千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

検察審査会レポート3

2005-02-23 21:34:12 | Nonsense
春一番の大風の中、第3回目の検察審査会に出席した。確かにこんな猛風では、H2Aロケットを飛ばす前に自分が飛ばされちゃうよ~~。
いつもの裏口から入り、法廷が並ぶ廊下の奥でエレベーターを待っていた。エレベーターが開くと同時に、伸びたぼさぼさの御髪(おぐし)を振り乱し、黒い法衣を着たおじさんが飛び出てきた。思わず身の危険を感じてよける。4月の陽気というくらい気温が上昇していたが、額に汗をかき、油ギッシュでなにごとかというあせった表情で飛び出す姿、ここがこういうバで法衣をお召しになっていなかったらちょっとアブナイ人に見えただろう。くわばらくわばら・・。なんとなく金融系の清潔でおしゃれなスーツ姿のビジネスマンとは雰囲気が違う。

今日から2つめの議号案に着手した。
毎回審議に入る前に、被疑者・被告人・申立人、及び関係者に親族、知人がいないか確認を行う。
内容に関しては守秘義務があるので、いっさい口外できない。だからうまく説明できないのだが、
題名を一瞥して、えっ・・・(・・ ? ) 、内容を読んでえっ・・・( ̄△ ̄;)、途中で回覧された資料を見て    (◎o◎;) !!!
けっこう申立てを審査するのにも厳しいものがある。いろいろと。月に3回だからまだよいが、毎日毎日こんな調書ばかり読んでいたら、精神が荒廃しそうな、そんなきつさなのである。知りたくない、見たくない。そんな感想は、自ら望んでこの席にいるのではないという状況もあるかもしれない。つまり、検察審査会の目的と意義は充分理解しているのだが、事件や事故に向き合う覚悟ができたいないということか。とっても勉強にはなるのだが。

そもそもそこに事件があり、あるいは事故があり、被疑者がいて被害者がいる。ロシアの文豪トルストイの「アンナ・カレーニナ」にある「幸福な家庭は皆一様に幸福だが、不幸な家庭にそれぞれに不幸である」そんな名言を実感する時間でもある。いずれ裁判制度も始まるが、事件の内容によっては女性にとっては精神的にきつい時があるかもしれない。それをみんなわかっていないのではないか。

ただ出席している審査員の方達は、みなさん非常に真面目で誠実に両者の立場にたって考えている。なかには思い込みや多少の偏見もあるが、それも人生経験から培った民意ではある。そして検察側や警察に対して的をえた厳しい意見もでてくる。またこのような場では、法という厳粛なみえざる手のもとに、人として人権を守るという真摯な態度に自然になるのだろう。
男性は正義感、女性は細やかな思いやり、そんな感情に基づく意見が多いようにみうけられる。来週はお休みで次回は親睦会があるそうなので楽しみである。何しろ我が県で選挙人名簿登録者数は4908131人、4ヶ所に地裁があるので、審査員もしくは補充員に籤で選任される確率は、なんと0.0000325・・・。そんなすごい確率での期間限定での出会いなのだから。

*刑罰には、生命刑、自由刑、財産刑とあり、刑法9条によって計の重さの順番が決められている。

追記:今日(24日)「国庫金振込通知書」が届いた。わずかな日当が指定銀行に振り込まれたという通知だ。取扱官署名に某地方裁判所、支払事由に2月9日会議分とのこと。