不思議な魅力をもった映画です。
開巻、赤い帽子をかぶり、ひげ面の男、トラビス(ハリー・ディーン・スタントン)がトボトボ歩いています。放浪者のようです。みるからに無口そうですが、わけありの雰囲気です。ずっと黙りっぱなしです。
ちょっとしたトラブルがあり、弟のウォルト(ディーン・ストックウェル)が呼び出されます。4年ぶりの再会です。しかし、会話がありません。
そのうち、だんだん事情がわかってきます。この男は何かの事情があって夫婦別れし、7歳のひとり息子ハンター(ハンター・カーソン)はウォルトのところに引き取られています。すっかりなついて、(事情はわかっているにせよ)弟夫婦をパパ、ママと呼んでいます。しかし、弟は実際の父親があらわれたのだから、なつかせようとします。
タイトルの「パリ、テキサス」の「パリ」はフランスの首都ではなく、テキサス州の片田舎の名前です。トラビスはそこに地所を買って、所収しているのです。
トラビスとハンターは次第に打ち解けていき、そのうち本当のママを、ヒューストンまで車で探しに行きます。
このあと、いろいろなことが明らかになっていき、最後は・・・・。結末も、これでハンターは大丈夫なのかな、と余韻が残ります。
映像がきれいです。それをみているだけでも価値があります。また、弟の妻、アンを演じたオロール・クレマンがいいです。やさしさの気持ちが伝わってきます。そして、トラビスの元妻、ジェーンを演じたナスターシャ・キンスキーは不思議なオーラを醸し出しています。
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