千の天使がバスケットボールする

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「東京カワイイ★ウォーズ」NHKスペシャルより

2006-09-26 22:53:10 | Nonsense
”エビちゃん”は、そんなにカワイイか?→
カリスマ・モデルと大人気のエビちゃん大好き派というのは、そのファッションを見れば一目瞭然。髪型も雰囲気もエビちゃんに似ているのか、似せているのか。マスカラをたっぷりとぬった目と同じ、いかに自分を可愛く見せるのかが命。(9/24放映NHKスペシャルより)

2006年、3月渋谷で開催されたファッション・ショー「ガールズコレクション」に18000人の女の子たちが集結。彼女たちの目的は、蛯原友里ちゃんや、あの「日々一考」のecon-economeさまも大ファンという押切もえ嬢をひとめ見たいという熱心なファンや、等身大のブランドの知名度や品質よりも今すぐ着たい、着られる欲しい服、”リアル・クローズ”を携帯サイトでショーを見ながら同時に注文することだ。なんといっても日本の「Cancam」世代の女の子たちは、世界中で一番ファッションにお金を遣う巨大なマーケットだ。なかでも一番人気なのが、エビちゃん。彼女のカリスマの勢いで専属モデルを務める雑誌「Cancam」は、毎月80万部も売れている。特に雑誌の中で彼女が着用した服は、問い合わせが殺到して売れていく。これぞ”エビ売れ”現象だ。そしてキーワードは、兎に角「kawaii☆!!」だ。

そのエビちゃん人気にあやかろうとしたのは、老舗の足袋カイシャ。(NHKなので会社名は非公表だが、会社更生法を適用したといえばフクスケとすぐわかる。)
彼女にストッキングの商品開発を依頼する。素人のデザインに難色を示す社内のプロのデザイナーを声を抑え、エビちゃんや押切もえさんのアイデアや感想を熱心に聞くおじさん社員たち。エビちゃんのストッキングを脱いだ時におなかのあたりがさえないという実にリアルでナマナマしく艶かしい不満とアイデアをとりいれ、胴まわりにたくさんのハートのすかしもようをいれたストッキング。そのハートの微妙なカタチもエビちゃんご指定。80足の試作品からエビちゃんが気に入ってはいたストッキングを生産化しようと気合がはいる。そこでエビちゃんが選んだのは、足首のちょっと上の位置にハートの柄がはいった黒いストッキング。ここでも、キーワードはエビちゃんの「kawaii☆!!」のひと言だ。(モデルさんなので、会話の語彙が、肉体に比較して貧困なのは仕方がないか。)

エビちゃんファッションの殿堂は、渋谷109。このビルの中に一歩脚を踏み入れるとハイテンポでノリのよいにぎやかな音楽に思考能力をノックアウトされ、まるでパチンコやさんのファッション化を連想するのだが、年間の売上が253億。毎日すべての店の売上が公表されるという。常に新商品を入れ替え、鮮度を保ち若者の購買意欲を刺激する。売上のおちたテナントは、すぐに撤退させられるのだから、化粧の濃いいかにもコギャルあがりといった風情のアネゴの店長たちも、売上の計算には真剣そのもの。この中のひとつのお店で素人の元渋谷のコギャルだった女の子たちにデザインや運営を任せるテナントのオーナーの喜多徹夫さんは、「プロは必要ない」と言い切る。この渋谷の109のビル自体が、若い子たちの情報発信だ。彼女たちのデザインを国内より安い工賃で韓国に発注し、2週間後には店頭で売り出される。このくりかえしで、年々早くなる流行のサイクルの先端をいき、若い子たちの感性のアンテナをくすぐり消費をひきだす。長く愛着をもって着る必要はない。だから、生残りをかけてアパレル会社は安価で次々と手をかえ品をかえたデザインの服を売り続けていく。

こうしたリアル・クローズは所謂従来のモードの世界とは一線を画す。モードの世界では有名デザイナーが最先端の流行をつくりだし、ファッション・ショーを間近で見られるのは一部のバイヤーやジャーナリストの関係者だけだった。モード界のデザイナーのコシノ・ヒロコさんは、「ファッションとは、私らしいものはなにかということだ。とにかくコピーしてマーケティングに成功してお金にしたい人がいる。しかし先行的に新しいものを創る立場のものとして、人のものをコピーしていては、続かない。」と苦言を呈す。確かにモードのファッション・ショーはモデルが痩せすぎだろうが、実際に着るのは難しかろうが、芸術的なモードの美しさが厳粛にある。そしてデザイナーの創造性に心底敬服する。
しかし国内の経済復活をめざす経済産業省としては、芸術よりもパンの方が重要。官も協力して、日本ファッション・ウィークを開催して外国からの需要をほりおこそうとしている。日本ファッション・ウィークを主催するのが、イッセイ・ミヤケの代表者である太田伸之氏。太田氏は垣根をこえて、東京ガールズ・コレクションと共同開催することを提案して実現にこぎつける。
9月3日の勿論エビちゃんたちが笑顔をふりまく東京ガールズ・コレクションには、入場料3千円を支払って2万人もの人がやってきて、ネットでショーの様子を流して一日で2300万円の売上があがった。
エビちゃんの登場でわく女の子達の悲鳴が聞こえる。

「kawaii☆!!」

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4 コメント

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ああ・・・ (ペトロニウス)
2006-09-28 00:46:14
ああっ、これ見たのですね。見たかったんですが。注目している社会学者の宮台真司が、企画立てたやつですね、これ。
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実は可愛い大好き☆ (樹衣子)
2006-09-30 00:36:08


そっか・・・、ペトロニウスさまが反応したのは、エビちゃんでも押切もえさんでもなくて、社会学者の宮台真司さんだったのですね。

(清楚な凛としたシゴトができる風がお好みでしたから、彼女達は対象外?)笑



それは兎も角、番組中確かに宮台さんのお名前があがっていましたが、私の聞き違えではなかったのですね。

日本の若い女性にとって、「kawaii☆!!」は、ひとつの文化であり共同体感覚のポイントです。

このkawaii☆!!感覚は、仲良しメンバーを構成する重要な要因ですね。
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エビちゃんはかわいいか? (ペトロニウス)
2006-09-30 11:52:48
僕には、彼女たちの何がかわいいのかぜんぜんわかりません(笑)。それに、おっしゃるとり、僕は、男性も女性も、「凛とした」とか『冬の冷たい切り裂くような空気』みたいな印象のほうが、好きだなぁ。。。



ただ、宮台だんが若者を批判するならば、若者自体がどういう世界に住んでいるかの調査や共感がないと話しにならない・・日本にはそういったドキュメンタリーはぜんぜんあいのです。いいものは、たいていBBC(笑)。そういえば、なんでも人気のタラコ?(よくしらないのですが)その場所にBBCの取材が来ていました。ああいうレベルで、仕事して欲しいよなーNHKのも。。。



ちなみに、あるコンサルの副社長さんが、世界中でもアジア圏・・・とりわけ日本の若者のファッションの洗練度は、相当レベル高くてマーケティングがたいへんだといっていたんですが・・・なるほど、、ですね。僕はこれ見逃したんですが、あーーービデオを撮ればよかった。この内容は相当良かったみたいで、いろいろなブログでも取り上げられてますよねぇ。みんな良く見ています。
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エビちゃんはそれほど可愛くない (樹衣子)
2006-10-01 09:33:19
おはようございます。

再放送があるようですよ。⇒11月11日(土)午後3時5分~3時54分



この番組が好評を博したのは、ひとえに”エビちゃん”の知名度によるところが大きいと思います。共同通信でも”エビちゃん”の画像が発信されましたからね。でも共同通信も注目した理由は、エビちゃん個人よりも、日本の若い女の子のエビ売れ現象だと思います。

カワイイことがなによりも大事という日本の女の子のひとつの若者文化、それがキティちゃんのように欧米にも波及する可能性。

そしてエビちゃんが雑誌で着ていた服をそっくりそのままお買い上げする購買力というよりも、ファッションへの投資額。他者との差別化によって個を確立していく欧米人には、理解できないみな同じファッションと流行に飛びつく行動。



>日本の若者のファッションの洗練度は、相当レベル高くてマーケティングがたいへん



銀座のデパートは、次々と改装してファッション関係に比重をおき百貨店ではなくなりつつあります。巷にあふれるファッション関連商品は豊富というよりももはや溢れていると感じますね。選択肢が広いようで、意外と狭い印象も流行路線一辺倒だから。

でも雑誌を見ても、ファッションの感覚は鋭いですね。しかも森英恵さんが言ってましたが、日本人は質の高さを求めるので、生地、縫製もよくなければ売れないです。
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