。
「少年&青年漫画に登場するクリスマス・ストーリー」、第9夜目は鬼門とされる方角「丑寅(うしとら)」が名前の由来な名コンビが活躍する作品、「うしおととら」より紹介するわ!

「うしおととら」は小学館発行の週刊少年サンデーに、1990年6号~1996年45号まで連載された妖怪伝奇アクション漫画で、原作者は藤田和日郎氏。
普通の中学生だった「蒼月潮(あおつき・うしお)」は、雷を操る大妖怪「とら」を封印する「獣の槍」を抜いた事により、妖怪退治の役目を負う。
獣の槍に導かれ、「とら」を相棒に、妖怪退治の旅に出る潮…その旅路は、やがて潮ととらの出生の秘密に関わる、最凶最悪の大妖怪「白面の者」との宿命の戦いへと続くのだった――
――というのが作品の主筋なんだけど、今回は「うしおととら外伝」コミックスに収録されてる、「プレゼント」を紹介するわ!

主人公である蒼月潮のクリスマスの思い出は暗い。
彼の実家はお寺で、お父さんは光覇明宗のお坊様という職業柄、年末年始は家に寄り付く間も無い忙しさ。
クリスマス・イブに仕事で息子を置いてく罪悪感からか、お父さんは子供だった潮に、間違ったクリスマス意識を植え付けた。
「クリスマスとは漢字で『苦理済ます』と表す。その日は己の心を独り切りで見詰める修行の日。修行しない子供の元へは恐ろしいサタンが来るのだ」と…それが誤りであると潮が気付いたのは、小学5年生になった頃だった。
真実を知ってからも、クリスマスは寺での留守番を言い付けられて来たせいで、潮のクリスマスへの思いは、かなり歪んでしまった。
…まるで「うる星やつら」に登場する竜之介の親父の様な非道ぶりねェ、お父さんったら罪悪感抱くのなら、プレゼントくらい渡してあげれば良かったのに。

そういう訳で今年のクリスマス・イブも潮は実家の寺で独りお留守番…けれど中学二年生になった今の彼には、知恵も体力も、留守番引き受けるのを条件にクソ親父から貰った金も有る。
おのれ親父!!今夜は今までクリスマスらしい事やって来なかった分、独りで超ゴージャスに盛り上がってやらぁぁぁ!!!と息巻く潮だった。
要するに潮君、本当はクリスマスにずっと憧れてて、ずっとお祝いしたかったのね。(笑)

学校が終わると潮は早速、街へ繰り出し、幼い頃の憂さを晴らす勢いでショッピングを楽しんだ。
子供の頃に欲しかった玩具に御馳走、サンタのコスチュームと思い付く限り買い込み、大きな袋に詰めて行く…大人買いするその様子を、妬まし気にジッと見詰める子供が居た。
その子の名前は「信太」、まだ小学生の彼もまた、クリスマスに歪んだ感情を抱いてた。

「サンタなんて空想だ…オモチャ会社のインボーさ!
 サンタが本当に居るなら、誰よりもクリスマスを楽しみにしてる妹のゆきの所に何で来ない?
 他の家では家族そろってケーキを食べるのに、何でオレとゆきは2人だけでレトルトカレーを食べなきゃいけないんだ?
 たくさん持ってるヤツの所にしか来ないサンタなんかキライだ!
 両親がいる家だけに来るクリスマスも大キライだ!!」

…信太君と妹のゆきちゃんには父親が居なくて、お母さんは毎晩遅くまで働いてるそうなの。
その為クリスマスだからって、特別な事は何も無かったんですって。
でも妹のゆきちゃんは、誰よりもクリスマスを楽しみにしていて、自分で描いたツリーの絵を飾り、来ないサンタを待って、穴の開いた靴下を吊り下げとくんだとか。
毎年クリスマスの朝、起きて空っぽの靴下を見ては溜め息を吐く妹の姿が切なくて…お兄ちゃんの信太君は今年こそ、ゆきちゃんの靴下をプレゼントで埋めてやろうと、自分の昼食代を貯めてまで、プレゼント代を作ったのよ。
その額2,300円…一体何日分お腹を減らして貯めたのかしら?
頑張って貯めたお金だったのに、信太君はそれを喧嘩してる最中に落としてしまったと言うの。
公園で、裕福そうな家の子供が、「サンタなんか居ない。クリスマスは親が子供に金をくれる日」って笑いながら話してた事にカチーンと来たのね。
気持ちは解るけど、馬鹿なお兄ちゃんねェ。

日が落ちて街灯が点った街中を、何組もの親子が笑顔で歩いて行く。
信太が見詰める玩具屋のショーウィンドゥには、妹のゆきが大好きなアニメに登場する変身ステッキが、税込み2,300円の値札付きで飾られていた。
2,300円…せっかく頑張って貯めたのに!…今の信太の手元には50円玉1枚切り、とても買えない。
然りとて家に手ぶらで帰る諦めもつかず、信太は駅前の植え込みに腰掛け、途方に暮れていた。
すると信太の前で、チャラそうな1組のカップルが、奇妙な噂話を口にした。

「お金が欲しければ、市立公園の使ってない噴水の横の排水口に、小銭を落とせば良い。
 『穴ボコさん』が百倍にして返してくれる」

…都市伝説?怪しさ半端ないけど、藁にもすがる思いでお金が欲しかった信太君は、その噂話に飛び付いたの。

人気の途絶えた夜の公園…水が枯れた噴水の側までやって来た信太は、握り締めていた50円玉に「百倍にしてください!!」と願を懸けてから、聞いた通りに排水口へ落とす。
夜の静寂に――ぽちゃーん…と響く水音…暫く待ったが何も起きず、信太は「やっぱりな…」と呟いた。
世の中そんなウマイ話が有るわけ無い…ガッカリしてその場を離れた信太の耳に――ちゃぽ…!という密かな水音が届く。
思わず足を止め、耳を澄ますと、静寂の中、「金やるよ~~~……」と、得体の知れない不気味な声が地の底から響き――ずるり…!!と排水口から異様な姿の獣が這い出て来た。

「だから……啖らわせろォォ…」

ギョロリと大きい眼に、大きく裂けた口の化物が、2本の腕だけで這いずり、信太の元へ近寄って来る…。
口の中には鋭くて長い歯が何本も生えていた。
信太の全身が恐怖でブルブル震える。
近寄る毎に化物は速度を増し、口から涎を垂れ流して飛び掛かって来た――

必死で逃げながら、信太はバチが当たったと考える。
楽してお金を貰おうと考えた自分に、神様が怒ったのだと。

「金やるよ~~…!」

化物が口から長い舌をでろりと伸ばし、5千円札を吐き出した。
信太の前に、唾液塗れの紙幣が、ぽとりと落とされる。
――5千円…それは信太が喉から手が出るほど欲しかった大金…これさえ有れば、ゆきに好きなオモチャを買ってやれる――信太の脳裏に、サンタを待ち焦がれる、ゆきの顔が浮かぶ――でも…でも…命には代えられねェ!食われちまったらプレゼントも買えないじゃねぇか…!!
信太が化物の顔目掛けて5千円札を投げた瞬間――長い黒髪にサンタの帽子を被った少年が、槍で一突きに化物を倒した。
それは大きな袋を背負ったサンタクロース、では勿論なく、獣の槍の継承者として悪い妖怪を退治する蒼月潮――
――流石ヒーロー!ピンチに駆け付けるなんて格好良いわv

「…槍が鳴るから来てみれば、やっぱり妖怪が現れてたか…おい、大丈夫か?」
襲われた恐怖と助かった安堵がいっぺんに訪れ、ショックで放心したままの信太を潮が気遣う。
長く靡いてた筈の彼の黒髪は、いつの間にか短く変わってた。

…妖怪を滅ぼす為に作られた獣の槍には、扱う者の育毛を促進する驚きの効果が認められてるの…っていうのは勿論ジョーク、獣の槍を使う事で空中から吸収する妖気が、髪の様に長く伸びて見えるわけね。

落ち着いた信太から、公園に来るまでの経緯を聞いた潮は、健気な兄妹愛に心を打たれ、自分の為に買った御馳走や玩具を、大きな袋ごと渡してしまう。
赤の他人の自分に、何故ここまで親切にしてくれるのか…?
「ひょっとして兄ちゃんってサンタ?」
信太にそう訊かれた潮はニッコリ笑って、自分が被っていたサンタ帽子を彼の頭に被せた。

「サンタって、どんなヤツだと思う?」
「…子供が、うれしいプレゼントをくれるヒト」
「なら、おまえにはサンタがちゃんと居るじゃねぇか?」
「え?」
「ゆきちゃんさ。…プレゼントされて、何が嬉しいか知ってるヤツが、サンタクロースなんだもんな」

潮の目線に促された信太が自分のポケットを探ると、妹のゆきが色紙で作ったプレゼントが入っていた。

家に帰った信太は、ゆきに「サンタから貰ったプレゼントだ」と言って、大きな袋から沢山のプレゼントを取り出した。
ケーキにチキンにジュースに玩具に縫いぐるみ…大喜びで御馳走を頬張りながら、ゆきは信太にこう言った。
「でも、おにいちゃん…ゆきには、サンタのぼうしをかぶり、大きなふくろをしょって、むかえにきてくれた、おにいちゃんこそ、サンタにみえたよ!」

一方の潮は、真っ暗で人気の無い自宅の前で、独り佇んでいた。
クリスマスだってのに、今年も変わらず独り切り、御馳走も何も無い…けど慣れてるし、気分は不思議と悪くない。
「後は雪でも降れば文句無しだ…」
そう呟いた潮に、サンタからのプレゼントか、空から雪が降って来る。
潮の家へと続く道の向こうからは、幼馴染みの麻子と真由子が、彼に届ける為の御馳走持って歩いて来ていた。


…本編中での潮の台詞、「欲しい物は皆持ってる」を思い出すわ。
持ってるからこそ、他人に分け与える事が出来るんでしょうね。
サンタクロースも居て欲しいけど、潮の様なヒーローも何処かに居て欲しいわ。
それにしても…この回のとら、メチャクチャ影薄いわね。(笑)
最初と最後にちょっとだけ出て何もしないって、かなり珍しい気がするわ。

さてここで今夜のクリスマスソングを紹介するわ!1957年にアメリカのシンガー・ソングライター、ボビー・ヘルムズが、自身が歌って発表した「Jingle Bell Rock」!
物語のテーマになってるサンタクロースの歌を紹介しようかとも思ったけど、今回サンタソングが続いてる事から敢えて外したの。
軽快なリズムは、ロックなのに耳に優しく響き、一度聴いたら忘れられない。
歌はこちらを参考にしてね!
また明日、メリーと一緒にクリスマス・ソングを歌いましょう♪



【Jingle Bell Rock(ジングルベル・ロック)】




Jingle bell♪ Jingle bell♪ Jingle bell rock♪
Jingle bells swing and jingle bells ring♪
Snowing and blowing up bushels of fun♪
Now the jingle hop has begun♪

Jingle bell♪ Jingle bell♪ Jingle bell rock♪
Jingle bells chime in jingle bell time♪
Dancing and prancing in Jingle bell square♪
In the frosty air♪

What a bright time♪ It's the right time♪
To rock the night away♪
Jingle bell time is a swell time♪
To go gliding in a one horse sleigh♪

Giddy up♪ Jingle horse♪ Pick up your feet♪
Jingle around the clock♪
Mix and mingle in the jingling beat♪
That's the jingle bell rock♪


What a bright time♪ It's the right time♪
To rock the night away♪
Jingle bell time is a swell time♪
To go gliding in a one horse sleigh♪

Giddy up♪ Jingle horse♪ Pick up your feet♪
Jingle around the clock♪
Mix and mingle in the jingling beat♪
That's the jingle bell♪
That's the jingle bell♪
That's the jingle bell rock♪


【訳】

ジングルベル ジングルベル ジングルベル・ロック
鈴が揺れて、鳴り響く
雪が降って、思いきり楽しもう
さあ、ジングルダンスの始まりだ

ジングルベル ジングルベル ジングルベル・ロック
ジングルベルの時間に鈴の音が始まりを知らせるよ
ジングルベル広場で踊って、跳ねよう
凍える外気の中で

なんて明るい時だろう、ぴったりの時間
夜を楽しむのにはね
ジングルベルタイムは素晴らしい時間
馬で引くソリ滑りをするよ

さあ走れ、ジングルの馬、調子を出すんだ
ぶっ通しで鈴を鳴らせ
ジングルビートに入り混じって
これがジングルベル
これがジングルベル
これがジングルベル・ロック


…こんばんは、びょりです。
2日続けての日付詐称申し訳無い…。
ほら、29日って事で休んだんですよ…嘘です。(汗)
今では不吉とされる三隣亡の日ですが、江戸時代の頃までは吉日だったって記録が残ってるとか。

今夜の写真は東京ドーム・シティの今年の冬のイルミネーション、今回はスイーツがテーマと言う事で、お菓子の家が建ってました。
でも本物のお菓子で作ってある訳じゃないのが残念…家の中には有名パティシェが手掛けた工芸菓子が展示してありました。

 



 



   


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