瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

2017年、クリスマスには歌を歌おう♪その8

2017年12月28日 23時55分46秒 | クリスマス
はぁい♪ミス・メリーよ♪
今年は日の並びが良く、長い冬休みを取れた人も居るでしょうね。
一方で、クリスマスも正月休みも関係無い!ってハードモードの人も居るかしら?
社会人だけでなく、受験生も、クリスマスだ~正月だ~って、浮かれてる場合じゃないわよね。
でも時には一息吐いて、クリスマスや正月くらいは、貴方の側に居る人にも目を向けて!
「少年&青年漫画に登場するクリスマス・ストーリー」、第8夜目は「すくらっぷ・ブック」より!

「すくらっぷ・ブック」は秋田書店発行の週刊少年チャンピオンに、1980年22号~1982年21号まで連載されてた漫画で、原作者の小山田いく氏は去年の3月23日に惜しまれつつ他界…って去年も取り上げたから御存知かしら?
でも仕方無いの、ここの元ブログ主にとっての特別枠だから。
そういう訳で去年も取り上げた「すくらっぷ・ブック」の中より、10巻に収録されてる第84話「クリスマス夜想」を、今夜は紹介するわ!

浅間山を背景に建つ学舎、長野県小諸市立芦ノ原中学校。
連載開始時2年7組だった、主人公の晴ボンこと「柏木晴」と、仲間達は、作中で1年経った事で3年7組に進級…灰色の受験生となったの。
例年なら楽しいだけのクリスマス・イブも、今年は一味違うビター・スイート。
特に晴ボンの親友で幼馴染みの「市野清文」君にとって、12月24日は志望校の入学願書受付日…クラスメイトに先んじて入学願書を提出しに、受験校を訪問しなきゃいけない日だった。
クラスメイトの「和泉美晴」ちゃんから「堂々と早退出来て羨ましい」なーんて言われ、市野君は「その分、皆より早く嫌な思いしなきゃならないんだぞ!」って、憂鬱な顔で返したの。
市野君が志望する信濃高専はハイレベル校で有名、その志望率の高さまでハイレベルときてる。
入学願書を提出してしまえば後には退けない、猛勉強でラストスパートだ――とにかく今の彼の頭の中は受験一色なのね。
今日がクリスマス・イブで、今夜は親しい仲間同士、去年の様に、クラスメイトの「五島かがり」ちゃん家の喫茶店「妖精館(アルフヘイム)」で、クリスマス・パーティーを開くって事も、脳内からすっぽり抜け落ちてるくらいだもの。
それどころか、自分の彼女に渡すプレゼントの事まで忘れてたのよ!
…けど持つべきものは親友ね、晴ボンは心得てて、市野君にプレゼントを買う為のお金を、こっそり借してくれたの。
そこへ「準備出来たか?」と、担任の「正木義明」先生が、市野君を呼びに来た。
中学生の彼らは、受験校を訪問する際、教師の引率が必要なのね。
市野君は正木先生に、自分以外の他で信濃高専を受ける生徒が居るのか訊いてみた。
そしたら正木先生、窓の下を指して市野君に言ったの。
「相棒はもう、お待ちかねだぞ!」
正木先生が示す校庭には、クラスメイトで市野君と晴ボンの親友、「坂口光明」君が立っていた。
「坂口が!?」「今まで一言もそんな事言ってなかったのに…!」
「彼は信濃高専建築科を受験する」と、正木先生に教えられた市野君と皆はビックリ!!
唯一先に知らされていた(実はもう1人居るんだけど)かがりちゃんは、「そういう事だ!」と言って悪戯っぽく笑い、市野君の背中を叩いて教室から送り出したの。

校庭で坂口君と対面した市野君は、「何で今まで黙ってたんだ?水くさい!」と口を尖らしたわ。
そんな市野君に、坂口君はニヤリと笑い、「夢に我武者羅に向かう、おまえと晴ボンを見てたら、釣られちまった。その意趣返しだ!」と答えたの。
…でも市野君、独りだけで受けるんじゃないって解り、心細さが無くなったみたい。
それも、親友の坂口君と一緒に頑張るんだもん、鬼に金棒の頼もしさよね!

振り返らずに前を向いて校門を出て行く2人の背中を、晴ボン達は見えなくなるまで見詰めてた。
信濃高専は同じ県内とはいえ、晴ボン達が住む町から、電車を数本乗り継いで行かなきゃ着かない距離に在るらしいの。
おまけに全寮制で、卒業まで5年間は通わなくちゃならない。
市野君だけでなく、坂口君とまで、5年間は離れ離れな事を思うと…特に親友の晴ボンは、2人から置いていかれる様な、酷く寂しい気持ちになったの。

その晩、晴ボン達は喫茶「妖精館」に集まり、クリスマス・パーティーの準備をしながら、市野君と坂口君の帰りを待ってた。
飾り付けをしている最中、晴ボンのライバル「小宮山雅一郎」君の彼女で、坂口君とは親戚同士のお隣さんな「日生香苗」ちゃんが、ボーッと星空を眺めてる市野君の彼女の「青木理美」ちゃんに気付き、どうしたのか声をかけた。(ああ、何て説明的な文章なの…)
そしたら理美ちゃん、寂しそうに笑って言ったの。
「星空を見てたら、自分達が受験生だって事が嘘みたいに思える。
 パッと振り向いたら、そこで市野君が笑って居て、自分達はまだ2年生のままだったりして…そうだったら、どんなに嬉しいか…」
…つまりは現実逃避なんだけど、恋人との別れを目前にして、不安と哀しみに揺れる乙女心、解らなくもないわ。
己の夢に一途な彼は、彼女の気持ちなんて二の次、皆と約束したクリスマス・パーティーにも遅刻する始末だし。
坂口君の彼女のかがりちゃんだって、理美ちゃんと立場は同じ…でも気丈な彼女は、「想像したって現実は変わらない」って理美ちゃんを窘めたわ。
そうね、逃げちゃ駄目、戦わなきゃ、現実と!
クリスマス・パーティーだってのに、今一盛り上らない雰囲気。
「…あいつらに、ここで待ってる2人の姿、見せてやりてぇなあ」
2人を待つ皆の気持ちを代弁するように、雅一郎君がポツリと呟いた。

陽がとっぷり暮れた頃、市野君と坂口君が、漸くパーティー会場に到着。
カララン♪とドア鈴を鳴らし、店に入って来た2人は、シャンパン・シャワーの大歓迎を受けた。
顔面にシャンパンをモロにぶっかけられ(お陰で坂口君は無事)、怒った市野君だったけど、晴ボンの恋人マッキーこと「迎麻紀」ちゃんから、逆に自分の恋人を放っぽって飛んでった薄情ぶりを叱られてしまう。
店内に市野君・坂口君の味方はゼロだから、分が悪いわね。(笑)
それでも市野君は、自分達だって少しは考えてるんだぞと、苦笑いで反論してみせた。
「帰り道の途中、坂口とも話したんだが…もし受かって寮に入っても、バイトして電車賃作って、毎週会いに来ようって…」
「…待てよ?何か最近も似たような台詞聞いた覚え有るぞ――あー!!そういえば先々週、理美ちゃんも市野と同じ事呟いてた!!」
「やだ!!雅一郎君、聞いてたの…!?」
市野君の言葉を聞いた雅一郎君が、重大な事実を思い出したかの様に大声を上げる――実は彼、先々週、理美ちゃんが自宅で「卒業して離れても、毎週1回は市野君に会いに行く」って独り言を呟いたのを、偶然盗み聴いてたの。
詳しくは9巻第82話「アルバムK・R」を参照ねvていうか、先々週からの伏線が、これで無事解消されたってわけ。(笑)
皆が居る前で雅一郎君に秘密をバラされた理美ちゃんの顔は、信州林檎みたいに真っ赤になっちゃった!
会場に漂うラブラブムードに当てられたマッキーは、マスターにシャンパンの追加をオーダーしたわ。(笑)
けど市野君も坂口君も、自分の夢に猪突猛進に見えて、その実ちゃんと彼女の事も考えてるって解って良かったv
卒業したら大人になるまで会えないかも~って不安がってた皆も一安心でしょ♪
偏差値高い学校通って、勉強とバイトを両立し、毎週彼女に会いに行く遠距離恋愛は、想像するより大変に思えるけど、メリーは若い2組のカップルの絆を信じてるわ!

パーティーが終わり、息を白くさせての帰り道、理美ちゃんは隣を歩く市野君に、「楽しいパーティーだったね!」と笑顔で話したの。
「案外それが…サンタクロースのプレゼントだったのかも知れないわね」
「そんなの…」――居るわけないって否定しようとして、市野君は止めた。
その代わり理美ちゃんに、マスターから貰ったクリスマス・カードを暫く見詰めて、自分が合図したら空を見るよう言ったの。
カードにはトナカイが牽くそりに乗ったサンタの絵が、カラーで印刷されてる。
ごく一般的な図柄のこのカードに何か仕掛けでも有るのか、理美ちゃんは不思議に思ったけど、市野君の言う通りジーーッて見たの。
暫く経ってから、市野君が空高くを指差し、理美ちゃんに合図した。

「そら、サンタクロースだ…!!」
「…あ!!」

理美ちゃんの目には、市野君が指した先に、トナカイのそりに乗って星空を駆けるサンタクロースの姿が、確かに見えた。
ひょっとしたらそれは、クリスマス・カードの絵が残像になって見えただけかもしれないけど…この日、理美ちゃんは、サンタクロースが本当に居るって信じたくなった。
市野君も、理美ちゃんにサンタクロースが居るって、信じさせたくなったの…。

日頃、非科学的なものを全否定する超現実主義者の市野君が、理美ちゃんの為にサンタクロースを見せてあげるシーンに、メリー、胸がジンと来ちゃった!
互いに思い合う2人ですもの、どんなに距離が離れていても、心は1つに繋がってるわよね!

さて、ここで今夜のクリスマス・ソングを紹介、アメリカ最古のクリスマス・ソングと言われる、「Up On The Housetop」!
ベンジャミン・ハンビーが作詞・作曲し、1864年に発表されたそうなの。
ジングルベル」は1857年の発表だけど、そっちは元々感謝祭の為に作られた歌だから、クリスマス・ソングとしては、こちらの方が古いのよ。
歌詞中のサンタクロースの呼び名が、ヨーロッパでの「セイント・ニック(聖ニコラウス)」な点に、歌の古式ゆかしさが醸されてる。
歌はこちらを参考にしてね♪
屋根の上のサンタクロース、貴方には見えるかしら?
また明日、メリーと一緒にクリスマス・ソングを歌いましょ♪



【Up On The Housetop(屋根の上で)】




HO HO HO♪
HO HO HO♪
HO HO HO HO HO HO HO HO♪

Up on the housetop reindeer pause♪
Out jumps good ol' Santa Claus♪
Down through the chimney with lots of toys♪
All for the little ones' Christmas joys♪

HO HO HO♪
Oh~♪ who wouldn't go♪
HO HO HO♪
who wouldn't go♪

Up on the housetop♪ click♪ click♪ click♪
Down through the chimney with good Saint Nick♪

First comes the stocking of little Nell♪
Oh dear Santa fill it well♪
Give her a dolly that laughs and cries♪
One that can open and shut its eyes♪

HO HO HO♪
who wouldn't go♪
HO HO HO♪
who wouldn't go

Up on the housetop♪ click♪ click♪ click♪
Down through the chimney with good Saint Nick♪


Look in the stocking of little Bill♪
Oh just see what a glorious fill♪
Here is a hammer and lots of tacks♪
A whistle and a ball and a whip that cracks♪

HO HO HO♪
who wouldn't go♪
HO HO HO♪
who wouldn't go♪

Up on the housetop♪ click♪ click♪ click♪
Down through the chimney with good Saint Nick♪


HO HO HO♪
who wouldn't go♪
HO HO HO♪
who wouldn't go♪

Up on the housetop♪ click♪ click♪ click♪
Down through the chimney with good Saint Nick♪

Down through the chimney with♪
good♪ Saint♪ Nick♪



【訳】

ホッホッホー♪
ホッホッホー♪
ホッホホホッホホホッホー♪

屋根の上で
トナカイを休ませて
サンタクロースが飛び降りて
沢山の玩具を抱えて煙突を通り、降りて来る
その全ては子供達の為のクリスマスのお楽しみ

ホッホッホー♪ 誰か行かないの?
ホッホッホー♪ 誰か行かないの?

屋根の上からコツコツと音をたてて
聖ニコラウスと一緒に煙突を通って降りてくればいいのに

最初はネルちゃんの靴下に近寄ってく
サンタさん、沢山入れてね
彼女には笑ったり泣いたり、目を開けたり閉じたりするお人形をあげよう

ホッホッホー♪ 誰か行かないの?
ホッホッホー♪ 誰か行かないの?

屋根の上からコツコツと音をたてて
聖ニコラウスと一緒に煙突を通って降りてくればいいのに


次にウィル君の靴下に近寄ってく
何て豪華な贈り物なんだ!
ハンマーと沢山の留め金とホイッスルとボールと
ピシッと音を立てる鞭をあげよう

ホッホッホー♪ 誰か行かないの?
ホッホッホー♪ 誰か行かないの?

屋根の上からコツコツと音をたてて
聖ニコラウスと一緒に煙突を通って降りてくればいいのに


ホッホッホー♪ 誰か行かないの?
ホッホッホー♪ 誰か行かないの?

屋根の上からコツコツと音をたてて
聖ニコラウスと一緒に煙突を通って降りてくればいいのに

聖ニコラウスと一緒に煙突を通って降りてくればいいのに



…こんばんは、びょりです。
日付詐称して申し訳無い、間に合いませんでした…!(ガックリ)
基本は1話完結スタイルの「すくらっぷ・ブック」ですが、5巻以降より受験編に突入、最終回までの縦軸として描かれています。
学校が離れ離れになるくらいで、今生の別れの様に大袈裟な…と読んでいて自分が思うのは、幸い遠距離恋愛の経験が無いからなのでしょう…。
出会いと同じ数だけ、別れが有るのよ♪(悲しみよ、こんにちは)

今夜の写真は、横浜赤レンガ倉庫のクリスマス・マーケットで、屋台の屋根に飾ってあったサンタクロース。
見ての通り、カレー等を販売する屋台でした。

コメント
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