山口義行『経済再生は「現場」から始まる』中央公論社、2004年
著者の山口さんに、3年前に献本を受けました。すぐに読んで、読書ノートに書き込んでおいたものを引っ張り出して、以下に掲げます。
「現場」を重視し,そこに「解」を見出すコンセプトがよいです。眼から鱗がおちました。全体は3章からなっています。
第1章では,帳簿上の「不良債権処理」ではなく,「不良債権減らし」を提唱し,常陽銀行で経営改善支援活動の一環として対象となったある金属加工メーカーの支援,スーパーのM&Aが紹介されています。
第2章では「壊す」のではなく「活かす」という観点から,榛名湖でのワカサギ漁の炭素繊維による再生,大阪産業創造館による企業ネットワークの構築,尾鷲総合病院でのNSTによる地域医療再生の経験について論じられています。
第3章では近時における金融行政の転換,とくに中小・地域金融機関に対する施策の変化が示され,市民参加の新しい金融システム,金融アセスメントの提唱があります。
「現場」第一義主義の視点にたつ鋭い問題提起と先進的な実践の成果をまとめた好書です。
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