千の天使がバスケットボールする

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NHKスペシャル「イラク それぞれの戦い」

2006-08-27 23:21:36 | Nonsense
7/30放映されたNHKスペシャル「同時3点ドキュメント第6回『イラク それぞれの闘い』は、テキサス州にある米軍基地、脱走兵が生活するカナダの島、そしてカリフォルニア州の町、エルカホンで暮らす亡命イラク人の家族を6月8日から数日間にかけて同時に取材したドキュメンタリーは、それぞれの立場から正義、平和、戦争、民主主義を考えさせられた。

【6/8 ケキサス州フォート・フッド基地】
現在、4万人の陸軍兵士を抱え、2万人の兵士をイラクに送り込んでいるフォート・フッド基地では、正午、イラクに支援物資を提供した企業や市民によるパーティがたけなわである。フセイン大統領を拘束し、ザルカフィを殺害したのが、この基地から旅立った兵士たちの”業績”であることは、市民の誇り。「アメリカは平和のために戦っている。そしてイラクに民主主義を確立しようと必死なのです。今こそ、市民は兵士を支えていかなければなりません。」とアメリカ陸軍協会会長のラルフ・ガウアー氏は語る。

【6/8 カナダ バンクーバーのガブリオラ島】
イラク戦争開始以来、米軍脱走兵は8000人にのぼると言われている。そのうちのひとり、ジョシュア・キー(27)さんは、元陸軍兵。イラクでの激しい戦いの最前線で8ヶ月戦ったが、戦争を拒否して妻と4人のこどもたちとともに、一時帰国を利用してカナダの反戦団体の保護を受け脱走した。「今も毎日イラクの戦場の悪夢をみる。私はまだイラクの悪夢から逃れられないでいる。」まだ若い彼だが、その表情は暗く精彩がない。彼のような脱走兵を支援し、励ます会が反戦団体によって度々催されるが、そうした会も寄付金も重ねるごとに縮小傾向にあるという。

【6/8 カリフォリニア州エルカホン】
この町では、旧フセイン大統領の弾圧から逃れてきた2万人の亡命イラク人が暮らしている。彼らが集う集会場では、イラク・バクダットの荒廃した様子が放映されている報道番組をじっとかたずをのんで見守る姿がある。「新政府のおかげで平和が戻る」と希望を抱く人もいれば、「人々の心は荒れ、経済や治安も悪化してあらゆるものが失われている」と感じる人もいる。

【6/9 フォート・フッド基地】
ラルフ・ガウアー氏は、陸軍博物館に入る。館内で最もスペースを設けているのがイラク戦争のコーナー。拘束された時のフセイン大統領の蝋人形のそばには、ピースサインをして笑うイラクの人々の写真がアメリカ正義の証拠として飾られている。「確かに大量破壊兵器はなかったが、平和は戻りつつある」とガウアー氏は自信をもっている。

【6/9 ガブリオラ島】
現在、日雇いの肉体労働で生活をしているジョシュア・キーさんは、家族を食べさせることすら困難だ。彼ははかって、時給800円の溶接工だったが、妻の妊娠をきっかけに大学への奨学金、安定した生活の保障を求めて軍の広告をみて志願した。転戦中、仲間のひとりが女の子を銃撃するのを目撃する。彼は単に銃を撃ちたくてうずうずしただけだあった。またある時は、切り落とされて地面に落ちていたイラク人の頭をサッカーボールのように蹴って遊ぶ兵士も見る。
1968年ベトナムのソンミ村虐殺事件は、その後の激しい反戦運動からベトナム撤退へとつながった。しかしベトナム戦争時、多くの脱走兵を難民として受け入れてきたカナダ難民委員会に、イラク戦争の非人道を訴えるが、難民として認められない。却下されれば、いずれ本国への強制送還が待っている。時代は移り変わり、大国アメリカと向き合う国で、彼だけでなく、難民として認定された脱走兵はひとりもいない。

【6/9 エルカホン】
イラクではテロはあいつぎ、宗派間の対立も激化。あるひとつのイラク人一家の家族会議がはじまっている。イラクで技術者として働いていた父のアリさんは、今こそ国家再建に尽くすために帰国すべきだと考えている。「祖国はかけがえない。」しかし米軍の通訳として現地に入ったことのある息子と娘は反対する。「イラクは、最悪だ」

【6/11 フォート・フッド基地】
基地の近くの協会では、イラクからの帰還兵を祝福する会が催されている。人々から祝福される一時帰還している兵士の顔立ちがあまりにも若い。日本の大学生なみの年齢だ。こうした会が毎週開催されるが、2498人の兵士が死亡している。

【6/11 ガブリオラ島】
ジョシュアさんに、島の知人の名前を借りて輸送した家財道具がようやく届いた。そして心臓病で余命数ヶ月と宣告されている母からのビデオ・メッセージも。「あなたの行いを正しいと信じている」という息子への母の言葉を聞き、彼は正義とはなにかを考える。イラクでの非道を訴える戦いは、決してやめないと決意する。

*6月13日、ブッシュ大統領はイラクを電撃訪問し「アメリカ軍は今後もイラクに駐留して戦い続けていきます」と宣言*

6月14日は、Army Birthday。大きなバースディ・ケーキを見守る兵士達。彼らの表情からは、その心は全く伺え知れない。
「正義のために戦おう!強い国家を築くために 戦いに勝利するまで 陸軍は突き進む!」
歌いながらグラウンドを走る兵士達を見つめるラルフ・ガウアー氏は、かって同期の元国務長官コリン・パウエル氏とともにベトナムで戦った経験をもつ。しかし撃たれて、前線から帰国。おりからの反戦運動から、軍服を着て街を歩くと「人殺し」とののしられ、また親戚からは臆病者と蔑まれた。この時のつらい経験がよみがえったのか、目に涙をうかべた。「ハディーサ村虐殺事件も、イラクに駐在している13万人の軍人のわずか10~20人の蛮行で、戦争が間違っているとは絶対に言わせない。兵士達には、時間を無駄にしたと絶対に思って欲しくない」と主張する。彼のお気に入りの音楽は、「アメリカン・ソルジャー」

-俺はアメリカ生まれのアメリカ兵士 誇りを胸に仲間とともに立ち上がる 自由が危うくなった時 正義のために行動するのさ

イラク民間人のうち、4万人もの人々が亡くなっている。

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